特集 2017年11月10日

アーケードゲームのジョイスティックをつい買ったのでゲームを作った話

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ネットショッピングサイトを見ていると、ゲームセンターなどに設置してあるアーケードゲーム機の「ジョイスティックだけ」が売られているのを見つけた。
いや、正確には、ネットショッピングサイトの思惑に乗った形なので「見つけさせられた」という方が正しいのかもしれない。

「こんな物まで売られているのか!」という驚きと共に、公共の場とも言えるゲームセンターにしか無いと思っていたジョイスティックを、所有出来るという喜びと衝動に駆られ、まんまと購入ボタンをポチってしまった。
1984年生まれ岡山のど田舎在住。技術的な事を探求するのが趣味。お皿を作って売っていたりもする。思い付いた事はやってみないと気がすまない性格。(動画インタビュー)

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ジョイスティックをガチャガチャするのは楽しい

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ものの数日で届いたのがこちら。レバーの色は「金色」にした。折り紙の「金色」は他の色よりテンションが上がるが、ジョイスティックもまた金色の方がテンションが上がるのだ。一つ問題点を挙げるとするならば、漏れなく自分が写りこむ事だろうか。

調べてみると、ゲームセンターの様に家庭でもゲームが楽しめる、アーケードゲームコントロ-ラー(アケコン)という物があるらしい。そのジョイスティックが故障したり、操作感にこだわったりする場合はこの様にジョイスティックだけを買って、交換することがあるそうだ。

写真と文章だけでは伝わらないかもしれないので、想像してほしい。これが手の届く範囲にあったらどうだろうか。意味もなくガチャガチャしたくなるはずだ。

ジョイスティックのケースを作ろう

3日間くらいは、ジョイスティックをガチャガチャするだけで満足していたが、だんだんと固定した状態でガチャガチャしたくなってきた。

そこでジョイスティックを固定するケースを作った。激しい操作をしてもビクともしない様、ちょっと厚めの3mmのプラスチック板を使用した。
CNCフライス盤という、刃が高速回転する機械でプラスチック板をカットする。
CNCフライス盤という、刃が高速回転する機械でプラスチック板をカットする。
この機械は、今回の様な工作用に買ったホビー用の機械だ。設計図通りに寸分違わず加工できるのでとても便利。
切ったプラスチック板に付属のネジで留め、
切ったプラスチック板に付属のネジで留め、
組み立てた
組み立てた
3mmのプラスチック板は想像以上にガッシリしていて、多少乱暴にガチャガチャしても問題なさそうだった。これだけでも、すでに満足している自分がいる。
しかし、「このジョイスティックで何かを動かしたい」と思う様になるまで、それほど時間は必要としなかった。

ジョイスティックで何かを動かす

ジョイスティックは多くの場合、何かを操作することに使う。それは格闘ゲームのキャラクターかもしれないし、時間内に動かすタイプのUFOキャッチャーかもしれない。

しかし、このジョイスティックで何かを動かすというと急に難易度が高く感じられた。あまり難しい事もできないので、
このようなゲームを作ろうと思った。
このようなゲームを作ろうと思った。
ジョイスティックを傾けると迷路の部分が傾いてボールが迷路の中を転がる、ボール迷路の一種だ。あまり新鮮さはないが、ジョイスティックに連動して傾ける機構さえ有れば良いし、ボールを自在に動かすことも出来る。

それに、やはりゲーム用のジョイスティックはゲームに使う事こそが本懐ではないかと思う。
迷路を傾けるのはこのサーボモータと呼ばれるモーターの一種を使った。
迷路を傾けるのはこのサーボモータと呼ばれるモーターの一種を使った。
普通のモーターはグルグルと回り続けるが、サーボモータは指定の角度まで細かく回るモーターだ。
部品をハンダ付けする。
部品をハンダ付けする。
ジョイスティックに接続すると、動作に連動してサーボモータが動く
ジョイスティックに接続すると、動作に連動してサーボモータが動く
割とすんなりと出来てしまったが、僕の組み立て方が悪かったのか、サーボモータが普通の状態でもちょっと右側に傾いている。
次の迷路の部分は軽いほうが良いので木で作成した。
次の迷路の部分は軽いほうが良いので木で作成した。
壁はボールが通るギリギリの幅を目測で取り付けていった。
壁はボールが通るギリギリの幅を目測で取り付けていった。
通路が極端に狭くなったり、縦と横で幅が違ったりという事もなく上手く作る事ができた。
先ほどのサーボモータに乗せるとこんな感じ。
先ほどのサーボモータに乗せるとこんな感じ。
動いているところ
動いているところ
ご覧の通り、ジョイスティックを傾けた方向に極端に動く。

それというのもジョイスティックにはそれぞれの方向にONとOFFしかなく、ちょっと傾けるというような手加減は一切出来ない。そして操作してから傾くまで僅かにタイムラグがあり、さらにサーボモータの組み立てがうまく行かなかったのが災いして、全体に右に傾いている。何も操作しなくてもボールが右に転がり、操作はかなり難しい。

飲み会に持って行った

せっかく作ったので自分で遊ぶだけではもったいない。飲み会に持っていく事にした。

「なぜこれを作ったか」という事を聞かれたら、説明がとても難しい。正直に言えば「そこにジョイスティックがあったから」だが、どう説明すれば良いか結論は出なかった。
遊び方を説明して、遊んでもらった。
遊び方を説明して、遊んでもらった。
しかし、心配していた「なぜこんなものを作ったのか」については、ほとんど聞かれなかった。無駄に大きくて目立つので、先にそっちに興味が行ってしまったようだった。

「どこがスタートでどこがゴールか」を良く聞かれた。一応左上がスタートで、右下がゴールのつもりだったのでその様に説明した。
結構、熱中してしまう人も多かった。
結構、熱中してしまう人も多かった。
ゴールすると嬉しい。
ゴールすると嬉しい。
ちょっと子供だましかなと心配していたが、意外にもかなり好評だった。「(思うように操作できなくて)すごくイライラする」という感想が多かった。

あとあまり難易度までは考えられなかったので、スタート直後が難しくて段々簡単になるという、ダメな難易度設定になってしまった。

残念ながら、肝心のジョイスティックについては誰も興味を示してくれなかった。

ゲームになった時点で、ジョイスティックはただの入力手段になってしまう様だ。ジョイスティック好きの僕にとっては残念だが、全体としては喜んでもらえたので良かった。

今後、何かイベント等に持って行って遊んでもらえたら良いなと思っている。

今回のボール迷路のシミュレーターを作ってみた

最後に、せっかくなので遊んでもらえるように、今回のボール迷路ゲームをブラウザ上でシミュレーション出来る様にしてみた。右に傾いている所や、操作してからちょっとタイムラグがある点、最初が難しくてだんだん簡単になる所も再現している。ちゃんと動くといいのだけれど…。
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