特集 2017年10月5日

ICなしで太鼓の達人風ゲームを作る、「普通じゃないプログラム」発表会

本当に普通じゃない作品が出た

そうこうしているうちに、このABProを主催している宮下研究室のボスである宮下先生の発表の番が来た。

今年は一体どんな普通じゃない作品が…?と思いながら見ていたら、いきなりすごいスライドが出てきた。
カリウム搭載プリンターの提案!
カリウム搭載プリンターの提案!
インクジェットプリンターはCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)の4色のインクが使われている。
しかしこのうち黒はCMYを混ぜれば出来るので、なくても良いのだ。
そこで、Kのインクを黒の代わりにカリウム(元素番号はKだ)を入れてやろうという試みである。
プリンターのKのタンクに水酸化カリウム水溶液を入れてしまったのだ。

…さらっと書いてしまったが、水酸化カリウム水溶液は強アルカリで危険な薬品なので、絶対に!絶対に真似しないでください!
本気のお願いなので赤字で書いた。本気と書いてマジである。

薬局で免許証出して印鑑押さないと買えないようなやつだ。先生は前にも化学薬品を扱った研究をしていたのでその辺りは心得ているが、賢明な読者の皆さんは(賢明じゃなくても)真似しないでください。
強アルカリパワーによりアルミホイルに穴を空けるようなやつなのだ。
強アルカリパワーによりアルミホイルに穴を空けるようなやつなのだ。
ということでほんとにマッドな発表が出てきた。ではカリウム搭載プリンターは何が出来るのか?
中学の理科を思い出しながら次のスライドを見てほしい。
Kだけで印刷すると、見た目は真っ白。でも、フェノールフタレイン溶液をかけると…
Kだけで印刷すると、見た目は真っ白。でも、フェノールフタレイン溶液をかけると…
印刷したところが浮き出てくる!
印刷したところが浮き出てくる!
フェノールフタレイン溶液。授業で習った記憶はある。
アルカリに反応して赤くなる溶液だ。酸性・中性だと白のままなので、水酸化カリウム水溶液があるところだけが赤くなるのである。
つまり、あぶり出しのえらく危険なバージョンだ。
酸で中和すると無色になる。
酸で中和すると無色になる。
すげえ!おもしれえ!と思わず声が出た。授業で習ったことをこうして別の形で実装して見せられると、こうも面白いものか。

さらに先生は別の溶液も購入した。
BTB溶液だ。
BTB溶液だ。
酸やアルカリを判別するのに使う溶液だ。Wikipediaには色の変化の説明がこういう風に書かれている。
色の変化は pH < 6.0で黄色、pH > 7.6 で青色であり、その中間では緑色を示す。ただし、非常に強い酸に対しては赤色を、非常に強い塩基に対しては紫色を示す。
つまり酸からアルカリに変わるにつれて、赤→黄→緑→青→紫と変わっていくのだ。
「この色の変化…プリンターになりませんか?」という話である。

ということで、Cのタンクに水酸化カリウム水溶液とBTB溶液で作ったシアンを(!)、Mのタンクに塩酸とBTB溶液で作ったマゼンタを(!)ぶち込んだ。
普通じゃない。狂ってやがるぜ…!
普通じゃない。狂ってやがるぜ…!
印刷した結果がこちら。
印刷した結果がこちら。
強酸・強アルカリで作った二原色プリンターはさすがに色合いが薄かった。
しかしぶっちぎりで普通じゃない作品だ。
自己責任でもやらないでくださいね。
なぜならプリンターが壊れるからだ。
なぜならプリンターが壊れるからだ。
このプリンターの発表動画はこちらから見られるのでぜひ見てほしい
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