特集 2016年12月6日

眼鏡専門学校でメガネを学ぶ

レンズを削らないとメガネにならない

続いての見学は、いよいよメガネそのものを作る授業である。
といっても、メガネフレームを一から組み上げるとかでは無く(そういう授業もあるけど、今回は違う)、メガネ販売店で売られているフレームに、レンズをはめて完成させる技術を学ぶためのものだ。
見たことのない機械が並んでるとテンションが上がる。
見たことのない機械が並んでるとテンションが上がる。
つまり、僕らがメガネ屋でフレームを選んでメガネを買うと、バックヤードで店員さん(認定眼鏡士)が視力の測定結果に合ったレンズを何だかんだやって、メガネとして完成させて「ハイ」って持ってきてくれるだろう。
その「何だかんだ」してる部分の授業ということである。
削る前の、いわば“生のレンズ”。
削る前の、いわば“生のレンズ”。
まずは、レンズ。
これ、何も加工していない状態だと、まん丸で小ぶりなおせんべいぐらいのサイズがある。
この素材的な加工前レンズをフレームにぴったり入る形に削りだしてハメ込むことで、メガネとして完成するわけだ。
メガネ屋のバックヤードには、こういう機械が設置してあるのかー。
メガネ屋のバックヤードには、こういう機械が設置してあるのかー。
とはいえ、レンズを削る前にまずやらなきゃいけないことがある。
フレームを測定して、レンズをどういう形に削ったらいいか決めなきゃいけないのだ。
昔はそういうのも手作業な職人仕事だったようだが、今はもう違う。

研磨機にまずレンズの入ってない素通しのフレームを入れてボタンを押すと…
「機械ってすごい!」とざっくりとした感動に包まれる瞬間。
「機械ってすごい!」とざっくりとした感動に包まれる瞬間。
研磨機内の金属のピンが、フレームの内側をウィーン…ってなぞり始めるのだ。
十数秒ぐらいでピンがフレームの中を一周し、終わるともう片方のフレームの内側もウィーンってなぞってトレース完了。
時間は両目でおよそ30秒ぐらいかかっているが、「うわー、なんかなぞってるなぞってる!」と興奮している間に終わってるので、実質、あっという間だ。たぶんこれ慣れてもいつまでも興奮できるタイプのやつじゃないか。
星形とか「2001」型みたいな悪ふざけメガネもこんな感じで作ってるのかな。
星形とか「2001」型みたいな悪ふざけメガネもこんな感じで作ってるのかな。
するとご覧の通り、モニターにフレームの形がきっちり入力完了されるという仕組み。
ちなみにフレームのないタイプのメガネの場合は、ダミーのレンズを設置して外側のフチをなぞることで、トレースするそうだ。
レンズのきっちり中央を固定しないと、使い物にならなくなるそう。
レンズのきっちり中央を固定しないと、使い物にならなくなるそう。
そしたらレンズを研磨機にポン。(実際にはちゃんとズレ動かないように専用の器具で押さえつけてる)
スイッチをピッで研磨スタートだ。
中で水しぶきが飛んでいるのは、レンズが摩擦熱で焦げるのを防ぐために流されている冷却用の水。
中で水しぶきが飛んでいるのは、レンズが摩擦熱で焦げるのを防ぐために流されている冷却用の水。
研磨機の中で砥石とレンズが回転しながら擦り合わされると、チルチルチルチル…という音と共にレンズの形がみるみる変わっていく。
さっきまで完全な円盤だったのが、1分もしないうちにレイバンのサングラスみたいな形になっているのだ。
研磨機の内部はこんな感じ。
研磨機の内部はこんな感じ。
ちなみに研磨機の中には、ガラスレンズ用の粗砥ぎ、プラスチックレンズ用の粗砥ぎ、フレームにきっちりハマるようにフチに凸を削りだす砥石、仕上げ研ぎ、の4種類の砥石が並んで配置されている。これも自動で使い分けてレンズを削ってくれるわけだ。

で、これでレンズ完成!かと言うと、そうじゃない。
上の四角い桶はなんだと思ったら、ここに溜めた冷却水を流しつつ削るスタイルだった。
上の四角い桶はなんだと思ったら、ここに溜めた冷却水を流しつつ削るスタイルだった。
機械で削ったレンズはフチが非常に鋭くなっており、指で触れるとスパッと切れてしまうこともあるのだ。目の近くにそんな鋭利なものがあるって、怖すぎる。
そこで最後は手作業でちょっとずつカドを丸めるように削って仕上げて、ようやくレンズが完成するのだ。
ここまで来たら、もうほぼほぼメガネだ。
ここまで来たら、もうほぼほぼメガネだ。
実は最近のメガネ販売店に入っているような機械であれば、普通に加工前レンズ入れてスイッチ入れて…で、この仕上げ行程まで完全自動で行ってくれるらしい。
しかしここはあくまでも技術を学ぶ専門学校。機械がやってくれるとはいえ、レンズを手で削る技術は継承する必要があるということで、仕上げまではやってくれない形式の研磨機を使って実習しているとのこと。

ただ、聞いた話だと、この実習はレンズの細かい削りカスが水しぶきと一緒に服に飛んできて汚れるので、ちょっと不評だそう。教師側も生徒側も、なるほどだ。
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