特集 2016年8月9日

ソースは下の方がうまいんじゃないか仮説の実証

アンダー・ザ・ソース。味は下に集中させるべき、という提案。
アンダー・ザ・ソース。味は下に集中させるべき、という提案。
皆さんは、揚げ物の上からダーッとソースをかけるだろう。
でも、疑問に思ったことないか。本当にそれでいいのか。ソースが上でいいのか。
フランス料理で、まず皿の上にソースを敷いて、その上から料理を置いたりするやつ。あれ、見た目以外にもなにか理由あるんじゃないか。
たとえば、あのほうがソースの味がダイレクトに舌に当たって、味が良く分かるんじゃないのか。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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まず味が舌に当たった方が美味いはず

冒頭でフランス料理どうとか言ってみたけど、実はきっかけはこれだ。
ローソンの『てっぺん盛り直火焼きさけハラミ』おにぎり。うまい。
ローソンの『てっぺん盛り直火焼きさけハラミ』おにぎり。うまい。
ローソンのおにぎりで、具がごはんの外に出ているやつ。これが好きで最近ちょくちょく食べている。
普通のおにぎりと何が違うのかと言うと、具が外にあるから、かじった瞬間にもう具の味がするのだ。
普通のおにぎりは一口目はごはんの味しかしないので、ちょっと寂しい。でも、これなら一口目から具の味もする。
これや。新しいソリューション発見の瞬間。
これや。新しいソリューション発見の瞬間。
味を感じるのは、舌の表面である。そこに味のするものが触れるから、味を感じるのだ。
ならば、まず味のする部分が最初から舌に触れるようにしてやると、一口目からもっと美味しくなる食べ物が作れるのではないか。

たとえば、こういうやつだ。
ライスの下にカレールーがある方が正しいのではないか仮説。
ライスの下にカレールーがある方が正しいのではないか仮説。
一見、カレーが上からかかってる方が、カレーを濃く味わえそうな気がするが、そうではない。
普通のカレーをスプーンですくって食べた時、最初の一口目が「あー、ごはんの味だな」と感じた事はないだろうか?
あれ、口に入れた時にカレールーではなく、ルーのかかってないごはんが舌に乗ってしまうからから起きる現象なのだ。たぶん。
イメージとしてはこんな感じ。ルーが下の方がダイレクトに舌で味わえるはず。
イメージとしてはこんな感じ。ルーが下の方がダイレクトに舌で味わえるはず。
ルー下・ライス上のカレーであれば、スプーンですくって口に入れたときに、ごはんよりも先にルーが舌に触れるはずだ。
写真左がルー下、右がルー上。これだけのことで変わるのか。
写真左がルー下、右がルー上。これだけのことで変わるのか。
どうだろう、これ。
普通のカレーと食べ比べてみたら、きっとはっきりするはずだ。
ルー下、初体験の感じ!ルー上はお馴染み感のあるやつ。
ルー下、初体験の感じ!ルー上はお馴染み感のあるやつ。
食べてみると、やはり思った通りだ。味の流れというか、順番が違う。
まず、カレールーの味がガツンと来て、次にそれを緩和するようにごはんの味が降りてきて、混ざる。思った以上に新鮮な体験である。
ルー上タイプは、知ってる味だ。いや、美味いんだけど、まぁ、いつものカレーの感じ。

で、ルーを下にすることで美味くなってるというかというと、そこは微妙。最終的には全部混じった味になるので、結果としてはまぁ一緒だろう。

お寿司も下でいいのではないか

まずごはんの味がする食べ物と言えば、寿司もそうだ。
にぎり寿司の一口目のインプレッションはだいたい醤油+酢飯味で、口の中で咀嚼しているうちに、ようやくネタの味が混ざり合ってくる。あれ、なんか食べ物としておかしくないか。
寿司の何が悪いかというと、この状態で出てくるのが悪いのだ仮説。
寿司の何が悪いかというと、この状態で出てくるのが悪いのだ仮説。
もちろん、本式に手で食べるなら、まずくるっと寿司を裏返し、ネタ側を醤油につけてそのまま食べることもできるだろう。
しかし、箸ではそれはなかなか難しい。
ネタに醤油つけたいつけたいと思いながらも、結局は箸先から寿司が崩れないように、もじもじしながら酢飯側を醤油皿につける。で、醤油酢飯の味で魚を食べているのだ。
それはそれでいいんだけど、でも、醤油のついた魚の味で酢飯を食べた方が美味しそうな気がするだろう。

ということであれば、最初からこの状態からスタートするのが正しいのではないか。
とてつもなく悪いことをしている感はあるが、でも、これが正しいはず。
とてつもなく悪いことをしている感はあるが、でも、これが正しいはず。
これなら、箸でつまんで、そのままネタを醤油皿に漬けられる。さらに、そのまま口に入れれば醤油味のネタが舌に乗るはずだ。
つまりこれが、正しい寿司である。ビジュアル的に罪悪感すごいけど。
箸で寿司を食べる時、どうしてもネタに醤油がつかないとお嘆きの方に。これ正解。
箸で寿司を食べる時、どうしてもネタに醤油がつかないとお嘆きの方に。これ正解。
微妙な顔芸でお送りしています。
微妙な顔芸でお送りしています。
写真の表情では分かりづらいかもしれないが、ネタ下は「あっ、すごい魚の味がしてる」とじっくり味わっている顔で、ネタ上は「うん、いつもの味」と納得している顔だ。

やはり、最初に醤油のついた魚の味を舌で味わうと、刺身を食ってる時と同様の、タンパク質の旨味とかそういうのがはっきり感じ取れる。で、その旨味で米を食う。
これはどう考えても、寿司は裏返しがいい。

揚げ物アンダーザソース

さて、最初に例に出した通り、揚げ物の上からソースはどうなのか。
これが我々の知っている揚げ物。正当派ミックスフライ状態。
これが我々の知っている揚げ物。正当派ミックスフライ状態。
見た目的には、これがとても落ち着く。ソースがちゃんと衣に染み込んでいるのが見た目で認識できるので、食べる前からほぼ口の中がソース+コロッケとかエビフライの味になっている。
実際に食べるのは、その味の再確認行為でしかないのだ。
これは落ち着かない。安心できない。
これは落ち着かない。安心できない。
対して、ソースを下にした揚げ物は怖い。本当にソースの味がするのか、見た目で担保されていないのだ。もしかして、ソース味がしなかったらどうしよう。不安だ。
しかし、こちらの方が、まずソースが染みた面が舌に乗るはずだ。
コロッケ、ソース下はくわっと目を見開くほどの濃いソース味。ソース上は「あー、はいはい。いつものヤツね。はいはい」という味。
コロッケ、ソース下はくわっと目を見開くほどの濃いソース味。ソース上は「あー、はいはい。いつものヤツね。はいはい」という味。
ソース下、マジかというぐらいソース味が濃い。これ、ソース好きには至福の味わい方だろう。
というか、ソース味が濃すぎて、コロッケ自体の中身の細やかな味とかそういう部分はふっとんでしまうぐらい。
例えば、コロッケをおかずにがっつり白米を食べたい時は、ソース下がいいと思う。たぶん、ごはんの量が1.5倍ぐらい食べられるんじゃないか。
エビフライ、ソース下がやたらと侘びしい。
エビフライ、ソース下がやたらと侘びしい。
対して、エビフライ+タルタルソースのソース下は駄目だ。
なんというか、いつものソース上を食べた時ほどの満足感が得られないのである。
エビフライに乗らなかったタルタルソースの残骸。つらい。
エビフライに乗らなかったタルタルソースの残骸。つらい。
それも当然で、タルタルソースが下だと、ピクルスや玉葱などソースの具がエビフライに乗ってないのだ。全部、皿に落ちている。
マヨネーズ味はフライの衣に染み込んでいるので、とりあえずは食べられるのだが、タルタルソースが不完全。これはつらい。
タルタルソースは、上で。それは100%間違いない結論である。

ソース下方式であれば、だいたいは通常よりソース味をはっきりと味わい取れることは確認できた。
ところで、寿司も裏返してネタを下にした方が正しいということは分かったのだが、でも、これが一般的な食べ方にはならないだろう。
とにかく、寿司を裏返す行為の罪悪感が半端じゃないからだ。今回も、一つ一つ裏返しながら「うわー、怒られる怒られる」とビクビクしていた。誰に怒られるというのか。
寿司裏返し中。犯罪行為かというレベルでビクビクする。
寿司裏返し中。犯罪行為かというレベルでビクビクする。
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