これがおかゆライスだ
おかゆライスとは、光画部(一般的な名称だと写真部)の一行が合宿先で食べ物を忘れて困っている時に、主人公のR・田中一郎が作っていた料理だ。彼はアンドロイドで、ご飯以外を食べると壊れてしまう体質なのだ。
※2017.6.17追記:すみません、記憶違いでした。食べ物を忘れたのではなく、新入部員の西園寺えりかが作ったカレーがあまりにも闇カレーだったため、でした。
作った本人によれば「美味である。」との感想だったが、腹ペコだった部員達は、カレーライスではなくおかゆライスだとわかって、「へなへなへな」となって食べなかったようだ。
……私のつたない文章で読むとおもしろさがよくわからないと思うので、気になる人は漫画を買おう。
おかゆとライスで、おかゆライス。
作り方は説明するまでもないのだが、設定から忠実に作るとすれば、アンドロイド用の食事なので塩分は厳禁だ。
そこで塩を入れずにおかゆを作ってきた。
おかゆライスが白すぎて、写真だと白飛びしてしまう。
ごはんに無塩のおかゆを掛けたらできあがり。
おかゆが白すぎて、白米が茶色く見えてしまうな。
ちなみに皿は、実家にあった春のパン祭りでもらった白い皿だ(たぶん)。
これがおかゆライスだ。
逆に置くと『ライスおかゆ』になるのだろうか。
おかゆライスを食べてみる
食べる場所は少しでも合宿気分を出すためにと、近所の公園にやってきた。美味しかったらキャンプ場で作ってみようと思う。
さっそく食べてみると、ごはん部分はもちろん食べ慣れたごはんの味なのだが、おかゆが寂しい味がする。
ルー(おかゆ)とライスの比率がよくわからない。
塩分のないおかゆは、どちらかというと『のり』だ。昔使っていた白いやつ。
だがよく味わって食べると、あまりの味のなさに侘び寂びを感じるようになる。なんだか濃い味に慣れている現代人の舌がリセットされるような味といえるかもしれない。
さっき朝ごはんを食べたばっかりだけど、断食明けの食事のようである。
塩分のないおかゆは、白米よりも味のなさを感じる。
塩味をつけてみよう
なるほど、これがおかゆライスか。ごはんを燃料にするアンドロイドにとっては、さぞかし燃焼効率(消化)のよい食べ物なのだろう。
だが私は人間だ。どうしても塩分を欲してしまう。そこで持参した塩をちょっと振らせていただこう。
塩をパパパ。
食べてみると、これがうまい。味なしとの差がすごいのだ。
塩味がついたことで、おかゆライスが精進料理として成り立った瞬間である。
今回は全体に塩を振ってしまったが、おかゆだけに強めの塩分をつければ、よりおかゆライスらしくなるだろう。鎌倉あたりで出す店があってもおかしくないな。
塩分って大事!
ダシの味をつけてみよう
ついでにもうちょっとだけ味を足してみたい。
この白いキャンパスを汚さないギリギリの妥協点として、白だしをちょっと掛けさせていただいた。
ごはんに比べると茶色いが、めんつゆに比べれば白いのだ。
白だしに凝縮されたダシ感がおかゆライスに加わったことで、もはやご馳走ともいえる味の広がりとなった。ダシってうまいなー。
なんというか、ごはんのそうめんみたいな食べ物である。キャンプでの夕飯としてはちょっと寂しいが、朝ごはんとしてはアリかもしれない。
ダシ、うめー。
なにも味付けをしないおかゆライスから食べ始め、塩分を足し、さらにダシを加えるという過程は、もしかしたら日本における食文化の歴史そのものを味わっているのかもしれない。
次回はホワイトシチューのルーや背脂などを入れ、おかゆライスの文明開化を目指してみたいと思う。