書き出し小説大賞 第102回秀作発表

まずはお知らせ！来る７月１４日、書き出し小説単行本「挫折を経て、猫は丸くなった」刊行記念イベントが、神楽坂のラカグで行われます。ゲストは本サイト主宰、林雄司氏と注目の若手落語家の立川吉笑氏、落語と書き出しがどんな化学変化を起こすか、ぜひ目撃してください。詳細はこちら！

単行本もおかげさまで好評です。地方までは行き届かないかもしれませんので、よろしければこちらから。ありがたいレビューもたくさんついてます。

それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう！

xissa氏「音だけ～」音はこんなに近いのに。見れない花火は空襲に似てる。五月雨のパンツ氏「この顔～」読み手それぞれに「この顔」を想像して欲しい。タクタクさん「正午の～」まるで一枚の写真にとりこまれた気分になる不思議な作品。豆ん棒氏「７月の～」読後まず「はよ仕舞え！」のツッコミが浮かぶ。g-udon氏「正史～」逆に月経じゃないのが不思議。Mch氏「ゴスペル刑事～」いいキャラさえ立てれば、ストーリーはおのずと生まれて来る。うにねこ氏「赤味噌～」こんな知識のために犠牲になった脳細胞を返してほしい。ボーフラ氏「オセロが～」なんだろう、このバカ微笑ましさは。ヘリコプター氏「名人は～」名人の領域は凡人に理解できない。雨の日は寝る氏「溺れた～」この作品のためだけに「こんな恩人はイヤだの」コーナーをつくりたい。muddom氏「お互い～」書き出しに必要な予感、設定、驚きをすべて備えている、うなるしかない完成度。

続いては規定部門、今回のテーマは「変身」であった。一行の書き出しがあなたを変える！

俺スナ氏「変身する前～」精神的葛藤はむしろ変身前にある。吉田髑髏氏「変身と叫び～」逆ライザップ？長谷川町工場氏「この時は～」もっとも多かった変身中ネタでいちばん切れのいい作品でした。松っこ氏「タヌキの～」そっちかい！けー氏「離婚して～」苗字といっしょにランクも戻った。八王寺義昭氏「寄せ木細工～」かつてこれほどまどろっこしい変身過程があっただろうか。今回３本採用のg-udon氏、東ことり氏、短いながらどれもモチーフを真芯でとらえたヒット作。キハダイエロー！は声に出して読みたい。

それでは次回のモチーフを発表する。

本日は参議院選投票日。発表は二週間後になってしまうけれどタイミングもいいので「選挙」にした。なにかとドラマの予感に満ちたモチーフである。投票、演説、出馬、立候補、だるま、１８歳……選挙にまつわるネタはたくさんあるだろうし、国の選挙以外にもクラスの学級委員、AKBなどいろんな選挙がある。悲喜こもごもの感じられる面白い作品が集まりそうな気がする。締め切りは７月２２日正午、発表は２４日を予定している。下記の投稿フォームより自由部門、規定部門を選んでお送りください。力作待ってます！

最終選考通過者

グッドウィルハンティング/ら＋/卯村/もんぜん/にゃーごろ/Yuzie/三叉/井沢/アメリカンざりがに/柴咲ハコ/山本ゆうご/マークパン助/きょうこ/prefab/ハルカ/八重樫/小野芋子/Q/夏猫/こらん/プレミアムバザー高田/青兜/ぴすとる/ocamo/merumo/九官鳥級艦長/コンパスゼット/無労士