特集 2017年2月1日

建物と柱ギリギリに挟まれている車があった

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「横浜市の関内駅とロイヤルホスト馬車道店の間にリッチライフという不動産屋の柱に明らかに出入りできない車が。出れないだろうと思ってたら、車がないときも。どう移動してるのか知りたい」という投稿が、goodspeedさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。

取材してみたところ、激セマ駐車場にある小さい車を所有していたのはリッチライフ社員の鈴木さんだった。鈴木さんは、2回切り返し約30秒で出庫。一方、はまれぽ編集部小島は入庫に8回切り返して、約5分かかった。

(はまれぽ.com:山崎 島)
はまれぽ.comは横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジンです。毎日更新の新着記事ではユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。はまれぽが体を張って徹底調査します。

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皆さんは鼻の中に豆菓子を入れたら取れなくなったとか、引っ越しした時に家具をきっちり詰めて置きすぎちゃって、「このタンス、次引っ越すときどうやって出せばいいんだ」というような経験ありますか? 山崎は狭くて浅い浴槽で首までお湯につかろうとしていたら、完全にはまってしまい、大変な思いをしたことがあります。

関内にそんな、入ったは良いが出られなくなっちゃった感じの車があるということで、正月明けでぽやぽやしている編集部・小島とともに行ってまいった。

あー、これは……

件(くだん)の車があるという場所は、横浜市営地下鉄関内駅とロイヤルホスト馬車道店の間だそう。
8番出口付近のエレベーターから桜木町方面に向かって歩く
8番出口付近のエレベーターから桜木町方面に向かって歩く
あ、右奥にロイヤルホスト見えて来たねー、って
あ、右奥にロイヤルホスト見えて来たねー、って
ん?
ん?
んん?
んん?
こ、これだ!! 確かに、見事に建物と柱に挟まれている車が!! あまりの挟まれっぷりに、なんだか哀愁を感じるほど。
アンニュイな表情
アンニュイな表情
ぴったり
ぴったり
車前方は柱すれすれ、後方は人ひとりがカニ歩きでやっと通れるほどのスペースのみで、隣には車が2台ぴったりと駐車してある。たくさん切り返せばなんとか出られるのかしら、それとも真横にぴょんぴょん移動できる特殊な車なのかしら。いろいろ考えていると、小島は「これは無理っすわー、自分だったら無理っす!」と連呼していた。

しかしキニナル投稿には、たまに車が無くなってるという目撃証言もあり、ということは移動してるってことだよねえ。これは誰かに聞いてみるしかない! 車の持ち主はおそらくこちらのビルに会社を構えている、株式会社リッチライフなのでは、と当たりを付けて突撃訪問した。
ここに違いないはず! そうであってくれ!
ここに違いないはず! そうであってくれ!
エントランスにて、内線で受付に電話し、今回の取材の旨を説明し、青い車の持ち主を聞く。受付の女性は「え…あの車ですか?…少々お待ちください」と対応してくれたが、戸惑っているご様子。そうですよね、ほんとすみません。でも真面目なんです。

もしかしたら取り合ってもらえないかもしれない、と思いつつ、返答を待つ。すると、なんとお話を伺えることに! わー! ありがとうございます!! きょうは良い日だ!!
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あの車はスズキのツイン

突然、謎の取材をお願いしたにもかかわらず、ご対応くださったのは株式会社リッチライフの不動産管理部の鈴木城二(すずき・じょうじ)さん。よろしくお願いいたします!

残念ながら写真はNGだったが、鈴木さんに、あの表の青い車は御社のものでしょうかと伺うと、「はい。そうです」とご返答いただく。わーい、お花畑!!
はやる気持ちを抑えて、まずこちらの会社についてお話を聞く
はやる気持ちを抑えて、まずこちらの会社についてお話を聞く
株式会社リッチライフは1984(昭和59)年に設立した総合不動産会社。横浜と東京に拠点を持ち、32年にわたり首都圏を中心にマンション、住宅の開発販売から不動産活用コンサルティング、不動産仲介業務をしている。
住宅の一部を賃貸用に間取りを変動させられるシステムを開発
住宅の一部を賃貸用に間取りを変動させられるシステムを開発
グッドデザイン賞も受賞している!
グッドデザイン賞も受賞している!
また2005(平成17)年に発覚した、耐震強度偽装問題により工事が中断していた藤沢市の「グランドステージ藤沢」の工事を請け負い地域に貢献するなど、輝かしい業績を持つ会社だった。こちらのビルに移転したのは約10年前とのこと。
そんな会社だったとは…ますます、突撃取材ですみません!
そんな会社だったとは…ますます、突撃取材ですみません!
ではさっそく、あの車についてなんですけども…ズバリ、あの車は外に出せるんでしょうか? 「はい、出せますよ」と鈴木さん。そんなあっさり!! そうなんですか! 見事な挟まれっぷりのあの青い車は、同管理部の方が社用車として使用しているとのこと。

なんでもあの車を購入したのは4年前。元々会社の前には2台の車を駐車していたそうだが、柱と建物に挟まれたあのスペースが空いており、「ここにもう1台駐められる車がほしい」という話になったそう。
ほぼ柱の後ろ側のスペースですね
ほぼ柱の後ろ側のスペースですね
しかし、あのスペースには通常の軽自動車でも駐(とど)めることが難しく、いろいろ探していたところ、鈴木さんの上司がたまたま街中の中古車店で青い車の「SUZUKIのTwin(以下、スズキのツイン)」を見かけた。「あの車なら入りそうだからさ、買っておいでよ」ということで、ミニミニサイズのあの車が同社にやってきた。

鈴木さんいわく、「特にサイズを計ったわけではなく、これだったら駐められるんじゃないかなあ、と購入したら入りました」とのこと。以後、主に物件の管理などで車を利用する機会が多い鈴木さんたちが使用し、道が狭い地域や山道などで小回りが利くサイズのため、大変重宝している、という。「でも高速は怖い」のだそう。

スズキのツインの全長は2.735メートル、定員は2人。現在は生産終了となっている。
通常の軽自動車の全長は、だいたい約3.395メートルなので、なるほどすごく小さい車だ。これほどのサイズの車は、ほかに全長約2.5メートルのメルセデス・ベンツのsmart(スマート)や全長3メートルのTOYOTAのiQ(アイ・キュー)ぐらいではないかとのこと。重宝しているとはいえ、それにしても…
ぎりぎり感は
ぎりぎり感は
否めない
否めない
駐車スペースを計らせてもらうと
駐車スペースを計らせてもらうと
縦は約3.3メートル、横は約1.9メートルだった。この車の全長が2.735メートルだから・・・55cmぐらいしか余裕がない!

駐車の際ぶつけたことはないか聞くと「ゼロではないと思います」とのこと。車を購入した当初、駐車技術を磨くための練習は「特にしませんでした。比較的最初から入れられましたね」と、どうやらテクニシャンが多いようですね。

小島、やってくれるなよ。振りじゃないからね!

と、車についてあれやこれや質問していると鈴木さんが「実際に車庫入れしてみます?」と提案してくれた。良いんですか! 一気に上がるテンション。しかし、ぶつけてしまったら…その時は編集部に修理代を請求してください! ということで漢・小島の運転テクを披露させてもらった。

ではでは、試乗させていただきましょう。まずは鈴木さんに車を出していただいてから、小島が駐車する。その様子は動画でご覧ください。
いけー小島!
小島が車を所定の位置に駐車するまで、約5分かかり8回切り返してました。それにしても最初に入れた時の角度がすごかったなあ。ちなみに、鈴木さんは2回の切り替えしで、出庫の所要時間30秒。

小島の感想は「永遠に終わらないかと思うぐらい難しかったですが、車は小回りが利いたので、なんとか入れられました! ただ、こんなに小さいサイズの車は初めてだったので、すぐに壁がせまってくるような感じで、迫力がありました!」と述べていた。
車内もちんまりサイズでかわいい
車内もちんまりサイズでかわいい
「この車について直接会社に問い合わせや話題にのぼったことはありませんが、車庫入れするときは、やはり人に見られます」と、結構多くの人がキニナッていたであろう、株式会社リッチライフの小さな青い車。生産終了したの車種のため、修理ができなくなったらその役目を終えることになるが、鈴木さんをはじめ会社の方に愛着を持って使われていることが分かった。

取材を終えて

うちの実家の車庫も入れるのが難しく、設計した父親は家族から大ひんしゅくを買っているのだが、今回限られたスペースにポジティブに車を駐めている人たちに出会えたので、このことを話して、慰めてあげようと思います。
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