PSVRを買いました
2016年はVR元年とも言われたから今年はVR二年だろう。先日、プレイステーションVRを買った。装着するとバーチャルな空間が覗けるヘッドセットである。
PSVRです
バイオハザード7が発売するタイミングで買おうかと思ったが、人気すぎて買えず。しかしドイツのAmazonならドイツ版だけどPSVRが買えるぞ、と聞いてすぐさま注文したのだ。
ものを買うことでこんなに舞い上がったのは久しぶりだ。
そして待つこと数日後、ボコボコになったダンボールが家に届いた。PSVRである。
おお、これが待ち望んだ……と期待を胸に抱いてやってみたら、なんと10分くらいで酔ってしまった。
20分やったら30分休憩が必要になるくらい酔う。
リアルさは凄いんだけど、主人公が廊下とか歩いてるシーンなどでものすごく吐き気を感じる。
ぼくはドイツから吐き気を輸入したのか。こんなに悲しいことがあるか。なんとかして克服したい。
乗り物酔い対策が効くはず
冒頭でも述べたが、VRヘッドセットから見える景色(主人公の動き)と実際の椅子に座ってる体の違いが酔いをうむのであれば、それは乗り物酔いと同じ仕組みのはずである。
だったら乗り物酔い対策が役に立つはず、というのが今回の見通しである。
ゲーム開始時の注意書きには「乗り物酔いに似た症状~」と書かれている
調べたり考えたりした方法は、5種。「ツボ」、「梅干し」、「ローズヒップティー」、「氷」、「そして乗り物酔いの薬」である。
どれかは効いてほしい。これでダメだったらわざわざ輸入したPSVRをどうすればいいのでしょうか。
いったんふつうにやってみて、きちんと酔うことを確認
VR酔いなんて気のせいだったのかもしれない(そうであってほしい)。まずふつうにやってみる。睡眠も十分に取って、ゆったりとした服を着て、お腹は一杯でもからっぽでもない状態にはしてある。
これで大丈夫なら企画もなかったことにして、VRであそびたい。
確認、酔います!
そろそろ僕の三半規管ちゃんもVRに慣れてきてくれたかな~? という目論見は甘く、まだ20分くらいで気持ち悪くなってしまった。本当に吐くほどではないがめまいと胃の気持ち悪さがある。
しっかり酔うことを確認したところで、対策を検証したい。
ツボ押し
すこし休憩したのち、まずはツボ押しを試したい。
「内関」という手首のつなぎ目から肘に向かって指三本目のツボを押すと乗り物酔いが収まるそうだ。にわかに信じられないものの、やってみよう。
このあたりを押すといいらしい。
このあたりを数分押すといいらしい。押しっぱなしにするのもアリで、実際船酔い対策としてこのツボを刺激し続けるリストバンドというのもあるそうだ。
そこで今回は、輪ゴムを使ってボタンを固定しツボを押し続けてみた。
これ、あってるのかな
あれ、あんまり酔わない気がする…!
ないより長時間プレイできるような気がする。20分経過しても、ギブアップしたいとは思わない。
これで20分以上PSVRができる! うれしい半面、こんなに簡単なツボマッサージが効いちゃう自分が恥ずかしくもある。
梅干しを舐める
梅干しには謎の効力があるのではないかという気が昔からしている
梅干しを舐めて唾液を出すと、三半規管の混乱(=酔い)がなくなるという情報もあった。飴やガムでもいいらしい。
唾液と三半規管。どういう理屈なのかはわからないが、やってみる価値はありそうだ。
20分で梅干しを3粒舐めた
これも効果があったように思える。梅干しを舐めただけで、である。今までの苦しみを考えると、もうちょっと効かなくていい気がするくらいだ。
氷
氷を舐めるといいと言うのははじめて知った
氷を舐めることで交感神経が刺激され、気持ち悪さが減るという情報もあった。これは酔ったあとからでもOKとのこと。
まあまあ効いてるな
氷を舐めている間は酔いが治まっていたが、氷が溶け終わるとまた戻った気がする。逆にプレイ中気持ち悪くなってきたときに、あ、氷がないと気づいたといったほうが正しい認識かもしれない。
とにかく舐めてる間はあまり気持ち悪くなかった。ここまで全戦全勝である。こんな恥ずかしい体あるか。
ローズヒップティー
続いてローズヒップティーを飲みながらのPSVR。乗り物酔いにローズヒップティーだなんて聞いたことあるだろうか。ないと思う。
これは「なんとなく乗り物酔いに効きそうでは?」というぼくの思いつきである。酸っぱくて温かいのがなんか作用するのではないだろうか。空想の機序だけど。ここまでだいたいうまく効いたので、もしかしたらなんでもいいのかもしれない。
どうだろうか
酔いました
20分たって、楽しさを気持ち悪さが上回った。ローズヒップティーは効果なしという判断である。ただちょっと優雅な気持ちだけしたので、飲まないよりはましかもしれない。
乗り物酔いの薬
乗り物酔いには薬という手もある
ここまで、根拠なしのローズヒップティー以外ぜんぶ効いているので、薬を飲むまでもないかもしれないけども、薬が効くのであれば楽といえば楽である。
眠たくならないタイプの酔い止めを買ってきた。
これを飲んでからプレイすると……。
快適。
これも無論効くわけである。一番すっきりした。
VRのゲームをやるのにいちいち薬を飲む、という仰々しさはあるが「今日は腰を据えてやるぞ」というときだけは乗り物酔いの薬を飲んでしまうのもいいかもしれない。
VRにも乗り物酔い対策でOK
だいたいの乗り物酔い対策は、VR酔いにも効果がありそうだということがわかった。
全体に言えることだが、VRの気持ち悪さはなくなったものの、ヘッドセットを外すとぼやんとした疲れがあった。やはり体はVR独特の疲れ方をしているようなので、酔わないからといって長時間プレイするのはよくない。
現実と嘔吐感
VR(仮想現実)の中で感じる嘔吐感はすごい。この嘔吐感を逆に活用したゲームが出てきてもいいのではないか。
サルトルの小説に「嘔吐」というものがある。すべて偶然にすぎない現実の存在への違和感が気持ち悪くなってしまったという話である。これがちょうどいいのではないか。『嘔吐VR』が待たれるところである。新しい技術に体がついていかないのが悲しくて言っているのではない。