日中はホーチミンで最も高いただのランドマーク
そのウルトラ怪獣は、日中はただのビルにしか見えない。というか、ビルです。ホーチミン市内で最高層のビテクスコ・フィナンシャルタワーという建物。こちらが258メートルに対して、都庁が243メートルなのでなかなかに高い。
イカっぽいから一部では「イカタワー」と呼ばれている。
いつもは目前だと煙ったくてクラクションが喧しいバイクの洪水も、日暮れどきを狙って展望台に登って望めば、途端に絶景に変わるので観光スポットとしてもオススメだ。一年前から変わってなければ1000円くらいでチケットが買える。ちなみに、800円くらいのコーヒーを頼めばその一階上のカフェに行けることはあまり知られていない。
どうだい?きれいだろう?
そんなファイナンシャルタワーを仰ぎ見ながら、離れてー、
離れてー、
離れてー、
離れてー、
夜になると!
なんとなく!
ウルトラ怪獣に見えません!!?
航空障害灯(高層ビルの航空機向けのライト)を目と見なし、ひし形の照明を頭部と見なせばバルタン星人に、紫色のフロア照明を口と見なせばダダになる!要するに、バルタン星人とダダを足して2で割ったウルトラ怪獣っぽくなるのだ。
みんな、ウルトラマンはいないから逃げてー!!
そう認識してしまえば、あとはもうどこから景色を切り取っても怪獣映画の1シーンのようにしか見えない。みんなふつうに遊んでるけど、大丈夫か!と叫びたくなる。新宿の歌舞伎町にもビルからゴジラが顔を出しているが、あれは50メートルらしいので、その5倍だぞ5倍。踏まれりゃ死ぬぞ(50メートルでも死ぬ)。シンゴジラですら118.5メートルなんだぞ。というか、シンゴジラ、結構でかいな…。いや、それは今回関係ない。
建物越しで見るとちょっと怖いね。
これであなたもタワーをウルトラ怪獣としてしか見られなくなった
この撮影位置は今でこそ歩行者天国になっているが、それはタワーが建ったあとのことなので、ウルトラ怪獣に見えるデザインは意図したものではないだろう。というより、設計者がウルトラマンを知らない方が自然だろう。ここはグエンフエ通りというホーチミン市内のセンター街、しかも夜間は若者たちが集まる新興観光スポットだ。折角ウルトラ怪獣にしか見えない暗示に掛かってしまったのだから、ぜひご自身の目でウルトラ怪獣を見に来てほしい。
もうここまで近づいても、見えちゃいません?ウルトラ怪獣に。