特集 2018年1月31日

ARで屏風から虎を出す

「それでは屏風から虎を追い出してください」「よっしゃわかった!」現代のとんち返しをここに!
「それでは屏風から虎を追い出してください」「よっしゃわかった!」現代のとんち返しをここに!

一休さんが将軍さまに「この屏風の虎を捕まえてみせよ」と言われる話がある。
しかしそんな無理難題を、一休さんは「それでは将軍さま、屏風から虎を追い出してください」と返し、持ち前のとんち力で将軍さまをやりこめてしまうのであった。
有名な話だし、一休さんやるなぁという感想にもなる。

しかし、将軍よ、足利義満よ。それでいいのか。
21世紀の技術で一休を逆にやりこめてはみないか。

この記事は工作特集3DAYSの3日目、「お題『虎」』の1本です。ほかの記事はこちらへどうぞ。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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立ち上がれ、足利義満

アニメの一休さんだが、子どもの頃に再放送でやっていた記憶はあるが、屏風から虎を出す回は見たことがなかった。
改めて見てみたいがどうすれば…と思ったら、アマゾンビデオにあった。なんでもあるなアマゾン。

ポクポクポクチーン。「将軍さま、屏風から虎を追い出してください。」(出典:Amazonビデオ「一休さん」</a>より)
ポクポクポクチーン。「将軍さま、屏風から虎を追い出してください。」(出典:Amazonビデオ「一休さん」より)

これだこれだ、このシーンだ。 「このはしわたるべからず」と注意書きのある橋の真ん中を堂々と渡る、というのと並んで有名なシーンだ。

そして無理難題をふっかけた将軍さまがぎゃふんと言わされるのである。
「な、なんと…!」といういい顔。(出典:同Amazonビデオ)
「な、なんと…!」といういい顔。(出典:同Amazonビデオ)
ちなみにこのあとは、一休さんの母からの手紙を読んだ一休さんと将軍さまが思いを巡らせる、というちょっといい話になるので見てほしい。知らなかった。

それはそれとして、将軍・足利義満である。
僕も子どもの頃に見たのなら一休さん側について、なんて無理難題をふっかけてくるんだ将軍め、となるところである。
しかしもう30歳を過ぎてしまったので、将軍しっかりしてくれよと思ってしまうのだ。
南北朝統一は、金閣寺建立は、北山文化はどうしたのだ。

屏風から虎を出せれば良かったのだ。これが出来れば、一休さんを逆にやりこめるはずだ。
そう思い、解決手段を作った僕はタイムスリップして足利義満に託してきた。ちょっと彼にバトンタッチしたい。

舞台は室町時代へ

!

室町幕府3代目将軍の足利義満じゃ。
ここに虎の描かれた屏風があるじゃろう。

屏風の下にあるのは部屋に転がっていたルンバの箱じゃ。
屏風の下にあるのは部屋に転がっていたルンバの箱じゃ。
うーむ、一休さんにやりこめられてしまったが、なんとかして見返してやりたいのう…。
そこで、これじゃ。
そこで、これじゃ。

スマートフォンを使うのじゃ。アプリを起動して屏風を写すぞ。

北山文化の屏風が液晶画面に写るのじゃ!イノベーションじゃのう。
北山文化の屏風が液晶画面に写るのじゃ!イノベーションじゃのう。
画面の中の屏風をタップしてみるぞ。そうすると…。

虎がバーン!じゃ。
虎がバーン!じゃ。

虎が出てきたぞ!しかも何頭も出せるのじゃ。
AR技術が使われているのじゃ!足利リアリティの略じゃ。
これで一休さんを見返せるのう。

はっはっは、今度TEDでプレゼンするしかないのう。
はっはっは、今度TEDでプレゼンするしかないのう。

めでたしめでたし。

続きます。

虎を出すには

半ページも茶番を載せてしまい震えているところだ。お付き合いありがとうございました。

ともかくこれで将軍も屏風から虎を出すことが出来るようになったのだ。
工作記事特集なので、制作過程だけ簡単に書いておきたい。

まず、アプリを作るのにUnityというソフトを使った。ゲームを作るのに使われているソフトで、3DのCGを簡単に扱うことが出来るのだ。
こんなシンプルな構造になっていました。
こんなシンプルな構造になっていました。

長方形の板を用意して、そこにカメラからの画像を映す。そしてその板の後ろに虎が待機していて、画面がタップされたら虎が飛び出してくる、という作りだ。

CGを使う場合は3Dモデルを作るのが大変だ。虎の3Dモデルはどうしたのかというと、Unityは便利な機能がある。
他人が作った3Dモデルを買えるのだ。
Tigerで検索したらたくさん出てきた。
Tigerで検索したらたくさん出てきた。
Unityは初めて使ったが、これがすごく便利だった。モデリングが出来なくてもそれっぽい形にはなるのだ。

あとは屏風を作れば終わりである。
ダンボールを切って紙を貼り、虎を描く。
一休さんの虎を参考に描く。
一休さんの虎を参考に描く。
虎が出来た。虎…?
虎が出来た。虎…?

どことなくゴリラ感のある、もしくはツタンカーメン感のある虎が誕生した。
速やかにユーキャンのイラスト講座などで学んだ方が良いかもしれない。

とにかくこれでどこからでも虎を出すアプリが誕生したのである。

屏風以外からも虎を出す

この現代社会には屏風以外にも虎が潜んでいるのではないか。せっかくなのでそこから虎を追い出しておこう。
やってきたのは虎ノ門だ。
虎ノ門駅、まったく来る用事がない。
虎ノ門駅、まったく来る用事がない。
港区のサイトでは、虎ノ門の由来についてこう書かれていた。
町名の由来ともなったこの門の名は、四方に、青龍・白虎・朱雀・玄武という獣神を配する四神思想(しじんしそう)によるものと推定されています。江戸城の西に位置する虎ノ門は、西の獣神「白虎」にちなんだ名になったわけです。
正直名前に虎が入っているからいいかなと思って適当に選んだが、虎が由来だ!
歩いてみると、街なかには虎をモチーフとしたお店が思ったよりもあった。
看板に虎が入ったラーメン屋だ。
看板に虎が入ったラーメン屋だ。

早速見つけた。とりあえず虎を出しておこう。

絵柄は似ているが構図を全く無視して出て来る虎。
絵柄は似ているが構図を全く無視して出て来る虎。

少し行くと、阪神ファンに人気、といった風情の居酒屋が。

掲げられる球団旗!
掲げられる球団旗!

このあと中に入ってお昼を食べたが、店内はユニフォームがたくさんあって阪神推しなお店だった。
虎にあふれている。これは、出しておかないと。

あふれる猛虎魂!
あふれる猛虎魂!

さらに進むと、巨大なビルが出てきた。

虎ノ門ヒルズである。
虎ノ門ヒルズである。

でかい。でかくて画角に収まらないくらいだ。
最近の虎ノ門の開発ぶりを象徴するビルではないだろうか。
ここから虎を出してみたらどうだろうか。

出た!でけえ!
出た!でけえ!

怪獣映画のようで笑ってしまった。でかい建物から出すと、虎もでかく見えるので面白い。
思いの外ハマってしまい、GIFだけでなく動画も載せたので見てほしい。


嗚呼、室町時代にスマホがあれば

足利義満に捧げるアプリが出来た。これがあれば義満もぐぬぬとならなかったであろうに。
義満の頃にこのアプリがあるほど発展していたら、8代目の義政のころには枯山水をプロジェクションマッピングで出せていたかもしれない。

Unityを使うことでなんでもかんでも画面の中に出せることがわかったので、今後も色々なものを出していきたいところである。
レストラン・ボリュームといういい名前のお店が虎ノ門にあったので報告しておきます。虎は出ないけど。
レストラン・ボリュームといういい名前のお店が虎ノ門にあったので報告しておきます。虎は出ないけど。
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