ちょっとかっこいいキャラクターがやっている
晴れた昼下がりの河川敷。子どもたちは野球の試合をしているのか、「行ったぞー」など、威勢のいい声が聞こえてきた。犬の散歩をしながら知り合いと話すおばさん、レジャーシートを敷いてお弁当を食べる家族など色々な人たちがいる。
そんな中、私は本を読むことにした。いつもなら雑音に聞こえる音も良いBGMになる。風も心地良い。
ちなみに半そでを着ている人は周りに誰もいなかった。野球少年さえも。
ページを進めるにしたがって、陽気のせいか少し眠りたくなった。目を閉じながら本の余韻を楽しむ。本のにおいもする。
河川敷でトドが打ち上げられたわけではない。
だめだ、もうかっこよくならない。被写体が悪い。少し雰囲気のある文章で初めて見たが、もうだめだ。
しかし、やりたいことはこんな感じである。ドラマなどで見たことがないだろうか。イケメンがやっていて、女の子に起こされるやつだ。実際は犬の鳴き声で起こされた。これが現実だ。
これがやってみると意外といい。カーテンから漏れ出る木漏れ日ほどの光は入ってくるが、それが気持ちよく、普通に寝るよりもリラックスできる気がするのだ。起きた後に広がる風景もどこか新鮮に感じる。
生まれ変わるかもしれない。
あまりにも気持ち良かったので色々な本で試してみたい。まずは本を探そう。
世の中に本、ありすぎませんか?
「128,864,880冊 」。この数字は2010年にグーグルが調査した「世界にある本の数」である。6年経ったのでもっと増えているだろう。多い。この中から選べと言われたら何年かかるのだろう。ただ、身の回りに目を向けても本の数は多い。家の机の上を見たところ、
多い。年末に片づけないなら全部捨てろと言われているところ。
余談だが、昔からのクセとして、いい本を読むと途中でその余韻を楽しみたくて、布団の中に1度隠したり、寝たりすることがある。その行為の始まりはエロ本だったが、今では普通の本を読んでいてもする。
こんな感じ。動物が自分の巣穴にエサを持ち込むのと似ているかもしれない。
友人に聞いたら「奇行だね(笑)」と普段はつけてこない(笑)にちょっと引いていることを感じたが、大丈夫だろうか。これをきっかけに友人を減らしたくない。
家にある本から選んでもいいが、河川敷に読むのにいい本を探すため古本屋が多くある神保町へ行った。
神保町で集めし本たち
人が多いと思ったらまつりをやっていた。露天にも古本だらけ。
駅を降りたとたん、人が多いことに気付く。神田古本まつりが行われているらしい。どうやら全国の読書家がめずらしい本を求めて、神保町へ集まっているようだ。、行きたい方向へ行けないほどの混雑にやっとの思いで目的の場所へ到着。
ここが今回の目的地。観光案内所である。
ここは普通の観光案内所と違い、どこにどのような本があるのかを教えてくれるのだ。ここで「頭が良さそうに見える本」「青春を感じられる本」がある本屋を教えてもらいそこに向かった。
印をつけてもらったところに行ってみる。
紹介してもらったところに1つに芸能人の写真集やアルバムを置いてあるお店があり、アイドルの写真集もあったのだが、目の前にすると恥ずかしさがこみ上げてくる。想像してほしい、開いたページには芸能人がいて、それを目の上に乗せているのだ。にやついている自分が容易に想像できる。それは変なことをしている恥ずかしさではなく、恋愛に近い恥ずかしさだ。これはこっそりやろうと思った。
そうして、買ってきた本たちを読みながら、寝てみようと思う。
読み方がわからない本を見ると「高そうだ」と思う。
ヘーゲル哲学で絶対者の哲学を学ぼうとした
哲学書が多くそろえてあると紹介され、哲学書を購入。
紹介された書店さんには色々な哲学書や現代思想の本が置いてあった。どれにしようか迷う。目に入った「ヘーゲル哲学の基本構造」を購入することした。基本構造なのだからきっと簡単だろうと思ったのだ。
大学のときにこんな本を読んだかもしれない。
「絶対者」の哲学であり、絶対者の「哲学」であるってなんだよ!
最初の導入部分でざせつした。意味がわからない。同じことを2回言っているので「大事なことだから2回言いました」という意味かもしれないと思ったが違った。弁証法という記載に「なんか知っている気がする」と思った以外は難しい。
ちょっと失礼しますよ。
よっこらせっと。
先ほどの新書を乗せたときよりもかなりの重さを感じる。その重さが目じりとほほ、を刺激してくるが、けっして、嫌ではなく心地よさがある。しかし、時間が経つほどにその重さが段々と邪魔になってくる。目隠しをする道具としてはやはり重かった。
また、風が通りにくいのか、先ほどまで感じていた風の冷たさがない。防風をしているようで暖かい哲学書を読むと眠くなりやすいので、重さが気にならないのならおすすめ。
本が顔にジャストフィット。
初めて洋書を読んだかもしれない
続いて買ってきたのは洋書である。今、一般的な本屋でも洋書を置いてあるところがある。日本全体が英語への意識の高まっていることを感じるのと同時に高校時代に赤点を取った自分には絶望を感じる。
この本を選んだ理由は「Love Machineだ!モーニング娘。だ!!」となったからだ。
中身を読んでみると、簡単な英単語で構成されているのはわかる。だが、英語を読めても、その意味が出てこない。勉強しなかったときの英語の期末テストを思い出す。
調べても出てくるものが全て英語だ。読めなすぎて心が折れた。
体型がもう少しやせていれば、かっこいいかもしれない。
英語の力がすごいのか、少し知的に見えなくもない。英語に詳しそうだ。乗せた感想としては、哲学書よりも紙質とページ数が少ないため、光が入りやすいが寝にくさを感じない。少し軽いので少しでも動くと落ちそうな気はする。ただ、メリットとして、寝ているところを見られても恥ずかしくないのがとてもよい。
あの伝説のマンガ雑誌「ガロ」
神保町を歩いていると、露天の古本屋で珍しい本を見つけた。
ガロだ。初めて見た。
1964年に創刊し、休刊、復刊を繰り返しながらも2011年まで続いた雑誌である。そこで書く漫画家の方々はガロ系と呼ばれ、独特の画風を持つ、天才や鬼才を生んだマンガ雑誌だ。
友情やバトルみたいなものは一切ないが、人間の心の葛藤や、不条理なギャグなど、今読んでも、古さを感じない。面白いマンガばかりである。
外で読むマンガも粋で楽しい。
この人は何も考えていないけど楽しそうだし、ハンバーグが好きそう。
わら半紙のような紙質。顔全体をおおいかぶせられるのに重くない。この日、風が強かったのだが、飛んでいきそうになった点、大きさから生まれる少し息苦しさを感じる点がマイナスポイント。
昔の時刻表の寝やすさに心ときめく
時刻表を見て旅に出たことがないが、見ているだけでわくわくする。
青春を感じる1冊として買ってきたのは、時刻表である。今ではスマホの乗り換えアプリがあるので、一般的には使われなくなったかもしれない。
もし今でもあるなら行ってみたい。冷水装置が気になる。
地元である東海道線の藤沢もあった。
昔、旅館の広告や電車の路線状況など色々と見るだけでも楽しい。旅行に行きたくなる。目を閉じるどんな旅行に行きたいのかプランを考える。これも楽しい。
旅行に行きたい。
時刻表を使用すると、旅へのイメージが強くなる気がする。遠足の前日のようなわくわくがある。ま
た、軽さは新書に比べるとないが、それでも良く寝れそうだ。
家にあった百科事典
百科事典って読みことないよなー。
1回寝てみるか。
………………。
うっ…。
重い!
とにかく重い。巨人の足に踏まれたようである。いい夢はきっと見れないと思う。
色々と試してみて、重い本以外はおすすめである。おしゃれに見えるのは洋書なので内容がわからなくてもいいのなら1番いいかもしれない。
河川敷で読書を趣味にしたい
「読書が趣味」と言うとありきたりだが「河川敷で読書が趣味」と言うと、かっこいい。今度から趣味をこれにしようと思う。他に何もないので集中できるし、眠くなったら寝る。いい趣味を見つけた。