海の距離が近い味がするあじ丼
まずは、やわらかな光を放っているあじ丼の姿を目に焼きつけてほしい。
潤みがきらきら
口の中でするするほぐれる
「新鮮」を判断する基準の詳細って実のところはよくわかっていないのだが、少なくとも、このあじは昨日の今頃はまだ駿河湾で泳いでいたんじゃないかなーと憶測をたててしまう。味から、海との距離の近さを感じるのだ。
静岡県の吉原駅から徒歩1分のスーパー「オカムラ」で買ったものである。値段もスーパーっぽく、498円というキリの悪い数字だ。
ごくふつうのスーパーっぽいのだが、よく見ると海産物が充実している
吉原、といきなり言われても何処?って人も多いのではないかと思うので路線図(かなりざっくり)をどうぞ
生しらす丼も売っていたので大いに迷ったのだが、あじ丼の上に生しらす単品をのっければ万事解決するのではないだろうか。
シールで隠れているが「駿河湾産」だ
米との比率を考えるのはやめて、ぜんぶのせる
生しらすも、駿河湾との距離の近さを感じる味!
我ながらこのアイデアは冴え渡っていたと、あの日から1ヶ月近く経った今でも思う。
箸ぶくろの風情
さいしょ、THEスーパーなパッケージにするっと収まっているあじ丼を見た時には、そこまで美味いものだとは想像してなかったことを謝りたい
ちなみに、こちらが吉原駅の南口です
平日の昼間だからなおさらな、ひと気のなさ
唐突にうまかった中華風スパゲティ
いきなりだが、オカムラの近くには青い喫茶店があった。逆に、ここ以外に飲食店を見かけていない。
次の電車までひとやすみしたいなって思った時に目に留まった
いい具合に褪せはじめている色合い
やっているのか不安だったのだが、営業中の文字が
スパゲッティのラインナップが、しれっとおかしい。説明はない
主張する気のなさそうな、かすかな変化球にはとりわけ弱い。コーヒー一杯のつもりだったのに、気がつけばすっかり「焼きソバ風」「中華風」のスパ二択でいこうとしか思っていない自分が居た。
中華風スパきた。見た目もいたって自然
にんにくが効いていて、ふつうに美味い!
「ふつうに美味い」って書いてしまったが、いやいや、これはもっと自然体である。奇をてらっていない味だ。
店内は馬要素が多め
写真中央の建て物。店員さん曰く、晴れた日には最上階から富士山が見えるらしいが避難階段である
またこの場所に来たいと思うのと同時に、知らない駅にも躊躇なく降りてみたくなる出会いだった。
昼食を2回食べるという幸せ
正確な順番としては、まずスパゲティを食べ、その後あじ丼を食べている。あじ丼が後攻なのは、電車を待ちながらホームで食べたからだ。
わたし、こんなに沢山食べられるのかなーとか思ったのはほんの一瞬だ。2食分の食事は胃にするすると吸収され、満腹で苦しいともならずにただただ多幸感しか感じてなかった。
ちなみに、喫茶店の店員さんに「なぜスパゲティを焼きソバとか中華風に?」と聞いたところ、「元々は姉のお店だったんです。途中で譲り受けたから、わからないんですよ。」とのこと。謎は謎のまま解明されていない。