カレー好きたちが集う
しかし、1人でやると自分好みの味がおいしいものになってしまい、客観的な結果にならない。なによりたくさん食べられない。なので、何名かに声をかけた。ついでに各々が「これはカレーに合うだろう」と思う調味料やたれを持ってきてもらった。参加者は私を含めて4名である。
左から編集部安藤さん、プープーテレビのヒロエさん、ライターのネッシーさん。全員なにもかけないらしい。私はバンバンかける。
ライターのネッシーさんはデイリーでもカレーにまつわる記事を何本も書くほどのカレー好きである。この撮影中に「毎日、カレーを食べちゃダメなんですかね」と名言を残した。ちなみにカレーにはなにもかけない派とのこと。
また、プープーテレビでおなじみのヒロエさんにも声をかけた。いつもテレビ番組を独特の視点で見るヒロエさんはどのようなカレーに合う調味料を持ってきたのか。ちなみにカレーにはなにもかけない派である。この日、撮影で借りた場所が近いため自転車で来たらしい。詳しく聞いたら3駅離れたところだった。それは近いのか
編集部の安藤さんは昔の職場で毎日カレーばかり食べていた実績を持つ。カレーにはなにもかけない。電車で来た。
ということで普段は全員なにもかけない人たちが集まった。新しい扉は開けるのか。開かないまま帰ることになるのだろうか。
その激戦の様子をお伝えします。
基本的なしょうゆとソースをかけてみよう
色々とかけて行きたいところではあるが、まずはソースをかけて食べてみよう。
昔のカレーはコクやうまみがなかったのでソースをかけて食べていたその習慣が現代でも残っている。
見た目はおいしそうという声が挙がったがどうだろうか。以下感想である。
・初めて食べたけど、とんかつのないカレーだ。
・ちゃんと2つが合わさっている。
・おいしい。
ソースとカレーの香辛料の2つがお互いを引き立たせ、コクと香り、そして、おいしさをアップさせている。とんかつのないカレーになったのは、持ってきたがとんかつソースだったからかもしれない。
高評価だった。写真はカレーの配給を楽しみに待つ2人。
次はしょうゆである。和の調味料がカレーにどう影響するのか。
ネッシーさんのお父さんもよくかけて食べていたらしい。
昔、しょうゆをかけて食べたら親に「塩分!」と単語だけ言われて怒られた記憶がある。そんなことより味だ。
・カレー感がない。
・角のあるしょっぱさ。
・卵がない部分を食べたときの卵かけご飯だ
しょうゆは食べるところによってはしょっぱいので、かけ過ぎ注意。
2つを食べ比べた結果、ソースの方がおいしいという評価だった。
ソースが勝ち抜いた。ちなみにこの試合、ステップラダー方式勝ち抜きトーナメントで行います。
トーナメント表に書いてある「中華風」の文字が気になる。どんな味なのだろうか。
匂いはよかった中華風
中華風を持ってきたのは安藤さんである。どのようなものか聞くとどうやら火を使うらしい。そして、取り出したのが花椒だった。
麻婆豆腐で使われる花椒。山椒と香りと風味が似ているが、花椒の方が香りも辛味も強いらしい。
安藤さんはこの花椒が大好きで上野で見つけたときに大量購入したらしい。その花椒をごま油で炒める。
この時点でおいしい。
食欲を誘う匂いに集まってきた我々。
「絶対においしいですよ」、「早く食べたい」などのコメントが飛び出し、期待感が高まる。炒めた花椒とカレーをなじませて完成だ。
確実においしい中華風カレーができた。
見た目と匂いには完璧なカレーができた。安藤さんも自信満々である。待ちきれないので早速食べてみよう。
苦っ
ネッシーさんも「まずいカレーを初めて食べました」と驚きと悲しみに満ちた感想を漏らした。確かにこのカレーは苦すぎる。食べた瞬間はいい香りがするが、すぐに苦い食べ物になった。
敗因を安藤さんに聞くと「テンションがあがって入れすぎた」らしい。
テンションが上がって入れすぎた黒い物体。
ジャムカレーは異国の味
ただ、安藤さんはこれだけでは終わらない。次は「意外とおいしいんじゃないかな」と持ってきたもの、それはジャムだ。ジャムか…。
「量はどうしようかな」と言いながら大量に乗せられたジャム。
今回はオレンジマーマレードを使用した。もしかしたら甘味と少し苦みのあるこの味が奇跡を起こすかもしれない。そんな淡い期待を持ちながらも怖いので、安藤さんに責任を取ってもらうべく食べてもらった。
「甘いなー、これは甘い」
食べた瞬間に広がる甘さ。甘口が甘いと言っていたら「お前、まだまだ甘いな」と言われるぐらいの甘さが口の中を襲う。
しかし、とてもまずいわけではない。外国で出されたら食べると思う。カレーではなく別の食べ物という評価が多かった。
ソース3連勝。ただ、次は絶対においしいだろうと会場の参加者たち4名が興奮している。次こそはおいしいものを
サッポロ1番塩味の粉はカレーに合うのか
サッポロ1番塩ラーメンをカレーにかけるという。一体、どういうことなのか。持ってきたヒロエさんんに料理してもらう。
スープの素をかけるだけ。結構な量を入れたが、大丈夫だろうか。
サッポロ1番塩ラーメンはおいしい。カレーだっておいしい。その2つが合わさったのだ確実においしいものになるだろうとここにいる全員が思っていた。
・・・・・・。
「入れんでいいかな」
化学調味料のケミカルさだけが表面に出てきて、カレーの味が死ぬ。そしてなによりもしょっぱい。熱中症にはしょっぱいものをというが、このカレーが出てきたら「なんでこんなことしたの」と問い詰める。
不思議だったのが、カレーを食べたのに口の中に広がるのはサッポロ1番塩ラーメンを食べた感じがすることだった。
塩ラーメンはダメだったが、まだおいしいだろうと思うものはある。焼肉のたれだ。
想像上は100点のおいしさ。
「絶対に間違いない」、「優勝決定だろう」とかける前から焼肉のたれに対する信頼感は厚い。それが崩れことになるとは食べる直前まで誰も想像できなかっただろう。
ある者はけわしい顔になり、
ある者はまずいときの顔の正解を出した。
驚きだった。参加者たちは「入れない方がいいね」と口をそろえて言う。大好きだったカレーの味が消え去り、カレーじゃないおいしくない食べ物になった。
ソースの勢いが止まらない。5連勝だ。
マスタードはソースに勝てるか
カレー好きのネッシーさんは一体何を持ってきたのか。ソースの連勝を止めて記事のタイトルを「カレーライスにはソースがおいしい」から変更できるようなものをお願いします。
スプーンひとさじ入れた後に安藤さんの「もっと入れた方がいいよ」の声にもうひとさじが入った。
山盛りに乗せられたマスタード。こんな量のマスタードが乗っている料理を見たことない。フランスがマスタードの発祥らしいが、フランス人でも驚きを隠せない量。
おいしくない…
酸っぱすぎてむせた。
マスタードの酸っぱさがらっきょうやピクルスのようなカレーの付け合わせみたいになるのではないかと期待していたがそんなことはなく、「夏に放置していたらこんな味になるね」とみんなで笑いあった。ダメな酸っぱさだった。
今度こそ本当にお願いしますシーザードレッシング
このままだと、ソースが優勝してしまう。「おいしいので是非、ソースをかけてみてください」で締める記事になるかもしれない。小学生のユーチューバーみたいなコメントで締めたくない。どうにかしてほしいネッシーさんの2品目はシーザードレッシングだ。
見た目は高級店のカレーようだ。
「カレーの味が勝っている」、「おいしいのではないか」と高評価である。ただ、「食卓にシーザードレッシングがあったとしてもかけない」ぐらいのおいしさだった。
ソースが7連勝。
心の中で「もっと頑張れよ、シーザー」と思った。
この撮影のことを思い出すと我々はいつも食べる前に「これは絶対においしい」と言うのだ。何度も聞いたし、言った。でも裏切られたっていいじゃないか。大切なのは常に前を向き続ける気持ちなのだから。
カレー粉をかけるのが正解だった。
最後は私、江ノ島である。今日は優勝する気持ちでやってきた。そんな優勝への架け橋は全て意外と欠陥が多く、ソースに勝てやしなかった。
簡単にまとめる。まずはめんつゆ。
だしの香るそば屋のカレーとなりおいしいが、4人中3人がソースの方ががおいしいという評価だった。そばつゆの1票は私だ。民主主義。
南国の風が口の中に訪れるはずだったが、どうしようもなく甘い風が吹き込んできた。雨戸を閉めたい気持ちになった。
絶対王者となったソースを止める調味料はいないのか。そんなあきらめムードが漂うなかに優勝争いに飛び込んできたのがカレー粉だった。
玉置さんからの提案でした。
さすが今までに様々な料理を行い、7月18日に「
捕まえて、食べる」を発売する、玉置さんである。1人3冊買おう。
「俺が見つけたんだぜ」みたいな顔をしているが、玉置さんです。
これがとてもおいしかった。レトルトカレーが風味の豊かな良いお店のカレーになる。かけすぎたと思うぐらいかけるのポイントだった。
ピンボケしていてもわかるかけ具合。
優勝は絶対王者ソースか、実力者カレー粉か。結果は、
カレー粉でした
満場一致でカレー粉だった。ソースもおいしいが、かけるだけで高級店のような風味に仕上がるカレー粉が今回は優勝である。カレーを食べるときにはカレー粉も買おう。
エンターテインメントとしてのカレー
カレーに合う調味料を見つけたり、トッピングを探すのは楽しい。人生とはカレーに合う調味料やトッピングを探す旅なのかもしれない。
洗剤を買いに外出して戻ってきたら安藤さんが出した結論があったが、これをタイトルにする勇気はなかった。