特集 2018年3月1日

真っ赤なオープンカーの焼き芋屋さん

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週末の夜、桜木町に現れる真っ赤なオープンカーの焼き芋屋さんがキニナル。という投稿が スさん からはまれぽ.com編集部に届いた。

調べてみると…27歳の男性が自身のロードスターを改造し、2018年1月2日より営業開始した焼き芋屋さん。お客さんの半分は車好きで、焼き芋も美味いことがわかりました。

(はまれぽ.com :はまれぽ編集部 )
はまれぽ.comは横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジンです。毎日更新の新着記事ではユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。はまれぽが体を張って徹底調査します。

前の記事:秘密基地みたいなプラモデル店の営業開始は15時から


いしや~きいもっ、や~きいもっ。
寒い時期になると聞こえてくる、焼き芋を売る声。
おっちゃんが、リヤカーや軽トラックで売っているイメージがある(フリー画像より)
おっちゃんが、リヤカーや軽トラックで売っているイメージがある(フリー画像より)
その常識を覆す、真っ赤なオープンカーの焼き芋屋さんがみなとみらいに現れるという投稿がよせられた。
真っ赤なオープンカーと焼き芋屋さん・・・結びつかない。

そこで、「焼き芋」「オープンカー」のキーワードをインターネットで検索すると、週末の夜のみなとみらいに、マツダのロードスターで焼き芋を販売している方を発見!

早速取材を申し込むと、快く引き受けてくれた。

衝撃的な光景

待ち合わせ場所は、みなとみらい線「みなとみらい」駅1番出口から徒歩3分の「スターバックスTSUTAYA横浜みなとみらい店前」の道路。

横断歩道の横に停車していて、すぐに見つけることができた。
真っ赤なロードスターの後部に謎の物体が…
真っ赤なロードスターの後部に謎の物体が…
ロードスターから出てきたのは、
	若いお兄さん!
若いお兄さん!
あぁ、焼き芋屋さんのイメージがことごとく覆されていく。
それにしても、みなとみらいにロードスターの焼き芋屋さんって、
	ちょっと衝撃的な光景(笑)
ちょっと衝撃的な光景(笑)
お兄さんが焼き芋の準備をする傍らで、取材スタート。

横浜ロド芋

最初に、お兄さんのプロフィールをうかがうと、「名前は『えるろこ』って呼んでください! Twitterのアカウント名でも使っています。平塚で生まれて、2歳のころに横浜へ引っ越してきました。それからずっと横浜で、横浜大好きです! このお仕事のほかに別の仕事もやっていますが、それは秘密で…(笑)」と、笑顔で自己紹介をしてくれた。
えるろこさん(27歳)と愛車のロードスターNC1
えるろこさん(27歳)と愛車のロードスターNC1
屋号は、横浜、ロードスター、焼き芋を組み合わせた「横浜ロド芋」
屋号は、横浜、ロードスター、焼き芋を組み合わせた「横浜ロド芋」
ロードスターの利点はあるかという問いには、「オープンカーでカッコつけられる、ってことくらいですね、出来ないことの方が多いですよ。二人乗りだから荷物も乗らないし(笑)」と話す。
荷物がパンパン! 乗り切らない荷物は牽引している
荷物がパンパン! 乗り切らない荷物は牽引している
ロードスターを焼き芋ができるように改造するためにかかった費用は約50万円。貯金を崩して捻出したそうだ。
「牽引に必要な器具(ヒッチメンバー)を装着してくれるショップを探すのに苦労しました」と、この形態になるまでの苦労も語ってくれた。
ヒッチメンバーは、地元・横浜のショップで取り付けたとのこと
ヒッチメンバーは、地元・横浜のショップで取り付けたとのこと
焼き芋の焼き器も手作り
焼き芋の焼き器も手作り
トランクにキャリア(荷台)を組み、その上に焼き器を載せているので“積み荷”として扱われ、“移動販売”という形態で営業している。
焼き芋と焼きトウモロコシは“火を入れるだけ”なので調理と見なされず、特別な許可は必要ないそうだ。
自前のステッカーを張り付けた消火器も常備(あの映画のパロディですね!)
自前のステッカーを張り付けた消火器も常備(あの映画のパロディですね!)

焼き芋へのこだわり

ロードスター×焼き芋のインパクトもさることながら、えるろこさんの焼き芋へのこだわりにも注目したい。
住宅街を避けて焚きつけを行う、えるろこさん
住宅街を避けて焚きつけを行う、えるろこさん
「美味しい焼き芋を作るために毎日焼き方を研究しています。営業を終えて、気付いたら明け方になっていることも多いんですよ。1日4~5本は焼き芋を食べているんですが、焼き芋はダイエット効果もあるらしく、筋肉の周りの脂肪が柔らかくなった気がします(笑)」と、焼き芋への熱意を語るえるろこさん。
石焼き芋の「石」を敷き詰めて
石焼き芋の「石」を敷き詰めて
安納(あんのう)芋よりも甘い「紅はるか」を投入!
金額はサイズによって異なり、300~1000円で販売している
金額はサイズによって異なり、300~1000円で販売している
横浜を愛するえるろこさんは、「サツマイモの美味しさは土壌が100%なので、そのあたりも考慮しながら、いずれ横浜産のサツマイモで焼き芋を作れたらいいな、と思っています」と、出来るだけ地元の素材を使用したいと考えているそうだ。
薪は鎌倉在住の友人から仕入れているという
薪は鎌倉在住の友人から仕入れているという
えるろこさんは、インターネットなどで調べた焼き芋のレシピをいくつか試したが、なかなか理想の味に辿りつかなかったそうだ。

そこで、どんな風に火を入れたらデンプンが甘さに変わるのか、成分から考えてオリジナルレシピを考案したという。
焼き器の上段、下段、煙突と3つの温度計を管理している
焼き器の上段、下段、煙突と3つの温度計を管理している
味については、「営業開始当初は甘くもない、ただの“ふかし芋”のような焼き芋だったんです。でも、最近になって美味しく作る方法が確立してきて。最初のころを知っている常連さんからは、『前と全然違うね、美味しくなってる!』って言ってもらえます」と頬を緩ませる。
今の課題は、“いかに早く焼き芋を作るか”とのこと
今の課題は、“いかに早く焼き芋を作るか”とのこと
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車好きのお客さんが集まる憩いの場

単に珍しいだけではなく、焼き芋の味にもこだわったロド芋。お客さんの反応がキニナル!

現在、土日はみなとみらい、水曜日は鎌倉で、午後6時~午後11時の時間帯を目安に営業しているという。ゲリラ的に営業することもあり、営業前にTwitterで時間と場所を配信している。

お客さんは男性が多く、みなとみらいは7割、鎌倉は10割近くが男性なのだとか。
ロド芋に訪れるお客さんの車もカッコイイ! こちらは鎌倉の様子(えるろこさんTwitterより)
ロド芋に訪れるお客さんの車もカッコイイ! こちらは鎌倉の様子(えるろこさんTwitterより)
また、お客さんも車が好きな人が全体の半分を占めており、「ロードスターのシリーズ、NA、NB、NC、NDの4台が勢ぞろいした時は鳥肌が立った」と嬉しそうに話してくれた。
取材日も自慢の愛車に乗って来るお客さんの車が列を作る
取材日も自慢の愛車に乗って来るお客さんの車が列を作る
焼き芋販売の際にはお客さんの車も含め、交通の妨げにならないよう気を付けているそうだ。

そして列を作るのは車だけではない。
Twitterを中心に口コミで話題となり、お客さんが歩道側にも行列をつくるまでになったのだ。
取材日も、焼き上がる30分以上前から列ができはじめ
取材日も、焼き上がる30分以上前から列ができはじめ
通り過ぎる人もカメラを向けていた
通り過ぎる人もカメラを向けていた
販売当初は1日10kg前後の売り上げだったものが、現在は25kg前後まで増えたという。それでも、売り切れてしまうことは珍しくないとのこと。

それほどまでに人々を惹き付けるものは、「ロードスター×焼き芋」というインパクトだけではないことが、えるろこさんとお客さんのやり取りから見えてきた。
焼き芋を手にしているのは、八王子から1時間かけて駆け付けた男性
焼き芋を手にしているのは、八王子から1時間かけて駆け付けた男性
こちらの男性はダイハツのコペンで来訪し、近くの駐車場に止めて来たそうだ。えるろこさんと車の話を中心に会話が弾んでおり、まるで初めて会ったとは思えない様子だった。

この日が3回目となる常連さんもいた。
旭区在住の「@食前パフェばやす」さん
旭区在住の「@食前パフェばやす」さん
えるろこさんと談笑しながら、「ロド芋のことはTwitterで知ったんですけど、変なことしている人がいる! と衝撃的でした(笑)初めてこの光景を見た時は、笑っちゃいましたね」と、ロド芋との出会いを話してくれた。
「めちゃくちゃ美味いっす!」
「めちゃくちゃ美味いっす!」
焼き芋が焼き上がるまでの30分近く歩道で待機していたハラさんもTwitterで知ってから、ずっと気になっていたという。
行列の先頭にいた、みなとみらい在住のハラさん
行列の先頭にいた、みなとみらい在住のハラさん
「なかなかタイミングが合わず、やっと出会えました! 待ってる分だけ待ち遠しくなりますね(笑)」と嬉しそう。

スバルのBRZで訪れていた川崎在住の「デビχ@§ËiiÿÆ」さんは、
「焼き芋は日に日に美味しくなっていますね!」
「焼き芋は日に日に美味しくなっていますね!」
「ロド芋は車好きの人たちと交流できるのも魅力の一つだと思います。車好きの友達から“ロド芋行こう”と誘われることもありました(笑)」と、ロド芋の醍醐味を話してくれた。

ミツビシのDELICAでお越しの、「まさ@埼玉」さんもTwitterを見て訪れたそうだ。
今日はたまたま横浜近郊でお仕事だったという
今日はたまたま横浜近郊でお仕事だったという
「蜜がたっぷりで美味しいね。ちなみに自分のデリカは、TDIチューニングのデモカーなんだ!」と焼き芋の話はそこそこに、自慢の愛車についてたっぷりと語ってくれた(笑)。
自然と車好き同士の交流が生まれるようだ
自然と車好き同士の交流が生まれるようだ
通りすがりに写真を撮影していた男性は、「ロードスターと焼き芋、最高のミスマッチだね。彼みたいなスタイリッシュで若い子が焼き芋を売っているのも素敵だし、煙突を見ると昔懐かしい気持ちになる」と目を細めいていた。

取材を終えて

カッコイイだけじゃなくて、焼き芋も美味い! だからこそ人が途切れないのだろう。
1秒前まで石焼きにされていたため、正真正銘の焼きたて!(800円)
1秒前まで石焼きにされていたため、正真正銘の焼きたて!(800円)
とても熱かったが、この熱が寒さでかじかんだ手にうれしい。
蜜が溢れ、袋にも蜜がたっぷりとついている
蜜が溢れ、袋にも蜜がたっぷりとついている
ホクホクの焼き芋をハフハフしながら食べると、冬っていいなぁ~としみじみした。
脳に糖分が行き渡るのが分かるほど甘くて、本当に美味しかった
脳に糖分が行き渡るのが分かるほど甘くて、本当に美味しかった
えるろこさんに今後の活動についてうかがうと、「夏はやっぱり…かき氷ですかね!?」と、無邪気に笑った。

取材協力
@EL_Loco2018 さ
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