沖縄方言な名前
まずはこちらを見て頂こう。「じょうとうマンション」。「上等(じょうとう)」は沖縄では「すごくいいね」というニュアンスでよく話し言葉で使われる。しかしそれを文字にした時の違和感はなんだろうか。もやもやしてしまう。
沖縄方言ではトタン葺きの家を「トタンヤー」、瓦葺きの家を「カワラヤー」という(やー=家)。つまり直訳すればこのマンションは「瓦葺きのマンション」という意味になるのではないかと思われる。しかしよく写真を見て欲しい。別に瓦葺きなわけでもないのだ。
上のものと同じ使われ方で「ハウジング あめりか家ー」。欧米風の近代的な設備が整った、みたいなニュアンスで付けられた名前なのかもしれない。
「ぬち」は沖縄方言で「命」。ヴィレッジは村なので全て漢字に直すとしたら「命村島」。いったいどのような経緯で名付けられたのだろうか。
「てぃーだかんかん」は「てぃーだ=太陽」で「太陽がさんさんときらめく」的な意味である。最後の「かん」を「館」とかけたダジャレ物件(ちなみに下の「大謝名」は「おおじゃな」と読む)。割と最近できた近代的な建物だが、ここに住んで住所を人に言うときにちょっと躊躇してしまいそうだ。
こちらもダジャレ系物件。「がんじゅうでーびる」は「元気ですよ」的な意味になると思われるが「でーびる」の「びる」が「ビル」とかかった形である。
こちらは宮古島の物件。「ぱいぱい」という響きからすると完全にあっちの方を思い浮かべると思うが、どうやら宮古島で「ぱいぱい」というのは「すばらしい、よく似合う」という意味の方言らしい。宮古島には他にも「パイ・パイ・パーク」という公園もある。
読み方はおそらく「カスティーヨグスク」。沖縄で「城」と書くと、人名などを除けば「グスク」と読むことが多い。「カスティーヨ」はスペイン語で「城」の意味だそうだ。たまにサルサソース、ガンジス川みたいに意味が重複している単語が話題になることがあるが、「カスティーヨ城」もその候補に加えたい。
ひょっとしたら沖縄姓
続いてこちらを見て頂きたい。
「ゴールドキャッスル」一見して普通の名前に見えるが、ゴールド=金+キャッスル=城。そう。多分オーナーは金城(きんじょう)さんなのではないか。金城は沖縄でかなりポピュラーな姓である。というわけで以下は多分沖縄姓を直訳で英語に直したマンション・アパート名をご紹介したい。
「ビッグキャッスル」。多分オーナーは大城(おおしろ)さん。
「ニューウォール」これは一見普通の名前に見えるがおそらく「ニュー=新+ウォール=垣」で新垣(あらかき)さんがオーナーの物件ではないだろうか。そこまでして英語にしなくてもいい気もするが。
「ハッピープレイス」。「ハッピー=幸+プレイス=地」で、幸地(こうち)さんなんじゃないかと思われれる。
よくわからない名前
最後は沖縄関係無く、よくわからない名前のマンション・アパート名をご紹介したい。
「メゾン七五三」。何がどうなってこんな名前になってしまったのか。
「メゾネットおかっぱ」。ちゃんとした賃貸物件でもちょっと入居するのをためらってしまうような名前。
「ありがとう波平ハイツたのし荘うれし荘」。多分住人の人は「波平ハイツ」しか住所には記載していないと思う。
沖縄のアパート・マンション名は面白い
というわけで沖縄で見つけたちょっと変わったアパート・マンション名をお届けしたがいかがだっただろうか。変わったアパート・マンション名は沖縄っぽさもありつつ、意味不明なものもありつつなかなかに味わい深い。沖縄に旅行などで訪れた際は是非きょろきょろとマンション・アパート名をチェックして頂きたい。