どのくらいデカいかは上の写真を見て頂きたい。通常サイズのドングリから見たら軽く時空がゆがんでるくらいデカい。
このドングリが実る木は「オキナワウラジロガシ」という名前なのだが、オキナワと名が付いている通り沖縄本島から奄美諸島あたりまでしか生えていないらしい。さらにこのオキナワウラジロガシは割と山あいに生えているらしく、ちょっとやそっとでは拾うことができないらしい(僕が持っているのは人からのもらい物である)。
かねてから、いつかこのデカいドングリを拾いに行きたいと思っていたのだが、どうやら沖縄本島の北部国頭村に樹齢300年のオキナワウラジロガシの大木があるらしい。というわけでドングリを探しに行ってきた。
沖縄本島最北端の国頭村
やってきたのは沖縄本島の最北端の国頭村。
あまり山が無い沖縄本島だが、北部の「やんばる」に行くと見渡す限り山と森である。
これから目指すのは伊部岳(いぶだけ)という山への登山道なのだが、この辺りの道は普通にヤンバルクイナが道路を渡ったりするのを見ることができる。
2016年に「やんばる国立公園」として指定されたからか、登山道の入り口にはちゃんと看板が設置されていて迷わないようになっている。
目指すオキナワウラジロガシの大木は入り口から約3km、歩いてだいたい1時間くらいの場所にあるようだ。
一点誤算だったのは、ここのオキナワウラジロガシのドングリは採ってはいけないと記載があったことだ。ドングリ拾いができないと知ってちょっと落胆したが、デカいドングリが落ちている様を見るだけで満足することにしよう。
さて、これからオキナワウラジロガシを目指すわけなのだが、国立公園に指定されてからやんばるの山では遭難事故が多発しているらしい。観光協会などに連絡するとガイドを紹介してくれたりするらしいので、もしこの記事を読んで行ってみようと思っている人がいるようであればそちらをオススメしたい。
林業の歴史を垣間見つつ、山道を散策
歩いているとちょこちょこ目に入るこれはマングースを捕まえるための罠。ハブを退治するために沖縄に持ち込まれたマングースだったが、結局ハブ駆除には効果を発揮せず、畑を荒らしたり希少な生物を食べたりする害獣となってしまった。本島北部ではマングースを駆除するために結構な数の罠が設置されている。
途中、ちょっと開けて畑があり、そこに沿う形で道を進んでいく。
オキナワウラジロガシへは登山道とは別に道があり、看板が立っているのでそちらへ。入り口の看板はきちんとしているのにこっちの看板はボロボロだ。大丈夫だろうか。
ここらからは結構アップダウンが激しく、道も狭くなっていく。
途中で石積みの門みたいなものがあったが、これは炭焼き窯の跡らしい。その昔国頭村では林業が盛んで、多くの人が山で生計を立てていたという。こんな山奥で炭を焼いていたとはすごいぞ。昔の人。
樹齢300年のオキナワウラジロガシ
最近全然運動していないので、ヘロヘロになりながら歩くことだいたい1時間。
ようやく目的だった樹齢300年のオキナワウラジロガシに到着した。
この感動を皆さんに写真で伝えたいのだが、後で写真を見返してみたら全然サイズ感が伝わらない。このオキナワウラジロガシは樹齢300年。日本一大きなオキナワウラジロガシの木だと言われているらしい。つまり日本一大きなドングリがなる日本一大きなドングリの木というわけだ。
ドングリで有名なこの木はもともと建材として首里城の柱や守礼門に使われていたそうで、国頭村からも木材を運んだ記録が残っているのだとか。この木はその生き残りらしい。
そして、気になるドングリだが足下を見てみると…あった!
あのデカいドングリがゴロゴロと落ちている!持ち帰りはできないがゴロゴロ転がっているデカいドングリは圧巻である。考えてみて欲しい、普通のドングリだって拾ったらちょっとテンションがあがるのだ。そのドングリがさらにデカい。これはドングリ拾いの最上級の体験、ドングリ拾い2.0くらいのインパクトがあるんじゃないかと思う。
一通り興奮したあと、ちょっと冷静になって名残惜しいが拾ったドングリはその場に残して元来た道を戻ることにした。
ドングリがデカいとそれだけで幸せな気分になれる
というわけで沖縄の山の中でデカいドングリを探すという記事だったわけだが、もう一つやってみたいことがあって後日人からもらったオキナワウラジロガシで以下の写真を撮った。
そう。かつてデイリーで「
でかいタバコの箱」という記事があったがあれに近いことがドングリでできるのである。ドングリがデカいとなんだか幸せな気分になれるし、色々遊べる。沖縄でもなかなか探せないが、沖縄に旅行などでいらっしゃった皆様はぜひデカいドングリ探しに行ってみて欲しい。