特集 2016年9月10日

犬の散歩で全世界注目の「チバニアン」の地へ!

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犬の散歩をしていたら、すごい所にきてしまった。

いま全世界から注目されている、地球の歴史に名を刻むほどの重要スポット「チバニアン」の場所である。
多摩在住のイラストライター。諸メディアにおいて、フマジメなイラストや文章を描くことを専門としながらも、昼は某出版社でマジメな雑誌の編集長をしたりするなど、波乱の人生を送った後に、新たなるありのままの世界へ。そんなデイリーポータルZでのありのままの業務内容はコチラを!(動画インタビュー)

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ってことで、犬の散歩をしていたら
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こんなところに来てしまった。
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地球磁場逆転期の地層。地球?磁場?逆転? なんかやべぇとこ。いま地球は北にはN極、南にはS極って感じになってると思うが、なんと昔、地球のN極とS極が逆だったようなのである! で、その事実を現す地層がこんな千葉のこんな地にあるようなのであった!!!
…正直マクロすぎてピンとこないけど、すごいことなんだね。
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N極・S極と言われても、「ごっつええ感じ」の放課後電磁波倶楽部のN極くんとS極くんが浮かんでしまうのは、昭和テレビっ子の悪い習性だが、
ちなみにココはいわゆる養老渓谷ってところ。で、まず会館もあったりしたのだが、そんなすごい場ゆえに、当所の
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いろんな紹介掲示もされていた。それによると、ココがあらためて世界的にオフィシャルに認められるとなんと、
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千葉時代(チバニアン)と地球史に名を残すことになるわけである。新聞にもチョー載っているのだが、
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つまり「ジュラ紀」「白亜紀」「カンブリア紀」に並ぶ、余裕で教科書に載るようなレベルの言葉として、チョー地球の歴史に残るようなことになるわけである!
すげぇ。興奮する。千葉の時代とはなんとも壮大であるが、でも千葉という言葉が入ると、正直なんかダサい。それにチバニアンっていうのも、妖怪のジバなにがしとと、千葉のチーバなにがしが合体した
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こんなイメージもある。でもこの際ぜひそうなってほしい。さらにココには、
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日本とイタリアの国旗が掲げられていた。僕的にはサイゼリヤ?感を感じてしまったが、そうではなかった。その理由はというと、どうやらイタリアにも同事実を現す地層が見つかっており、2016年秋の万国地質学会議で、どっちかに決定するようなのである。熱すぎる。
そしてさらに
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千葉時代への階段。と、写真付きでそのならわしも説明されていた。
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リッチモンドさんがいろいろ当地を調査してくれたらしい。ありがとうリッチモンドさん。そして最後には
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この会館で打ち上げもしたようである。この画像はマストなのだろうか。でもいずれにせよ、そんなすごい所に来てしまったのである
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犬の散歩で。そんな重い場所にすごい軽い感じでね。ちなみに僕の地質への興味はというと、受験生時代に、文系受験でセンター試験のためだけに理科は地学を勉強した「場当たり的詰め込み地学」くらいのものである。ボキャブラリーとしても「モホロビチッチ不連続面」くらいしかない。つまり興味ない。
そしてわかりやすい注意書きも。
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よく見たら「長靴で」と。マジかよ先言ってよ。
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すごく伝説の地図的というか、金田一とかの推理漫画のそれのような。どうやら道中数々の難所があるようで、わりと危険っぽい。でもRPGっぽくて燃える。
では目的の地へ向けて、散歩いってみよう!
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そんな地にて、
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犬の散歩開始。すごい所であるが、あくまでもも的には、普通の散歩。
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ちなみに植物が
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ボケだった。つっこまねば。
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キレイな景色ねぇ~うふふ。
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キレイな景色ねぇ~うふふ。と、普通の散歩。牧歌的。そしてももは
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道端の草に夢中。こんな場においてもあいかわらず意味不明なものに興味を示す彼ら。緊張感ゼロ。
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そして散歩を進めていくにつれ、
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目的後に向けて、どんどんテンションも高まっていくが、道中は突然
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下り坂に。すげぇ坂。これあとで戻るのか。萎える。でももも、散歩テンションが上がって
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どんどんダッシュで駆け下りていく。もも、ちょっと待ってよ。なんなの犬。
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ドタドタしながら進んでいくと
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怖い建物が。
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でもスルー。そして
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もも掻いている。一休み。この犬、自由すぎる。
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そして誘われるままに進んでいくと、あからさまに
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注意と。さすがに犬にも戦慄が走っている模様、たぶん。道路にも水が湧き水的に流れているが、その先にはさらなる
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水のせせらぎが! おぉ、渓谷っぽい! 山の中っぽい! ロードオブザっぽいいい絵。テンションあがる。
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が、ももにはまだ自覚はない模様。
そしてついにはまた掲示があり、
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!!
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すべっても!ころんでも!自己責任と。良い方程式。より危険度も露骨になってきて燃える。
でもまだまだ進んでいこう!
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そういや先ほどの伝説の地図には、
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「けもの道」と書いてあったが、
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まさにこれけもの道だ。けもののももは颯爽と進んでいく。さすがけもの。
そして確かに
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危なっかしい階段が!
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また事故っても自己責任と警告をしてくれている。しかしこうも自己責任を突きつけられ続けると、まるで入社時の会社の研修のようである。
そして舗装などはされていないネイキッドな道。
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竹藪などの無造作な植物が障害物となるとともに足場もどんどん悪くなってくるが、ももは散歩のアトラクション性が上がって、散歩テンションも上がりドンドン降りていく。ももちょっと待て、あぶねぇコケる。
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すると大きな川の流を感じさせる水音が。
そして、そのまま階段を降りきり、視界が開けたところ、
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チョー川が!! すげぇ!!
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まさに渓谷、マジ養老。かなり、っぽい所に来た。なんともまるでロードオブザのロケ地のようである。ちなみにさっきから行ってるロードオブザとはロードオブザリングの略である。
そして足元の地面を見ると
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泥の層。すべる。砂鉄もむき出しに現れている。
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日常のコンクリートジャングルでは味わえないなかなかの地層感。で、どうやら今は幸い水が引いているようで、長靴でなくても歩ける!!ラッキー!
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ももも散歩のスリリング性が上がって、散歩テンション上がってどんどん進んでいく。
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ももちょっと待て、すべる、あぶねぇコケル。と、ももにひきづられていく形で進んでいったところ、
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ついに散歩の途中に、待ち望んだすごい地へと、たどり着いてしまったのであった!
それがこちら!
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それがこれだ!
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おぉ!!
露頭!! 露頭とは地層がむき出しになっている所の意。そうこれ、なんかニュースでやってた!
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なんかすげぇテンション上がる! そして、そこに看板があったのだが
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まさにこの地が、歴史的事実が示されている、全世界注目の驚異の地! ワンピースでいうところのラフテル並みの地!(詳しくはワンピースを全巻読もう!)
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犬の散歩で、すごいところに来てしまったのであった! やったぁ!!
と、まさに歴史の証人になれたわけだが、もも肝心なココでは水が怖いのか、
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テンション下がり気味。世界が注目する重大な地にいる認識はない模様。そしてその場には
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さらに危なっかしい階段があり、
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さらに自己責任にゆだねられている階段があり、かつてない自己責任モードで上っていくと、よりそのネイキッドな露頭のリアルを
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チョー間近で見れたのであった! それがこちら!!
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!! 赤の杭の層は、現在の磁場を! 黄色の杭の層は、ふらふらの磁場を!緑の杭の層は、現在と逆転している磁場を!表しているのであった!
へぇ~。 下の緑の杭の層のほうがもちろん昔なわけだが、ココから地球史的にやばい事実を表すものがたくさん見つかったわけなのである! 興奮するわね。
ちなみに、イタリアに勝ってこの千葉の地に決まったら、金色の杭が打ち込まれることになるらしい。シンボル的にわかりやすいね。勝手に打ち込もうと思ったけどやめた。
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しかしよくこんな千葉のヘンピなところでこんなすごいものあるって見つけたねぇ、と感心してしまう。
いろいろあったのだろうが、どうやらここは丘的な地形でありながらも渓谷になっていて、過去の地層がむき出しになりやすく、他にも古代のトドが見つかったりと要チェックされやすかったようなのである。たぶん。
ちなみにそんな場で、ももとウロウロしていると
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謎のおじさんが突然現れ、説明し出してくれた。現在もシベリアの方に磁場は進んでいるなど、興味深い話を聞かせてくれた、が、ももはおじさんの説明よりも、おじさん自体に夢中であった。

…というわけで、全世界が注目しているこの事態、ぜひ千葉が認められて千葉時代(チバニアン)が歴史に刻まれるように、みんなで千葉を応援しましょう。
もし千葉にならなかったら、ただの散歩しにくい崖に散歩に行っただけ、になってしまうので。どうぞよろしくおねがいいたします。
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ちなみに、もも的にはなんの自覚もなく、ただの散歩だったようであった。まぁそうだろうね。でもまぁ喜んでるのでヨシとしよう。
ではまたおやすみなさい…。

はい。以上いかがでしたでしょうか今週の「犬は散歩の何がそんなに楽しいのかよくわからない」。みなさんもそんな千葉に思いをはせていただけたら幸いです。ではまた失礼いたします。
 帰り道、もも、坂を戻ってくのに疲れたらしく、結局モバイルで運ぶ。
帰り道、もも、坂を戻ってくのに疲れたらしく、結局モバイルで運ぶ。
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