特集 2017年9月7日

UNOのドロー4をハンドスピナーで回すとめちゃめちゃきれい

曼荼羅みたいですが全部UNOのドロー4です
曼荼羅みたいですが全部UNOのドロー4です
最初はハンドスピナーで路線図を回したらきれいなんじゃないかと思ったのだ。
あの高速回転で、色とりどりの路線図を回したら、さぞ色の流星となるに違いない。やってみたら思いのほか楽しくて、もう色々回してしまった。そしたらドロー4の優勝が決まった。ちょっと順を追って説明します。
1975年宮城県生まれ。元SEでフリーライターというインドア経歴だが、人前でしゃべる場面で緊張しない生態を持つ。主な賞罰はケータイ大喜利レジェンド。路線図が好き。(動画インタビュー)

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「ハンドスピナーで回っている路線図はなんでしょう」

きっかけは東京カルチャーカルチャーで行った「路線図ナイト3」だった。同じDPZライターの西村まさゆきさんと「路線図をただ眺めていいねぇ~って言う」だけのイベントである。そんなガバガバなコンセプトながら、めでたく3回目を迎えることができた。
今回は司会にDPZ編集部古賀さん、ゲストに大山顕さんという布陣。マンションチラシの路線図も鑑賞しました(山手線が六角形!)
今回は司会にDPZ編集部古賀さん、ゲストに大山顕さんという布陣。マンションチラシの路線図も鑑賞しました(山手線が六角形!)
西村さんの「歴史路線図」(
西村さんの「歴史路線図」も炸裂(白矢印は「この人が作りました」という念押しです)
その1コーナーで「路線図クイズ大会」をやったのだ。路線図にモザイクをかけたり、シルエットにしたりして、会場のみなさんに何の路線図か当ててもらうという、どちらかと言えばプロ指向な企画である。
そのなかで、ひときわ「問題作」と言われまくったクイズ形式が「路線図スピナークイズ」だった。
会場全体が「は?」となった
会場全体が「は?」となった
第1問がこれ
第1問がこれ
困惑も致し方なしである。回しちゃったんだもの。路線図を。
登壇者の皆さんから「どうかしてる」「謝ってほしい」「まず身内に見せて反応を聞いたらどうだ」と言われ平謝りしかない。でもうちのカミさんに見せたら面白いって言ってたんだもの。3問も用意しちゃった。
いやでも、実は真ん中の緑がヒントになってるのだ。回転数を落としてみると……
なんだか見覚えのある色と線が出てきて……
なんだか見覚えのある色と線が出てきて……
正解は「都営地下鉄」でした
正解は「都営地下鉄」でした
裏から見るとこう。皇居が中心になるように回していた。
裏から見るとこう。皇居が中心になるように回していた。
しかしながら第1問が終わって「あ~」というリアクションである。こりゃもうしょうがない。クイズとしては諦めて、アトラクション的な感じでご機嫌をうかがおう……と震えつつ進行していたところ、なんと最後の第3問で正解者が出た。
第3問.中心に黒い輪ができてる
第3問.中心に黒い輪ができてる
正解は「モスクワ」。環状線が正円なのが特徴
正解は「モスクワ」。環状線が正円なのが特徴
まさかの正解者に、会場は再び盛り上がった……! 本当によかった。僕が鶴だったら正解者の方に後で恩返しに行くところだった。あのときハンドスピナーで路線図を回した鶴でございますって言う。

こうなったら立体も回そう

路線図ナイトでは会場を戸惑わせてしまったが、ハンドスピナーで色んなものをクルクル回せるのは発見だった。簡単に高速回転ができるし、カメラのシャッタースピードを調節すれば線が流れて面白い写真が撮れる。
せっかくなので立体物も回せる構造にしよう。ハンドスピナーに台座を取り付けた。
厚紙を丸く切り出して台座にした。ハンドスピナーには「ひっつき虫」(壁を傷つけずにポスターを貼れる粘着剤)をつけて台座を貼り付ける。これで着脱が容易に。
厚紙を丸く切り出して台座にした。ハンドスピナーには「ひっつき虫」(壁を傷つけずにポスターを貼れる粘着剤)をつけて台座を貼り付ける。これで着脱が容易に。
顔っぽい。東南アジアの民芸品にありそう。
顔っぽい。東南アジアの民芸品にありそう。
手元にあったシルバニアファミリーを回してみる
手元にあったシルバニアファミリーを回してみる
回しすぎるとヤクルトみたいになっちゃう
回しすぎるとヤクルトみたいになっちゃう
立体を回す、となって最初に思いついたのが「ゾートロープ」だ。
日本語で言うと「回転のぞき絵」。スリットが入った円筒の内側にアニメーションのコマが並んでいて、円筒を回転させてスリットからのぞくと絵が動いて見えるというもの。アニメーションの原形とも言われている。
ゾートロープ、こういうやつです。ちょうど日本科学未来館でもらった工作用紙が家にあった。
ゾートロープ、こういうやつです。ちょうど日本科学未来館でもらった工作用紙が家にあった。
この工作用紙、本来はこのあとに「中心に上から画鋲を刺して、下に鉛筆をつける」という行程がある。竹とんぼみたいに鉛筆もろとも本体をクルクル回して観察してみよう、という手はずだ。
しかしハンドスピナーなら手放しでブンブン回るぞ。台座にセットだ。どうだどうだ。
紙がぐにゃぐにゃだけど、チーターが走ってる……!
紙がぐにゃぐにゃだけど、チーターが走ってる……!
大成功すぎる。思わず「ちょっと来て!」と別室にいた子供を呼んでしまった。発明品の完成と共に助手を呼ぶ博士の気持ちがわかった。

優勝はドロー4

ゾートロープの成功に気を良くし、このあとはその辺にあるものを色々回した。人間、調子に乗ると手当たり次第になってしまうんですね。
マリオカートのトミカを回したらすごい臨場感が出た
マリオカートのトミカを回したらすごい臨場感が出た
なかでも一番「おおっ!」となったのがUNOの「ドロー4」だ。
4色が交わる地点を中心にした
4色が交わる地点を中心にした
ドロー4はUNOにおいて最強のカードである。相手に4枚カードを取らせて色まで指定できる。しかし、ここでは最強かどうか関係ない。天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。ハンドスピナーの上では皆ただ等しく回るだけである。どうなる。
4色が混ざって……と思ったらオレンジになった
4色が混ざって……と思ったらオレンジになった
赤・黄・青・緑の4色なのに、赤と黄が混じったオレンジばかり見えるのが不思議。青と緑はどこにいったんだろう。
じゃぁカードの中心をズラして回したら色の混ざりかたが変わるかな……? と試したら大変なことになった。置き方を変えるたび、絵柄が毎回変化するではないか。
さっきの状態から、ちょっと中心をずらすと……
さっきの状態から、ちょっと中心をずらすと……
緑とオレンジの二重丸……!? さっきと全然違う!
緑とオレンジの二重丸……!? さっきと全然違う!
じゃあさっきと上下逆に置いてみたらどうなるの
じゃあさっきと上下逆に置いてみたらどうなるの
今度は青が強くなった。黄色と緑は見えるけど、赤が消えてしまう
今度は青が強くなった。黄色と緑は見えるけど、赤が消えてしまう
ええい、じゃぁもう適当にポンと横に置いちゃうぞ
ええい、じゃぁもう適当にポンと横に置いちゃうぞ
うひょー
うひょー
もう後半「うひょー」まで飛び出してしまった。全然飽きない。もはや沼である。ドロー4沼だ。

これがセレンディピティか

路線図を回していた時代からずいぶん遠いところまで来てしまった。いやそんなに遠くないか。同じ自治体のなかで引っ越しした、くらいの距離感である。

接着剤の失敗作からポストイットが開発されたり、青カビの混入からペニシリンが生まれたりなど、偶然による大発見を「セレンディピティ」と呼ぶが、これもそうなんじゃないか。

「ドロー4を回すときれい」をそんなところに混ぜていいのかはちょっと及び腰だけどもだ。
缶ビールを回すとすごく酔いそうになる
缶ビールを回すとすごく酔いそうになる
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