特集 2017年8月16日

ステテコが来る!(デジタルリマスター版)

旅先のホテルでもステテコ姿になっていた親父
旅先のホテルでもステテコ姿になっていた親父
ステテコといえば、おやじ臭いイメージがあると思う。
若い人で、
「いつもステテコをはいている。」
「ジーンズよりむしろステテコを好んではく。」
なんて話は、いまだ聞いたことがない。

一方、おやじ世代の人々は、ステテコをとても愛用している。うちの親父は現在75歳だが、家では98%くらいの確率でステテコをはいている。いや、ステテコ姿以外見たことがない。人に聞いてみても、やはりお父さんは家でステテコをはいているという話をよく聞く。

このギャップは一体なんなのか?
我々が知らないだけで実はすごい便利なものだったりするのか? 一度はいたら手放せなくなったりするんだろうか?

※2007年10月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
長崎より九州のローカルネタを中心にリポートしてます。1971年生まれ。茨城県つくば市出身。2001年より長崎在住。ベルマークを捨てると罵声を浴びせられるという大変厳しい家庭環境で暮らしています。

前の記事:スーツで鷹島

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身近に存在していた未知の領域

というわけで、今回は知ってるようで知らなかったステテコを実際にはき、その何たるかを学ぼうと思う。
 おやじ感みなぎるフォルム
おやじ感みなぎるフォルム
が、ひょっとしてステテコをはいたことがないのは私だけ?
ステテコのことを何もわかってないのは私だけだったり?
と一瞬不安になり、林さんにメールで尋ねてみた。

すると、
・ステテコははいたことないです。
・あれってズボンの下にはくもの?
・パンツの代わりにはく?
・そのあたりもよくわかっていません。
・モモヒキと混同してます。


という返事が返ってきて安心した。まったく同感だ。
たしかに、モモヒキとステテコの違いがわからないし、直接はくものなのかどうかさえわからない。

ある意味、女性の下着並みに得たいが知れないことに改めて気付いた。

はじめてのステテコ

というわけで、ステテコを買いに行った。
紳士服売り場では、下着コーナーにブリーフなどと一緒に並べられていた。
 裾の長いブリーフ …なんだろうか?
裾の長いブリーフ …なんだろうか?
一瞬、これは裾の長いブリーフ、すなわち直にはくもの?という思考が巡る。が、どこにも具体的な装着法が書かれていないところを見ると、使い方は個人の自由だと思われる。

今回は私は、記事的無難さからも、ブリーフの上からはいた(うちの親父もそうだったし)が、ひょっとしたら直接はく流儀の方が正しいかも知れない。

それと、後でネットで調べたところによると、モモヒキとステテコは、単に呼び名が違うだけで同じものだそうだ。
 おやじ3点セット
おやじ3点セット
売り場の下着コーナーには、他にもいかにも親父的なアイテムが幾つかあった。今まで目に入らなかったものが、魅力的な輝きを持って私の目に飛び込んで来る。ので、ついでにいろいろ購入してみた。
 飾らな過ぎという新たな心配も
飾らな過ぎという新たな心配も
 肉が美味しく焼けそうなキャッチフレーズも
肉が美味しく焼けそうなキャッチフレーズも

ステテコ・ファースト・インプレッション

さて、というわけで早速買ってきたステテコを着用してみた。
 意外なフィット感
意外なフィット感
最初に驚いたのは、そのフィット感。
綿100%の生地はとても薄く、それが吸い付くように足にフィットする。

そして軽い。
天使だ。
これはまるで天使のような軽さを持つ部屋着ではなかろうか。
 おやじのようなエンジェル
おやじのようなエンジェル
しかし、その軽やかな着用感とは裏腹に、ビジュアルの方はいかんせんオヤジそのものである。

そして期せずして昭和に見える写真みたいになった。
 ぬお、長い
ぬお、長い
ついでに買ったオヤジ風腹巻がまた驚いた。衝撃的に長いのだ。これまた生地が薄いので、折りたたんで二重にするとちょうどいいくらいの太さになった。
鏡でスタイルチェック。 一升瓶持って散歩に行くか、という装い。
鏡でスタイルチェック。 一升瓶持って散歩に行くか、という装い。
娘(3歳)は、この姿をひと目見るなり、
かっこいー!
と、3歳児らしいポジティブなコメントを発していた。

一方、かみさんは
いつまでその姿でいるつもりなの?
と、あからさまに怪訝な様子。

記事を書くために暫定的にこのスタイルになったと思ったようだが、しかしその後私はすっかりステテコが気に入ってしまい、毎日着られるよう、もう一組買ってきた。
しまいには「ユニフォーム」と呼ぶようになったりもした。

裸より涼しい

ひょっとして最高の部屋着?と思いだしたのは、穿いていて
なんだか妙に涼しかったからだ。裸より涼しいのだ。
 ステテコで娘に虫除けスプレーをかける
ステテコで娘に虫除けスプレーをかける
今まで味わったことのない下半身の風通し感。
これが意外なことに短パンでいるより、かえって涼しい。
綿100%の生地が汗を吸うためだろうか。

子供の頃よく母親に
「暑くても一枚下着を着なさい。その方が涼しいから」
と言われたものの、一度もそう感じたことがなかったが、今回初めてそれを実感できた。あのセリフは、つまりステテコのことを差していたのか。

初めて、裸より涼しいと実感できるものに出遭った。
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高い運動性能

ステテコは運動性能も高いのではないか?
軽さ、フィット感、速乾性など、どれをとってもスポーツ向きにできている。よく伸びるため体のスムーズな動きを邪魔することもないだろう。

穿いているうちにそういうことに気付き、
試しにステテコを穿いて100メートルを全力疾走してみた。
 ステテコは実はスポーツにも相性がいい
ステテコは実はスポーツにも相性がいい
その瞬間、予感は確証に変わった。
これほどスポーツに適したウェアはそうそう無いのではないか。
 「SPORTS」って書いてないのが不思議なくらいだ。
「SPORTS」って書いてないのが不思議なくらいだ。
ステテコに走らされたのでは?と思ったくらい、 スムーズに足が動く
ステテコに走らされたのでは?と思ったくらい、 スムーズに足が動く
 いかんせん、ビジュアル的にはヤバめだけど
いかんせん、ビジュアル的にはヤバめだけど

そして温かい

ズボンの下に穿くとどんな感じなのか?

上にスーツのズボンを穿いて、そのまま仕事にも行ってみた。
 下にステテコをはいている
下にステテコをはいている
が、季節的にさすがにこれは少々暑かった。(9月に撮影)
裸VSステテコだと、ステテコの方が涼しかったので、ひょっとしてと思ったが、ズボンwithステテコVSズボンwithoutステテコだと、ステテコ無しの方が涼しかった。奥が深い。

もちろん、冬場は温かいというメリットとなる。
 ズボンを脱ぐだけで即部屋着
ズボンを脱ぐだけで即部屋着
便利だと思ったのは、家に帰って来た時にズボンを脱げば即、部屋着になってしまうところ。着替える必要なし、脱ぐだけでOK。

しかし同時に、下着で家の中をウロウロしてる感が強まるとも言える。

ズボンの下に穿いた時のもうひとつのメリットとして、時々汗でズボンが膝にまとわり付いてしゃがんだ時などにキツいことがあるが、それを防ぐ効果が感じられたこと。

おやじ世代に聞く、脅威の真実

ところで、先日親父が遊びに来た。
親父は相変わらずのステテコニアンぶりで、旅先にもステテコを下に穿いてやって来た。ホテルではすかさずステテコ姿になっていた。
 オバQが着てる白い服並みのデフォルトっぷり
オバQが着てる白い服並みのデフォルトっぷり
そこで、なぜ親父世代の人はこんなにもステテコを愛用してるのか?聞いてみたところ、なんと、昔は職場に着くと皆いっせいにズボンを脱ぎだし、ステテコ姿で仕事をしてたというのだ。それが普通だったという。

ちなみに父は大学で事務員をしていた。つまり公務員の職場でそうだったというわけだ。それも上司から平まで、全員がステテコ姿だったという。
当時はまだエアコンとか無かったから。
と言っていた。(これぞ真のクールビズかも)

しかし、やがてさすがにそれではマズいだろうということで、昭和35年くらいに禁止になったという。
なるほど、今の人とはステテコとの距離感が違うわけである。

まとめ

・ステテコいい。ビジュアル面さえ考慮しなければ、部屋着としての性能はかなり高い。

・私はもう、部屋着をステテコに切り替えた。今もステテコ穿いてこの記事書いてる。

・でもさすがに外で穿くのは気が咎める。親父の話はけっこう衝撃的だった。

・ステテコ、来ると思う。
勢い余って動画も作成
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