特集 2017年3月4日

賞味期限60分のモンブランを食べた

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「東急田園都市線江田駅近くのケーキ屋さんに、賞味期限1時間のモンブランが売られているそうです。何故1時間?是非レポートをお願いします!」という投稿が、suzukaさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。

賞味期限1時間のモンブランケーキと40秒の串焼きを紹介。おいしさがピークの時に味わってほしいという作り手の思いが、期限が短い理由だった。

はまれぽ.com:酒井 明子
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賞味期限1時間! 噂のモンブラン販売店に直撃!

1軒目に訪れたのは東急田園都市線江田駅にある、「ナッシュカッツェ」というウィーン菓子店。江田駅からやや上り坂を歩くこと5分で到着した。
マンションの1階に店舗を構える
マンションの1階に店舗を構える
到着して中を覗くと、すでにお客さんが数名……。その後も絶え間なく人が入っていき、人気店だということを着いて早々に確信した。待つこと10分以上、お客さんが途切れたタイミングでようやく突撃することができた。
可愛いケーキがずらり!
可愛いケーキがずらり!
入ってすぐに目に入るショーケースには、見た目からきゅんとくるケーキがたくさん並ぶ。そのなかに、投稿にあった「賞味期限1時間のモンブラン」をさっそく発見した。
「ナッシュカッツェの和栗のモンブラン(正式には600円とのこと)」
「ナッシュカッツェの和栗のモンブラン(正式には600円とのこと)」
60分以内に食べる方のみに販売と記載されている。賞味期限が短いためオーダーが入ってから作るようで、ショーケースに現物はなかった。味もキニナルが、どうしてこのようなケーキの販売をはじめたのだろうか。店長の今井伸哉(いまい・しんや)さんに聞いてみることにした。
現在は一人で店を切り盛りしているという、店長の今井さん
現在は一人で店を切り盛りしているという、店長の今井さん
お店は2017(平成29)年2月3日でちょうど開店10年! 今井さんは20代のころから10年に渡り、ウィーンやドイツの洋菓子店で修業をしてきた。
ウィーンではお菓子作りのマイスターの資格も取得
ウィーンではお菓子作りのマイスターの資格も取得
日本に帰国し、さらに何店舗かで修業をした後、お店をオープンした。今井さんは川崎市百合ヶ丘出身のため、店を持つなら神奈川県内で閑静な場所と考え、現在の場所に落ち着いたとのこと。

店名の「ナッシュカッツェ」はドイツ語で“甘党”という意味。さらに「カッツェ」が“猫”という意味とのことで、店内には猫をモチーフにしたお菓子もたくさんあった。
メレンゲが猫の形になっている
メレンゲが猫の形になっている
ちなみに店内には常に10~15種類くらいのケーキを用意。人気はウィーンで学んできた本場の味を再現したというオーストリアの代表的なチョコレートのケーキ「ザッハトルテ」とのことだった。
無糖の生クリームがセットに
無糖の生クリームがセットに
賞味期限1時間のモンブランは、ナッシュカッツェの開店当初からあるメニューで、今井さんが八王子のお店で修行していた時に衝撃を受けたモンブランを再現しているそうだ。賞味期限が1時間の理由について、店内にこんな張り紙があった。
お客さんからよく聞かれるため、設置したのだとか
お客さんからよく聞かれるため、設置したのだとか
1時間以内に食べてほしいとしている最大の理由は“生地に使用しているメレンゲのサクサク感を味わってほしいから”。1時間たつと完全にこのサクサク感が失われてしまい、おいしさが半減。そのためこの時間に設定したとのことだった。

今井さんとしては、1時間といわずできるだけ早く食べてほしいようだ。期待が膨らんだところで、さっそくオーダーし待つこと5分。
できたてのモンブラン登場!
できたてのモンブラン登場!
通常はイートインができないのだが、今回は特別に許可をいただき店内で食べさせていただくことになった。食べる前からすでに栗のいい香りがする……。
いただきます!
いただきます!
最初にケーキの上側だけいただくと、とにかく栗の味が濃厚! 茨城県の「笠間の栗」を使用しており、とにかく味がしっかりしている。中の生クリームは無糖で、甘すぎず後味がとても好みだった。
断面はこのような感じ
断面はこのような感じ
説明にあったメレンゲもサクサクで、歯ごたえ充分! 出来立てのメレンゲってこんなにおいしいのかと感動した。ちなみに今井さんいわく、一番のおすすめはメレンゲが生クリームとなじんできた作ってから15分後くらいとのことだった。

賞味期限を過ぎたモンブランとの食べ比べをしてみたい……というワガママを言い、今回は特別に1時間後に食べるためにテークアウトをさせてもらった。「絶対おいしくないと思うけどね」と、念押しされてのお持ち帰りとなった。
電車に揺られ持ち帰ったケーキ。人気のザッハトルテも購入
電車に揺られ持ち帰ったケーキ。人気のザッハトルテも購入
1時間どころか3時間以上たってしまったモンブラン。さっそく食べてみることに。
見た目からしてペタンとしている
見た目からしてペタンとしている
すでにモンブランの外側部分がパサパサ……。店で食べたときのしっとり感が懐かしい……。そしてメレンゲもサクサク感が失われしっとりしていた。なるほど、1時間以内で食べたほうがおいしい理由がわかった。ただ栗の味は相変わらずしっかりとしていて、味自体はおいしさをキープしているが、やはり1時間以内に食べるのがオススメだ。
1番人気のザッハトルテもいただいた!
1番人気のザッハトルテもいただいた!
こちらはセットの無糖生クリームにつけて! ビターなチョコに甘くないクリームはまさに大人の味! おそらく洋酒が少し入っているのか、高級感のあるデザートを楽しめた感じがあった。
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スタッフが疾走!? 賞味期限40秒のレバーとは!

続いてやってきたのは横浜駅西口から徒歩1分のところにある、焼き鳥とワインのお店「Tosaka-na Dining GOSSO(ごっそ)横浜店」。
おしゃれな外観
おしゃれな外観
こちらの店にも賞味期限が短い食べものがあるという。その食べ物は鶏レバーの串焼き「賞味期限40秒 ごっそ玉」! 40秒という短さの理由はなんなのか!? さっそく入店してみた。
店内は焼き鳥屋さんとは思えぬ、リゾート感あふれる空間
店内は焼き鳥屋さんとは思えぬ、リゾート感あふれる空間
こちらの店舗は2フロア+テラス席で、合計100席以上ある大きなレストラン。新丸子や武蔵小杉、溝の口にも系列店を構える。横浜店はオープンしてから約4年とのことだ。
話を聞かせてくれた店長の野村慶佑(のむら・けいすけ)さん
話を聞かせてくれた店長の野村慶佑(のむら・けいすけ)さん
お店のメインは宮崎産の日向の赤鶏を使った焼き鳥と、川崎の市場から仕入れている新鮮な野菜を使ったメニュー。それに合わせたワインもボトルで60種類以上用意してある。ちなみに店名の“GOSSO”は宮崎の方言で“ごちそう”という意味らしい。
ごっそ玉を発見!
ごっそ玉を発見!
野村さんによると「ごっそ玉」は系列店でも提供しており、横浜店でも開店当初からあるメニューだとか。

賞味期限を設けた理由を尋ねると、できたてアツアツの方がおいしいため、1秒でも早く食べてほしいという思いからだそうだ。

さらに、40秒にした理由としてはなんと「足が遅い人が走っても厨房から店内の一番奥の席まで行ける時間が40秒だったから」とのこと! えー! それが理由なんですか! 40秒の賞味期限で提供までに40秒だと、期限切れになるのでは……と思ったが、一番遠い席でも提供までにかかる時間は現在10秒前後とのことだ。
ちなみに一番遠い席は2階の奥の席
ちなみに一番遠い席は2階の奥の席
昔はどの焼き鳥も1階から2階までは小型のリフトで運んでいた。しかしそれだとお客さんから「冷めている」と苦情がくることもあったとか。そのため同店では提供スピードの早さを大事にしており、中でもこの「ごっそ玉」は少しでも早く食べたほうがおいしいということから賞味期限が設定された。

40秒……熱々の「ごっそ玉」のおいしさとはどのようなものなのか……さっそくオーダーしてみた。

40秒以内に食べてもらうために、店内を猛ダッシュ!

オーダーが入ると厨房ではさっそく「ごっそ玉」の調理を開始! 焼き鳥を焼く温度はほかの焼き鳥屋さんと比べてもかなり強い火力にしているとのこと。旨味が凝縮され、ジューシーに仕上がるというのだ。
約3分かけて焼くらしい
約3分かけて焼くらしい
ごっそ玉のおいしさの秘密は鶏レバーを、ブタの網脂で巻いて焼き、中のジューシーさを損なわないようにしていること。さらに外側がパリッとするため、食感もよくなるそうだ。焼き終わるとすぐさまお皿に乗せられ、外で待っていたスタッフにバトンタッチ!
お皿に乗った!
お皿に乗った!
お皿にタイマーを乗せて、外のスタッフへ!
お皿にタイマーを乗せて、外のスタッフへ!
猛ダッシュしていくためカメラで追いきれない!
猛ダッシュしていくためカメラで追いきれない!
ちゃんと届いています!
ちゃんと届いています!
ノーカットの動画はコチラ!
お客さん目線だとこんなかんじ
今回は1階の奥の席にいたため、余裕の20秒以内で到着! 2階席の場合は、リレーで持っていくことも。
いただきます!
いただきます!
あつーい! とにかく中まであつあつ! そして、肉汁がこぼれてきてジューシー! このジューシーさは焼きたてならではかもしれない。ちなみにもう1本は40秒過ぎてから食べてみた。味はあまり変わらないように感じたがあつさ加減は少し引いていた。
焼き鳥の横にはタイマーが
焼き鳥の横にはタイマーが
お皿には40秒にセットしたタイマーが置いてあり、きちんとお客さんにも時間がわかるようになっている。不足の事態で提供が40秒を超えてしまった場合は、作り直すそうだ。同店で提供している白レバー自体あまり仕入れがあまり多くないので、おかわりは1人1回までとなっている。

こちらの店舗、鶏が自慢なだけあってほかにもこんなおすすめメニューが。
「焼鳥屋の鶏すき焼き(1990円、3~4人前)」
「焼鳥屋の鶏すき焼き(1990円、3~4人前)」
4種類の鶏肉とトマトが丸ごと1個入ったお鍋を、お店の人いわく「低カロリーでヘルシー」という川崎産の「モリモリ卵」につけていただく。専門店のこだわりの味をこの値段で楽しめるのはうれしい。
女子に人気なのはこちらのメニュー!
女子に人気なのはこちらのメニュー!
普通じゃないポテサラを作りたいという思いで提案されたのが「石焼ポテトサラダ(690円)」。目の前で材料を混ぜて作ってくれる温かいポテサラで、ジャガイモのつぶし方も好みを聞いてもらえる。
今回は粗めにつぶしてもらった。あつあつでおいしかったです!
今回は粗めにつぶしてもらった。あつあつでおいしかったです!

取材を終えて

賞味期限が短いのには、作り手側の少しでもおいしく食べてほしいという思いがつまっていた。どんなものも作り立てはおいしい! でも料理をだされても話に夢中になっていると、そんなことは忘れて放置してしまうことも……。出されたものをおいしいうちに食べようと思わせてくれる体験だった。


―終わり―
店舗情報

ナッシュカッツェ
住所/神奈川県横浜市青葉区壮田西2-15-1-102
電話/045-211-4533
営業時間/11:00~19:00
定休日/月曜

一軒家リゾートダイニング GOSSO 横浜創業本店
住所/神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-23-4 鶴屋2丁目ビル
電話/045-620-9990
営業時間/17:00~1:00
定休日/年中無休
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