特集 2017年6月15日

聴診器をあてる時、服は鎖骨まで上げるのが正解~医療関係者に聞きにくいことを聞いてみた~

興味本位の質問もたくさんぶつけてみた
興味本位の質問もたくさんぶつけてみた
医者にかかった時、いつも戸惑うことがある。

聴診器をあてる際「服を上げてください~」と言われるが、どこまで上げるのが正解なのかわからないのだ。

以前、胸の音も聞くのだろうと思い首まで上げたら、「そこまで上げなくて大丈夫です」と冷ややかに言われたことがある。めちゃめちゃ恥ずかしかった。

改まって聞くほどのことでもない。
でも、機会があれば聞いてみたい。

そんな“聞きにくいけど聞いてみたいこと”を集め、医療関係者2人に聞いてみた。
1988年静岡生まれ・静岡在住。平日は制作会社勤務、休日は大体浜名湖にいる。
ダイエット目的でマラソンに挑戦するが、練習後温泉に入り、美味しいものをたらふく食べるというサイクルを繰り返しているため、半年で10kg近く太る。

前の記事:魅惑の甘いお茶「ウス茶糖」


正看護師と医療相談員に聞いた

今回取材にご協力いただいたのは、正看護師のMさんと、医療相談員のAさん。

2人ともわたしが所属しているミュージカル劇団の先輩だが、Mさんは17年、Aさんは11年医療の現場に携わっている中堅職員だ。
正看護師のMさん。歌がスーパーうまいわたしの憧れの先輩
正看護師のMさん。歌がスーパーうまいわたしの憧れの先輩
医療相談員のAさん。優しい性格の持ち主で、周りから慕われているお姉さん的存在
医療相談員のAさん。優しい性格の持ち主で、周りから慕われているお姉さん的存在
2人とも総合病院で働いていて(Mさんは現在育休中)、これまで色々な先生、患者さんと関わってきている。

わたしがこの企画を思いついたのも、Aさんが診察介助に入った時の話をしてくれたことがキッカケだった(聴診器をあてる際の服の上げ具合のほか、あてている最中、患者さんがしゃべると先生はびっくりするという話をしてくれた。先生には声がかなりでかく聞こえているらしい)

服は鎖骨まで上げるのが正解

質問はデイリーライターの皆さんから募集したが、まず1つ目は先ほど挙げたこの質問から。
質問
聴診器をあてる際、服はどこまで上げるのが正解ですか?(鈴木さくら)
Aさん
「改めて内科の先生に確認したら、鎖骨まで上げるのが正解らしい。先生にもよるけど、基本胸の上までは上げてくれた方が良い」


首まではさすがに上げすぎたか(あてやすいように気を遣ったのだ)
音を聞きたい場所によって多少バラつきはあるそうだが、鎖骨をひとつの基準にすれば概ね問題なさそうだ。

先生は患者さんが息を吸ったり吐いたりする音に雑音が混じっていないかを聞いているらしい。時々息を止める患者さんもいるそうだが、息はぜひしてほしいとのこと。
服は鎖骨まで上げる、息はする、急にしゃべりださない
服は鎖骨まで上げる、息はする、急にしゃべりださない

ナースのお仕事を見ると「朝倉が先輩だったらいいな~」と思う

ここからはデイリーライターの皆さんから集まった質問だ(名前は敬称略)
質問
好きな医療漫画はありますか?(ぬっきぃ)
医療関係者は医療漫画を読んでどう思うのだろうか。やはり職業柄、現実とのギャップを感じることも多いのでは…

Mさん
「好きな漫画はドラゴンボール!」


Aさん
「わたしはあんまり漫画を読まないけど、内科の先生は進撃の巨人が好きだって言ってたよ」


質問を繰り返そう。わたしが今投げた質問は、「好きな“医療漫画”はありますか?」だ。

この人たちはわたしの話を聞いていただろうか。一瞬戸惑ったが、どうやらサービス精神で答えをひねり出してくれたらしい。

聞くと漫画はあまり読まないが、医療ドラマやドキュメンタリーはよく見るとのこと。

Mさん
「救命病棟24時みたいなドキュメンタリーはよく見る。看護師の前腕とか見ちゃう。熟練の看護師は前腕の筋肉がかっこいいの!」


見る場所がニッチ過ぎる。しょっぱなからついていけない。

Aさん
「医療ドラマも見るよ。白い巨塔とか、ナースのお仕事とか。ナースのお仕事は見てると『朝倉みたいな人が先輩だったらいいな~』と思う」


Mさん
「医療ドラマといえばオペのシーンはすごく緊迫してるのが多いけど、実際はもっと和やかだよね」


Aさん
「そうそう、先生が好きな音楽を流しながらオペすることもあるよ。ヘビメタが流れてることもあった」


イメージと全然違う!!

リラックスムードでやっていただく分には構わないが、ヘビメタなんか流れていた日には麻酔が覚めて起きてしまいそうだ。
オペ中 ※ただし流れている音楽はヘビメタ
オペ中 ※ただし流れている音楽はヘビメタ

薬を使わない風邪の治し方は、お母さんの高級マヌカ蜂蜜をこっそりいただく

質問
風邪はどうやって治してますか?(べつやくれい)
おお!これは確かに知りたい。もちろん薬を飲む以外の方法で。

Mさん
「日常生活を送りながら誰かにうつすね!…うそ!うつしても広まるだけだよ」


いったいなんなんだ。看護師に言われると信じてしまうではないか。

Aさん
「とにかく寝る!それが一番。寝ると心もからだもベストな状態に戻る。ビショビショに濡らしたタオルを枕元に置くとなお良し。あとわたしは大根やネギを食べたり、マヌカ蜂蜜をなめたりするよ」


おばあちゃんの知恵袋のような答えだが、これなら家にあるものでできそうだ。もちろん状況に応じて医者にかかる必要はあるが、次回風邪をひいた時は一度試してみたい。
Aさんはお母さんの1瓶7,000円もする高級マヌカ蜂蜜をこっそりいただいているらしい。先に謝っておこう。この記事のせいでバレたらすみません
Aさんはお母さんの1瓶7,000円もする高級マヌカ蜂蜜をこっそりいただいているらしい。先に謝っておこう。この記事のせいでバレたらすみません

カルテは日本語できれいに書くことが基本

質問
カルテはドイツ語か何かで書いているそうですが、日本語で書いたほうが楽なんじゃないかと思ってしまいます。実際はどうなのでしょう?(ネッシーあやこ)
ドイツ語で書かれているなんて知らなかった!!

この確認も含めて聞いてみたところ、最近は日本語で書く先生が多いとのこと。ところどころ英語で書く先生もいるそうだが、カルテは患者さんに見せることもあるので、わかりやすく必要な内容だけ書くという一定のルールがあるらしい。

確かに、英語やドイツ語で書かれたカルテを見せられたところで読めない。まず英語やドイツ語の勉強から始めなければならなくなってしまう。こちらは病人なのに、随分遠回りだ。

Mさん
「何語か以前に、字がヘニョヘニョ過ぎてそもそも何語なのかすらわからない先生もいるけどね」
見やすい字を書くことも医者に必要なスキルのようだ
見やすい字を書くことも医者に必要なスキルのようだ

『これは何の絵ですか?』『これは鯉ですね』

質問
政治家、暴力団などの治療に当たった場合、一般の方より慎重になってしまいますか?(土屋アソビ)
何十人何百人という人が毎日来院するんだもの。きっとそういう方々を診ることもあるだろう。

Mさん
「本当にその筋の人かどうかは確認していないけど、服を上げたら背中全面にタトゥーが入っている人はいた。先生も気になっちゃったみたいで『これは何の絵ですか?』って聞いてて、その人も『これは鯉ですね』って丁寧に教えてくれてたよ」


優しい。聞いちゃう先生おちゃめだ。気になっちゃって仕方なかったのだろう。

ちなみにタトゥー以外にも「あんなところにこんなものを!?」と思うものを埋め込んでいた人も見たことがあるそうだが、深く聞いたところでどう処理していいのかわからなかったので、そっとフェードアウトした。

いい治療を受けてもらいたいから…セカンドオピニオンは大歓迎

質問
セカンドオピニオン宣言されるのは歓迎なのでしょうか?少しはムカつくことないですか?(土屋アソビ)
確かに医者だって人間だ。承知しつつも、内心イラっとすることもあるのではないか。

Mさん
「セカンドオピニオンは大歓迎。患者さんにはいい治療を受けてほしいと思ってるから」


おお、医療関係者らしい素敵な回答だ!!(さっきまで好きな医療漫画はドラゴンボールだの風邪はうつして直すだの言っていたけど)

Mさん
「ただし(セカンドオピニオンをお願いする医者が)いい医者だったらね」


やはり医者や病院にも良し悪しはあるらしい。Mさんいわく、生で聞く口コミや評判は大概合っているとのこと。

セカンドオピニオンを利用しようか迷っている方は、主治医の先生に気を遣うことなくはっきり意思を伝えた方が良さそうだ。

芸能人の力は絶大

質問
ためしてガッテン放送日翌日は、やっぱり取り上げられた内容で来院する人が多いんですか?(林雄司)
Aさん
「ためしてガッテンはわからないけど、例えば北斗晶が乳がんを公表した次の日とかは、乳がん検診の予約電話が殺到した。乳がんは早めの発見が大事だからいいことなんだけどね」


やっぱりみんな電話したんだ。芸能人の力は絶大である。

Mさん
「ためしてガッテンの翌日は、放送で紹介された食材をスーパー袋に入れて歩いている人を、病院の前でよく見るね」


それは病院というよりスーパー側の話じゃ…!確かにわたしも納豆とか舞茸とか買い込んだけどね!

血管が見えづらいのは多くの場合、脂肪が邪魔をしているから

質問
まったく血管が出ない腕なんですが、なにか鍛えたりすると血管出ますか?(林雄司)
わたしもよく採血の時「うわ~見えないね~」と言われるのでこれは知りたい!対策はあるのか。

Mさん
「もともと血管が見えづらい位置にある人はどうしてもいるけど、対策をとるとしたら痩せることだね」


ガビーン!!ナチュラルに太っている事実を突きつけられた。

脂肪がついているとやはり血管が見えづらくなるらしい。あれ?でも林さんはどちらかというとむしろ痩せてる方なんじゃ?

Mさん
「痩せてても見えづらい場合は水分を多くとって、血液量の増加を目指す方法もあるよ」


なるほど。肉側を減らして見やすくする以外にも、血管を浮き立たせて見やすくする方法もあるのか。

血管が見えづらい人は自分がどちらに属するか考えた上で対策をとるといいかもしれない。
すみません、痩せます痩せます
すみません、痩せます痩せます

何回も頻繁に来院する人は、家でおとなしく寝てるべき

質問
何回も頻繁に来院する人って、どう思いますか?(林雄司)
林さんは具合が悪いなと思ったら病院に行き、家に帰った後熱が出たら「熱が出た!」と思ってもう一度病院に行くなど、1日に複数回病院に行くことがあるらしい。繊細な人だ。

看護師と医療相談員の回答はこうだ。

Mさん
「自分で自分を看護する力をつけるのはどうでしょう?」


Aさん
「そんなに出歩いてるうちにもっと悪くなるから、家で寝てたらどうでしょう?」


………現場からは以上です!!

人の命に係わる、大事な仕事

MさんもAさんも明るく気さくに質問に答えてくれたが、看護師も医療相談員も人の命に係わる大事な仕事だ。持っている資格や経歴を聞いても、これまで相当勉強してこられただろうと思った。

Mさん、Aさん、ご協力ありがとうございました!!
夕飯の時間に押しかけてすみませんでした
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