ふとんではなく衣類圧縮袋を購入
ふとん圧縮袋ではさすがに大きすぎるので、衣類用のものを購入した。そもそもスタート地点でまちがっていたのかもしれない。
※すでにまちがいを認めてしまっている
それでもなかなかの大きさ
吸引力ではトップクラスの掃除機により期待度がふくらむ
マシュマロだけでは絵的にさびしいので、ほかにも用意した。圧縮に適していそうな食材選びだ。こういう選択方法は初体験である。
今となってはなぜ椎茸を選んだのかわからない。干し椎茸の印象だろうか。
トラブル1 掃除機がこわれる
最初に食パンを袋の中央に入れ、掃除機のスイッチを押した。およそ5秒で止まってしまう。
ゴミが溜まっているのか、コンセントが抜けていないか、散々調べたがビクともしない。反抗期のようにガンとしてきかない。ようするに、ハイ、壊れましたー。
ハンディ掃除機をクローゼットから引っ張りだして応急処置。
トラブル2 吸ってる気配がない
ごらんの通り、空気を抜いている気配すらない。ただ轟音が鳴り響いているだけだ。袋を代えてみたが同様だった。意地になっているうちに、なんだか自分が不憫に思えてくる。
これは袋に欠陥があるんじゃないか? 欠陥商品なんじゃないの! むなしくなってきた。
!!!!! 掃除機用じゃないんじゃないの!?
掃除機で吸うばかりが圧縮袋ではなかったのか! 今さら気付いても遅いが、ここまできたのだから見本通りにやるしかない。
ひとつひとつ、ていねいに空気を抜いていくのだが……。
空気が抜けている気配は皆無ながらも、なんとか一連の「丸めてつぶす」行為は終了した。
だったらもう、めん棒で押しつぶせばいいじゃないかとか、うどんのように足で踏めばいいとかそういった意見も聞こえてきそうだが、わたしはすでに意地になっている。なんとしても圧縮袋を活用したかった。
意地のかたまり。丸めた痕跡が痛々しい。
救世主(たぶん)あらわる
なにが敗因かわからないまま、惨敗でこの記事はお蔵入りしようとしていた。
そこで思い出したのである。
海外サイトで見た動画。真空タッパーに入れたマシュマロが、いきなり固形化していく様子を。
アレだ! アレをやろう!
上の部分を上下させて空気を抜き真空状態にする。
真空保存容器バキュームセーバー。このネーミングに高揚するが、圧縮袋の時だって同じだった。油断は禁物だ。
さっそくマシュマロをブチ込んでみよう。
パステルカラーのかわいいらしいカラーが失敗を予測させない。
シュポシュポシュポ……!
あれ……。
予想外の展開に恐れおののく。顔は笑っているが、人は予期せぬことが起こると思わず笑ってしまうものなのだ。
大きくなってる……。なんなの。
トラブル3 マシュマロが大きくなった
おいおいおい……まったく意味がわからない。空気を抜けば、その分マシュマロ内の空気も抜け、小さくなるのではないのか? 狐に化かされているような妙な心境だ。
そしておもむろに空気を戻した動画がこちら。
ああああーーっ! という間なので、瞬きをせずにごらんいただきたい。
ちょ、この現象はなにごとだろうか。
わたしはもう一度、件の海外動画をさがしあて再生してみた。
「アラー!」
その動画はまさに上記と同じ。真空タッパーで大きくさせたマシュマロを、瞬時に小さくさせる映像だったのだ。わたしの脳内で勝手に変換されていたのだろう。
現実はわかった。この目でしかと見た。しかしどうしても脳みそが解せないと叫んでいる。バカでもそれなりに、納得したい気持ちはあるのだ。
理科の先生に訊いてみよう
とにかくわたしではお手上げ状態なので、理科の先生でありライターの加藤まさゆきさんに訊ってみた。
「登山するとポテトチップの袋などがパンパンになるのと同じです。気圧が下がって、マシュマロの中の気泡がふくらむのだと思います」
マシュマロは意外にも空気を密閉しているモノだったのだ!
ほかでも試してみる
ポテトチップス。変化なし。
たらこ。変化なし。
あぶらげ。変化なし。
わたがし。変化なし。
はんぺん。ふくらんだ! 大きくなった!
マシュマロほどではないが、慎ましく元に戻った。
加藤まさゆき先生がおっしゃっていた「ポテチの袋」はさすがに入れられないので、そのコンパクトバーションを入手した。そう、梅干しである。しかもちょっとスカしたやつだ。(……といってもコンビニだが)
通常の小袋入り梅干し。なんか、情けなくもあるな。
パンパンにふくれあがった! 見たか、これが気圧だ! 貫禄まである。
理科の実験はたのしい
期せずして、後半は理科の実験のようになってしまった。小学校のときの授業はテキトーにふざけていた気がするが、大人になり自ら積極的に行う実験はいい。期待とずれていてもそれなりに充実感がある。
この結果は誰かにとって「あたりまえ」かもしれないものの、わたしにとっては大いなる発見でありコーフンした。
しかも予想を覆す発見。そりゃ楽しいに決まっているだろう。