そういえば、このカメラなら人間が笑顔で撮れるということが分かった時点で、追加改造も行った。
最近のおもちゃは高性能すぎないか問題
で、アクションカムうっかり買ってしまったのが、このTOMY『スマホで運転!ダブルカメラドクターイエロー』だ。
名前の通り、子どもが大好きなドクターイエロー車両がスマホから運転できて、しかも運転席(フロントカメラ)と車窓(サイドカメラ)を切り替えて動画が撮影でき、あたかも電車に乗ってる目線の風景が楽しめるというもの。
名前の通り、子どもが大好きなドクターイエロー車両がスマホから運転できて、しかも運転席(フロントカメラ)と車窓(サイドカメラ)を切り替えて動画が撮影でき、あたかも電車に乗ってる目線の風景が楽しめるというもの。
見事に存在の全てを表現しきった製品名。自己紹介として機能しすぎてる。
プラレールと言えば、あの水色のレールの上で電車を走らせて遊ぶ、あのプラレールである。
おまえ、昔は手でゴロゴロ押して走るのが精一杯だったじゃないか。いつの間にそんなテクノロジーと融和したんだ。プラレールにWi-Fiとか進化しすぎだろう。
おまえ、昔は手でゴロゴロ押して走るのが精一杯だったじゃないか。いつの間にそんなテクノロジーと融和したんだ。プラレールにWi-Fiとか進化しすぎだろう。
今見ても迫力ありすぎるプラレール喫茶。
以前、店内いっぱいプラレールが走り回ってる『プラレール喫茶』を取材させてもらったこともあり、プラレールをナメていたつもりはない。
それでも、スマホから運転士目線で操縦して動画も録れるとか、ちょっと驚いた。
それでも、スマホから運転士目線で操縦して動画も録れるとか、ちょっと驚いた。
ドクターイエローカメラ、実際こんな感じ
我が家にはプラレールがないので、ひとまずドクターイエローが来るのに備えて中古のレールを買ってみた。
ありがたいことに、環状線を引けるだけのセットが500円でオークションに出てた。
室内にレールを敷いたら、ドクターイエローから出てるWi-Fiスマホで拾って、あとは専用アプリを起動。
それだけでいとも簡単に(まぁ、子どもが使うものだし)接続完了した。
それだけでいとも簡単に(まぁ、子どもが使うものだし)接続完了した。
画面はこんな感じ。本当に運転士目線だ。
アプリ画面では、前進二速と停止、後退が操作できるマスコンと、カメラの切り替え、あとは警笛とライト(実際にライトが点灯するんじゃなくて、ライトがついたふうの画面効果が出るだけ)がコントロールできる。
これを実際に走らせてみると、こんな感じ。
これを実際に走らせてみると、こんな感じ。
運転士カメラと車窓カメラをたまに切り替えて撮影。わー、走ってるわ。
これがシンプルな周回だけでもやたらと面白い。
ちゃんとアップダウンがあったり分岐したり、さらに沿線ジオラマの中なんかを走ったら延々と見ていられるんじゃないか。
残念ながらドクターイエローにはマイクがついていないので、動画は無音。プラレールのガーガー的な走行音をスマホのマイク経由で拾えたら、もっと雰囲気いいのにな。
ちゃんとアップダウンがあったり分岐したり、さらに沿線ジオラマの中なんかを走ったら延々と見ていられるんじゃないか。
残念ながらドクターイエローにはマイクがついていないので、動画は無音。プラレールのガーガー的な走行音をスマホのマイク経由で拾えたら、もっと雰囲気いいのにな。
いったいどういうものを作るのかという説明
実はこの時点でもう面白さ的には充分に満足してしまっている。
しかしせっかくなので、そこは当初の目的通り、ドクターイエローをちゃんとしたカメラとして使えるようにしてみようと思う。
…という内容でカメラを作る記事を書きます、と一月半ばに行われた新年会の席で編集藤原くんに口頭で伝えておいた。
で、その翌日に藤原くんから来たメッセージがこれだ。
しかしせっかくなので、そこは当初の目的通り、ドクターイエローをちゃんとしたカメラとして使えるようにしてみようと思う。
…という内容でカメラを作る記事を書きます、と一月半ばに行われた新年会の席で編集藤原くんに口頭で伝えておいた。
で、その翌日に藤原くんから来たメッセージがこれだ。
だよなー。やっぱり伝わらないかー。
藤原くん、こういうのをなぁなぁで済まさず、きちんと確認してくれる辺りは編集者としてちゃんとしていると思う。
とはいえ、やはり口頭や文章で説明するのは難しいので、その場で「こういうのを作ります」と詳細な図面を描いて返信した。
とはいえ、やはり口頭や文章で説明するのは難しいので、その場で「こういうのを作ります」と詳細な図面を描いて返信した。
冷静に考えると、よくこれで納得してくれたなと思う。
とりあえず、カメラ本体からレールが延びていて、レンズの中から出てきたドクターイエローが前後に動くのだ。
で、前進すれば物理的にテレ側(望遠)、後退すればワイド側(広角)になるんじゃないかという、物理ズームレンズ構想である。
藤原くんも上の図で「わかりました!」と言ってくれたので、このまま企画を進行してみよう。
(電車だけに)
で、前進すれば物理的にテレ側(望遠)、後退すればワイド側(広角)になるんじゃないかという、物理ズームレンズ構想である。
藤原くんも上の図で「わかりました!」と言ってくれたので、このまま企画を進行してみよう。
(電車だけに)
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ドクターイエローカメラを作るという試み
ひとまず概要は伝わったという前提で、カメラ製作を始めよう。
まずは今回のカメラの最大のポイント…というかここだけ難しそうな気がする「カメラとレールの固定」からだ。
まずは今回のカメラの最大のポイント…というかここだけ難しそうな気がする「カメラとレールの固定」からだ。
塗装用に、ホームセンターで最もプラレールっぽい色の塗料を探した。
最初はジャンクのカメラにレールをそのまんま接着しようと思ったのだが、ドクターイエローの車体が思っていたよりもずっしりと重い。
これではレールの先端まで車体が移動した時に車重を支えきれないのではないかという懸念が出てきた。
これではレールの先端まで車体が移動した時に車重を支えきれないのではないかという懸念が出てきた。
塗料見つけた時は「プラレール色だ!」と興奮したけど、合わせて見るとちょっと違ったな。
そこでまず、レールの長さ分の木材を購入。
この木材をカメラにがっちり固定して、その上にレールを敷くことで安定させようというプランである。
これなら自重でレールがしなることもないだろうし、安心感は増す。
この木材をカメラにがっちり固定して、その上にレールを敷くことで安定させようというプランである。
これなら自重でレールがしなることもないだろうし、安心感は増す。
平気といいつつ、実際に直接ネジを打つのはちょっとドキドキした。
レールの後端は金属のL型アングルでカメラのボディに直接ネジ留めするという豪快な解決法をとった。
なんせこのボディは今回のカメラ機能にはまったく関係ない(中古カメラ屋で600円で購入した、壊れたジャンクのフィルムカメラ)。
単にカメラっぽい見た目があればいいので、背後の見えないところならネジでも釘でも何を刺そうが平気である。
なんせこのボディは今回のカメラ機能にはまったく関係ない(中古カメラ屋で600円で購入した、壊れたジャンクのフィルムカメラ)。
単にカメラっぽい見た目があればいいので、背後の見えないところならネジでも釘でも何を刺そうが平気である。
かなりバカっぽい見た目になってきた。いいぞ。
ちなみにレールはロングレールという、通常の直線レールの倍の長さのものを2本つないだ。
レールの端から端までの長さが850㎜。850㎜ズームと言えばかっこいいが、実際はレンズの焦点距離じゃなくて、単にドクターイエローが850㎜移動するだけの話である。
テレ移動端850㎜。
レールの端から端までの長さが850㎜。850㎜ズームと言えばかっこいいが、実際はレンズの焦点距離じゃなくて、単にドクターイエローが850㎜移動するだけの話である。
テレ移動端850㎜。
ホットボンドをだくだくと流し込んで、カメラ背面の凹凸を埋めるようにマジックテープを貼る。
そういえば、カメラを構えながらドクターイエローを操作しなければならないので、スマホをカメラにくっつけておく必要もある。
これはスマホケースとカメラ背面にマジックテープをホットボンドで接着して、貼り付けておくようにした。
これはスマホケースとカメラ背面にマジックテープをホットボンドで接着して、貼り付けておくようにした。
4.7インチの巨大ビューファインダーは、ハイスペック一眼レフ以上のファビュラス感。
このようにスマホを貼れば、液晶ビューモニター感覚でカメラの操作ができるはず。
使い勝手も問題無しだろう。
使い勝手も問題無しだろう。
850-350㎜(車体の長さが350㎜)の物理ズームレンズ。かっこいい。
ということで、これがドクターイエローカメラを使用した“物理ズームレンズ”搭載カメラの完成である。
最初、レンズの見た目部分は、黒画用紙を筒に巻いてそれっぽいものを作ろうと思っていた。が、オークションで購入した中古レールセットに入っていたトンネルをためしにくっつけてみたら、大口径レンズみたいで格好良くなってしまった。
最初、レンズの見た目部分は、黒画用紙を筒に巻いてそれっぽいものを作ろうと思っていた。が、オークションで購入した中古レールセットに入っていたトンネルをためしにくっつけてみたら、大口径レンズみたいで格好良くなってしまった。
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物理ズームの実践
さて、この物理ズームレンズ、実際に使ってみるとどんな感じだろうか。
ズームすると、ドクターイエローがトンネルから前進。見た目的には超ファニー。
被写体側から見るとこんな感じ。大口径トンネルからレンズがお前を狙っているぜ。
まず最初の被写体は、我が家の猫ジム。俺様キャラの図太いスコティッシュフォールドである。
寝室のベッドを占拠して昼寝するのが、最近の彼のトレンドだ。
やはり新しいカメラで撮るならまず猫だろう。
まず、テレ端(最もズームアップした状態)で撮影した一枚。
ちなみにドクターイエローカメラは動画オンリーなので、適度なところで静止画を切り出した。
寝室のベッドを占拠して昼寝するのが、最近の彼のトレンドだ。
やはり新しいカメラで撮るならまず猫だろう。
まず、テレ端(最もズームアップした状態)で撮影した一枚。
ちなみにドクターイエローカメラは動画オンリーなので、適度なところで静止画を切り出した。
ジムさん、寝起きを変なカメラで起こされて、いまどういう状況なのか把握できていない表情。
うん、かわいい。
続いては、ワイド端(最も広角側)の一枚。
続いては、ワイド端(最も広角側)の一枚。
レール越しに、やはり呆然としているジム。かわいい。
うっかり想定していなかったのだが、ワイド側に引くと画角にこれ以上ないぐらいはっきりとレールが写り込んでしまう。
写真としては意味不明な感じだが、まぁ「あっ、プラレールのカメラで撮ったな」というのは一目で分かる。
ちなみに、撮影風景を第三者視点の動画で見るとこんな状態である。
写真としては意味不明な感じだが、まぁ「あっ、プラレールのカメラで撮ったな」というのは一目で分かる。
ちなみに、撮影風景を第三者視点の動画で見るとこんな状態である。
動画でも呆然としたままのジム。どう見てもかわいい。
レール先端が車体の移動に負けてすごい揺れる。
正直、一連の動画として使うには無理があるだろうというぐらい揺れる。
今後は、手持ちジンバルのようにカメラの揺れを吸収するスタビライザーの装着が課題になりそうだ。
正直、一連の動画として使うには無理があるだろうというぐらい揺れる。
今後は、手持ちジンバルのようにカメラの揺れを吸収するスタビライザーの装着が課題になりそうだ。
まだまだ明らかになる、物理ズームカメラの利点と欠点
今回は対象が猫だったのでリアクションがいまいちだったが、撮り続けていると、人間だとかなりの高確率でいい笑顔が撮れるのも分かった。
「写真撮るよ」と言われて身構えてたら、トンネルの中から新幹線がシュゴーと出てくるのだ。これはどうしたって笑顔にもなろうというものである。
「写真撮るよ」と言われて身構えてたら、トンネルの中から新幹線がシュゴーと出てくるのだ。これはどうしたって笑顔にもなろうというものである。
これはいい笑顔という範疇を超えてる気がする。リアクションの女帝こと編集部古賀さん。
これはプラレールの可愛さがもたらしたメリットだろう。
対してプラレールだからこそのマイナス点もある。
対してプラレールだからこそのマイナス点もある。
晴天・14時ぐらいの外撮影の様子。これは明るすぎた。
ドクターイエローカメラが室内で遊ぶ用のおもちゃだと言うことを失念していたのだ。
これ、カメラの絞りや設定が蛍光灯つけてる室内でちょうどの明るさになる設定で、しかもそれが変更できない。
なので、屋外で撮影するとこのように真っ白に飛んでしまうのである。
冷静に考えたら、そりゃ外にプラレール出して遊ぶ子はそんなにいないだろうから、当然の設定なんだけど。
これ、カメラの絞りや設定が蛍光灯つけてる室内でちょうどの明るさになる設定で、しかもそれが変更できない。
なので、屋外で撮影するとこのように真っ白に飛んでしまうのである。
冷静に考えたら、そりゃ外にプラレール出して遊ぶ子はそんなにいないだろうから、当然の設定なんだけど。
さっきの外撮影のテレ側。ほとんど画角が変わってない。
あと、これはプラレール関係なく単に僕の考え足らずだったのだが、テレ端ズーム端ともそんなに画角が変わってない。レールが短すぎたのだ。
そりゃそうだ。単焦点のレンズでたかだか50㎝ほど前後したところで、写る絵はほとんど変わらない。猫を撮った時のように至近距離ならまだしも、風景を撮るのに10m離れるのと9m50㎝離れるのでは、ほとんど意味がないのだ。
とはいえ、これは簡単に解決できる問題だ。
なんといったってプラレールだ。レールをもっともっと長くすればいいのである。
500mぐらいレールをつないだら、手元から500m先までの超ズームが可能になるのだ。
物理ズームレンズ、まだポテンシャルあるぞ。
そりゃそうだ。単焦点のレンズでたかだか50㎝ほど前後したところで、写る絵はほとんど変わらない。猫を撮った時のように至近距離ならまだしも、風景を撮るのに10m離れるのと9m50㎝離れるのでは、ほとんど意味がないのだ。
とはいえ、これは簡単に解決できる問題だ。
なんといったってプラレールだ。レールをもっともっと長くすればいいのである。
500mぐらいレールをつないだら、手元から500m先までの超ズームが可能になるのだ。
物理ズームレンズ、まだポテンシャルあるぞ。
目がついたことで、誰もがさらに笑顔に。
これにより、特に子どもからのウケがとんでもないことになった。
元々、男の子に向けたらとんでもなく食い付かれるプラレールカメラだが、かわいい目を増設したおかげで、女の子からも高評価が得られるようになった。
子ども専門スタジオのスタジオアリスあたり、このシステムを買いに来ないか。