特集 2016年12月15日

タイで顔を大きくしたついでにトリックアート美術館に行く

最終的にふたつがつながります
最終的にふたつがつながります
8月に東京のメイカーフェアではじめて展示されて以降、オーストリア・リンツと中国・深センでも好評を得た光学式デカ顔を抱えて今度はタイ・チェンマイに行った。チェンマイデザインウィークで展示するためだ。

たぶんウケるんだろうな、と思っていったのだが案の定ウケた。デカ顔が世界をつなぐ安心のレポートである。

ついでになんとなく行ったチェンマイのトリックアート美術館も面白かったので紹介したい。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

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チェンマイデザインウィークとは

12月3~11日に、タイ北部の街チェンマイで「チェンマイデザインウィーク」が開催された。チェンマイ各地の広場や店などでアートやデザインに関連する作品が展示される催しだ。
かわいい焼き物
かわいい焼き物
何か起きそうな機械
何か起きそうな機械
つい愉快な展示の写真ばかり撮ってしまったが、開催されるおよそ2ヶ月前にプミポン国王がなくなったことから、全体が落ち着いたトーンになっていたと思う。
会場の横に大きな国王の写真が飾られていた
会場の横に大きな国王の写真が飾られていた
その会場の一角、ナレッジキャピタルのブースのさらに一角をお借りして「顔が大きくなる箱」を展示することになったのだ。同じブースにはカッコいいロボットや、ハイテクTシャツが展示されている。
小型ながら滑らかに動くロボット
小型ながら滑らかに動くロボット
マーカーを読み込むとツイートが出てくるシャツ
マーカーを読み込むとツイートが出てくるシャツ
その横には顔がでかくなる箱である。アートもデザインも関係ない気がするがいいのだろうか。
我々(ライター小堺・編集部藤原)がかぶせに行きました。
我々(ライター小堺・編集部藤原)がかぶせに行きました。
写真では空港で買ったサングラスをしている。ふざけているように見えるが、いま振り返るとはじめてチェンマイ行くという不安がそうさせている。

安心の変顔

緊張の中準備をしていたが、いざスタートしてみると過去に各国で体験した人と同じように、チェンマイの人も変顔をしていく。
デカ顔は人を自由にし、自由は変顔という”道”を見つけるのである。それを止めることはだれにもできない。
これもいいなー
これもいいなー
一度かぶって写真も撮ったのに、「もう一回やらせて!」と二度三度やっていく人がちらほらいた。
このように1日じゅうウケつづけました
このように1日じゅうウケつづけました
人気なのは箱なのだが自分の人気のような気がしてくる。みんな顔がでかくなる箱作って人にかぶせたら良いと思う。
写真に撮る以外、こんなやり方も
写真に撮る以外、こんなやり方も
チェンマイでは「箱をかぶったままお互いに向き合うとおもしろい」ということも発見された。何をやっているんだろう?と思って自分もやってみたところ、レンズの全面(つまり視界の全部)が相手の顔になっていた。これは笑う。

タイの副首相が見にきた

さてシャキシャキといろんな人に箱をかぶせていると、スタッフから「タイの副首相がブースを見に来るらしい」との話が聞こえてきた。なんだと。

インディーズでやってる副首相でないとしたら、きっと偉い人だ。…偉い人の顔をデカくしたいという欲望が湧き上がってくる。ぼくは同行していたライター小堺さんと目配せした。ふたりともやる気である。
もしかしたらかぶってくれるんじゃないかな
もしかしたらかぶってくれるんじゃないかな
ふたりがやる気でも副首相がやる気じゃなかったら意味がないのだが、もしかしたらやる気は伝わるかもしれない。期待は高まる。

しばらくすると外がざわざわする。副首相がやってきたようだ。小堺さんは箱を被り、ぼくは被せられるように箱を抱えた。

……来た!
次くらいに来そうだ
次くらいに来そうだ
小堺さんのデカ顔に向かって手を振ってる!
小堺さんのデカ顔に向かって手を振ってる!
ああ……
ああ……
副首相はにこやかに手を降って去っていった。微動だにできなかった。首は取れなかった。

彼は小堺さんのでかくなった顔を見つめながら「おもしろいですね」みたいなことを言っていた記憶もあるのだが、それが現実なのか幻想なのか定かではない。
残念でしたね
残念でしたね
変な欲が出たせいで5分くらい落ち込んだが、それ以外は楽しいだけのイベントだった。チェンマイは最高です。
さて次のページはおまちかねのチェンマイのトリックアート美術館に行った話だ。
さて次のページはおまちかねのチェンマイのトリックアート美術館に行った話だ。

チェンマイにもトリックアート美術館ある

話は変わるがトリックアート美術館だ。(デカ顔からトリックアートに話が移るうまいブリッジを考えたのだが思いつかなかったので「話が変わるが」で済ませたい。なにとぞ。)

熱海、日光、高尾山、那須など観光地としての力が十分にあるところにトリックアート美術館は存在する。

トリックアートを目的にその土地に行くことはなく、土地の周辺地図にあると分かるとなんとなく行ってみようかとなるのがトリックアート美術館なのである。

おそらく雨が降っても関係ないのがトリックアート美術館のいちばんの強みだろう。豪雨の中観光地巡りはちょっと嫌だ。
これは5年前に行った那須のトリックアート美術館
これは5年前に行った那須のトリックアート美術館
そんなトリックアート美術館だが、個人的には行ったら絶対楽しいので、旅行に出かけたときに見つけたら行くようにしている。

今回は事前に地図で見つけて「チェンマイにもあるのか!」と興奮しながら即チェック。出発前から行く気満々であった。
ここがチェンマイのトリックアート美術館「Art in Paradise」
ここがチェンマイのトリックアート美術館「Art in Paradise」
何がLOVEなんだろう
何がLOVEなんだろう

おばちゃんのテンションもあがる

ということでチェンマイのトリックアート美術館「Art in Paradise」に入った。3階建てである。でかい。
これはトリックというかとんちだ
これはトリックというかとんちだ
最初に現れたトリックアートは「エスカレータに見せかけた階段」で少々イラッとしたがそのさきに現れたものはなかなかすごかった。滝だ。
床一面の滝の絵
床一面の滝の絵
見ての通り、滝も凄いが中国人観光客と思われるおばちゃんのテンションの上がり具合もすごかった。

いいポジションを仲間内でバトンタッチしていくのでなかなか終わらない。ものすごい人気だ。
いいポーズ
いいポーズ
人はトリックアートを前にすると無防備だ
人はトリックアートを前にすると無防備だ
ぼくは別のを撮りながら待機。
ぼくは別のを撮りながら待機。
しばらくしたら場所を譲ってくれたので、ようやく撮れた写真がこれ。
床がめちゃくちゃ反射しとるやんけ。
床がめちゃくちゃ反射しとるやんけ。
床の反射は残念だった。だがこれは最初のトリックアートである。先は長い。

どこまでも続いていく微熱

撮った写真が膨大なのでささっと見ていこう。
よく”偽りだらけのこの世界”というが、ここ以上に偽りだらけの世界もなかろう。
よく”偽りだらけのこの世界”というが、ここ以上に偽りだらけの世界もなかろう。
普段ならしないポーズをしている。単にはずかしい大人になってしまったのかもしれない。
普段ならしないポーズをしている。単にはずかしい大人になってしまったのかもしれない。
夏はどこまでも続いていく。青く染まった同じトリックアートの中で。
夏はどこまでも続いていく。青く染まった同じトリックアートの中で。
しかし、どこかしらのトリックアート美術館に行ったことがある人はわかるかもしれないが、見れば見るほど日本にあるのと同じようである。なんなんだろう。トリックアート財団みたいなのがあって、世界中におなじようなトリックアート美術館を作っているのだろうか。
ただ量が多いんです、ここは。
ただ量が多いんです、ここは。
こういうのが無限にあります
こういうのが無限にあります
キングコングも生首になる台もトリックアートとしては「あるある」だが組み合わされてるのは珍しい気がする
キングコングも生首になる台もトリックアートとしては「あるある」だが組み合わされてるのは珍しい気がする
前のページで人にやらせたこと(デカ顔)を、こんどは自分がやってるようだ。どこまでもトリックアートとという「微熱」が続いていく。

ご当地らしさもある

楽しいのは楽しいのだが、写真を撮ってもチェンマイだとわからないので旅を無駄にしている居心地の悪さもすこしあるだろう。

もちろん完全にタイらしさがないわけではない。たとえばタイっぽい遺跡もある。
多分アユタヤ。左の仏像だけ。
多分アユタヤ。左の仏像だけ。
ただ、そのすぐ横に日本と
ただ、そのすぐ横に日本と
カンボジアがある。
カンボジアがある。
あと、このパンダコーナーもチェンマイが関係しているらしい。
数年前チェンマイでパンダブームがあったそうだ
数年前チェンマイでパンダブームがあったそうだ
実際はこう
実際はこう
2009年にチェンマイ動物園でパンダの子どもが生まれたので当時大フィーバーになったそうだ。そのおかげでこのようなエリアがあるのだと思われる。

もっとわかりやすいのもある。
雑誌のなかに入れるトリックアートもあった。
雑誌のなかに入れるトリックアートもあった。
多くはないがこのくらいあれば大丈夫だろう。

こんな感じで3時間いて写真を800枚撮った。古代世界やエジプトの遺跡、でかい手足、ご存知エイムズの部屋もあった。楽しみすぎだ。この写真をいったいどうするつもりなのか、自分でもわからない。

とにかく行ったことがない人はぜひ一度行ってみて下さい、という話でした(一人で行くと写真撮ってくれる人がいなくなるので注意して)。

日が暮れるほど楽しんだ

普段取らないポーズや変顔をしてしまう魔力。撮った写真が面白いのであって、撮られている間の被写体の不安さ。

こう見るとデカ顔とトリックアートは共通するところがある。というかデカ顔はほとんどトリックアートだ。

そう考えると全世界のトリックアート美術館のある地域でデカ顔はウケると考えていいだろう。夢は広がるばかりだ。
一見不要に思える…
一見不要に思える…
この部分が描けるようになることが、トリックアーティストとしての第一歩なのかもしれない。
この部分が描けるようになることが、トリックアーティストとしての第一歩なのかもしれない。
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