特集 2016年7月8日

スクランブル交差点の外国人旅行客に交差点の魅力を聞きたい

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近年、海外からの旅行客が増え、都市部で生活していると毎日多くの訪日外国人を見かけるようになった。彼らは楽しそうに写真を撮っていくが、そこで暮らす私達は見慣れてしまい、その場所の面白さだったり良さは忘れてしまう。

自分にとって、渋谷の「スクランブル交差点」はそんな場所のひとつだ。

初めて見た時は「テレビでよく見る場所だ!」と喜び写真を撮ったりしたはずなのに、今では「ただの交差点なのに、なんでみんなこんなに楽しそうに写真を撮っているのだろう!?」と思ってしまっていた。

結論を先に言ってしまうと、スクランブル交差点で写真を撮る外国人旅行客に話を聞いてみたら日本の良さ、そしてスクランブル交差点をはじめて見た時の気持ちを思い出すことができた。
1986年生。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。(動画インタビュー

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渋谷と言えば世界的にも有名な巨大都市。新宿、池袋と並ぶ3大副都心の一つであり、そんな東京のランドマークでもあるスクランブル交差点は、1回の青信号で多い時には約3000人が通行するといわれているんだそうだ。

そんなスクランブル交差点は確かに日本の象徴として取りあげられることも多く、大掛かりな機材を用いて交差点を撮ってる人もよく見かける。

強力な助っ人

そんな外国人旅行客に話を聞いてみたいとは思っていたのだが、自分自身の英語力が拙すぎて気持ち的に踏み切れなかった。その英語力とは、旅行に行く際に飛行機で水を頼もうとしたとき、うまく発音できず喉の奥からやっとひねり出した「water」の発音があまりにひどく、家族に「ヘレンケラーかよ!」とつっこまれたレベル。訪日外国人に話を聞くなんてとんでもない……と思っていたところ、今回助っ人を紹介していただき実現することに。英語パーソナルトレーナーのmeglishさんだ!
白がまぶしいmeglishさん
白がまぶしいmeglishさん
meglishさん(@megleam)は英語を教える講師であり、執筆家でもある。笑う英語トレーナーというだけあり太陽のように明るく、今日に合わせてノリノリでアメリカTシャツを合わせてきてくれた。なんて頼もしいんだ……!
スクランブル交差点を張り込みます
スクランブル交差点を張り込みます
撮影日は梅雨の時期ながら快晴のいいお天気。スクランブル交差点日和ではないか! さてさて、今日は交差点の写真撮っている人はいるのだろうか……?

スクランブル交差点を撮影する旅行客を探す

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おーいるいる。
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渡りながら撮影している人も!
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自撮り棒を持っている人は浮かれ度が高い!
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中央分離帯はスクランブル交差点を撮影するスポットとして人気が高いらしく、入れ替わり立ち代わり撮影してる人が変わる。
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あまりにも楽しそうなので自分でも動画を撮ってみたのがこれだ。ああ確かに楽しいぞ……。例えるなら、アリの巣をアリが出たり入ってるのをいつまでも見ていられる感覚に近いかもしれない。いつまでも見ていられる……。

話を聞いてみよう

スクランブル交差点の写真を撮っている訪日外国人は旅行中ということもあり、割と浮かれ度が高い。ちょっと話を聞いてみよう。
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用意した質問案はこちらだ。旅行中の楽しいひとときを少しばかしお時間をいただくことに敬意を払いつつ、キャッチしていく。英語での声掛け及び翻訳はmeglishさんがガンガン行ってくださった。

1組目【台湾】
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まずは台湾から来たという2人組。スクランブル交差点は映画で見て、来てみたかったという。
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スクランブル交差点が出てくる映画で世界的に一番有名なのはロスト・イン・トランスレーション(ソフィア・コッポラ監督/2003年)という映画らしい。外国人の目から見た日本(東京)の映像作品に影響を与えている作品だ。
Lost in Translation (2003) - Official Trailer
日本で良かったものを教えてください、という質問に「people」と返ってきたときは自分のことを言われたように嬉しくなってしまった。
浮かれて一緒に写る
浮かれて一緒に写る
ありがとうございました!
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2組目【ブラジル】
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台湾人旅行客と握手をして別れ、そのまま近くにいた女性に声をかける。彼女は旅行客ではなく、日本には16年在住だという日本のプロだった!

今日は渋谷に来たついでだったが、世界中で有名なのでいつも来ると写真を撮ってしまうという。今日は、ブラジルに1、2年戻ることになり、思い出として写真に残すことにしたという。
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そして、彼女も日本の良かったものとして「人」をあげてくれた。「おもてなしの心が素敵だし、迷ったら助けてくれる」、「日本最高です。渋谷帰ったらまた写真撮りに来る」と話してくれた。16年も滞在しているということで、彼女の第二の故郷としての日本の記憶が素敵なものであることを私まで嬉しくなった。
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そして最後は私達も彼女の日本の思い出の一部に入らせていただいた! ありがとうございました。

3組目【スペイン】

観光客よりも浮かれ始めてきた我々。ブラジルの女の子と別れた後、ふたりとも青を基調としたコーディネートのおしゃれなカップルに声をかける。
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彼らはショッピングのために渋谷へ立ち寄り、スクランブル交差点の写真は単純に有名だから撮ったという。

日本の良いところ、という質問には食べ物をあげてくれたのだが、寿司、天ぷら、お好み焼き、焼きそばとだんだんあげてくれる食べ物が庶民的になっていったので親近感がわいた。
残念ながら顔出しはNGでした
残念ながら顔出しはNGでした
東京タワーに行くということだったので、彼らの青い洋服は東京タワーというロケーションに映えてすごく絵になりそうだ。

4組目【ハンガリー】
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スーツスタイルのダンディなロマンスグレーのおじさま方に話を聞く。彼らは昨日日本に来たばかりだという。
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渋谷は有名だから立ち寄り、この旅で京都も予定している。

日本人的な感覚だと思うが、一回の日本旅行で東京都と京都同時に回るのすごいなぁと感じてしまうが、海の向こうの日本旅行プランからすると普通だったりする。10日間で東京、京都、それに福岡も行ったわ、という話を旅行中に現地ガイドさんから聞いたことがあるが、狭い範囲でしか生きていない自分よりもむしろ日本のことをよく知ってるのではないかと思っている。
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書きこめるような仕様でボードを作っておいたら書いてくださった。ハンガリーの公用語はハンガリー語だ。英語圏ではないのに……英語で書いてくださった……ありがたや。
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5組目【タイ王国】
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交差点を最大限楽しんでいる集団を見つけたので突撃インタビューを試みた。
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すごくノリがいい5人組で、スクランブル交差点については「ここに来なければ日本に来ていない!」と言っていた。「インターネットで一番見かける場所で、いろんな人がここに来ているから」と話す。
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彼女たちは日本の良いところについていろいろ話してくれた。人びと、街がきれいなこと、食べ物……というところでミソスープと言って笑わかせていた。「敢えてそんな地味な食べ物を……」という意味なのかどうかはよくわからなかった。それに、ラーメン、とんかつ。ショッピングにコスメ。コスメは「資生堂」ということだった。
ありがとうございました!(写真に写っていない人もいる)
ありがとうございました!(写真に写っていない人もいる)
人によってそれぞれ日本の観光の楽しみ方は違うが、スクランブル交差点を観光スポットとして選ぶ外国人旅行客は日本の都会的な側面に惹かれている人が多いみたいだ。

5.5組目【?】
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交差点を張っていると、気になる行動をとっている人が……。
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あの、緑のTシャツの人は何をしているんだろう??

先生が「あの人が持っている箱、中国語みたいの書いてない?」と言っていたので撮影のタイミングをみて話を聞いてみることに。
「キラーキャベツ」を手にするデハラユキノリさん
「キラーキャベツ」を手にするデハラユキノリさん
しかし、話を聞いてみたところ彼は外国人旅行客ではなく、日本の粘土作家であるデハラユキノリさんでした。普段から渋谷で撮影をしているわけではなく、今日はたまたま仕事用の撮影に来たところ。
一応。
一応。
渋谷のスクランブル交差点にはクリエイターの方も多い……! 国、職業、目的、てんでバラバラな大勢の人たちが一気にすれ違う場所。そういった意味でもすごい場所なんだな
スクランブル交差点は、いろんな人に一度に出会える場所なんだと改めて思いました
スクランブル交差点は、いろんな人に一度に出会える場所なんだと改めて思いました
6組目【テキサス州(アメリカ合衆国)】

最後はアメリカからの大家族! しかしよくよく話を聞いてみるとただの観光ではなく、日本に5年在住のお兄ちゃんを訪ねる故郷の家族というメンバーでした。
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スクランブル交差点は有名だから来たが、そもそもお兄さんは渋谷在住だという。出身を「アメリカ」ではなく「テキサス州」というのは日本でいう「神奈川だけど横浜って言う」感覚に近いのかな……?

日本の良いところに都市、食べ物、そしてナイトライフ……シティー派だ! パリピ(パーティーピープルの略)だ!!
やっぱり浮かれて一緒に写る
やっぱり浮かれて一緒に写る
赤いアロハの方がイケイケお兄さん。この後はお台場や六本木、新宿、浅草、スカイツリーに行くというがこのグループも「お台場」をあげてくれた。

私はそんなお台場人気が意外に思ったが、考えてみればショッピングやアミューズメントを楽しめ、大江戸温泉物語といった江戸らしいエリアもある。外国の方に日本でどこに行けばいいか聞かれる機会があればお台場をおすすめしてみようか。なかなかそんな機会はないわけだが。

自分たちもスクランブル交差点を楽しんでみよう

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そんなたくさんの人生が交差して人間ドラマが生まれる場所、スクランブル交差点を自分たちも楽しんでみよう。自分たちも先人たちにならって自撮りをしてみることに。
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「普段自撮りなんてしない~!」という先生。
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あっすごく楽しそう……。でもこれ、あまりスクランブル交差点っぽさがない。
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というわけで、場所を移して自撮り。
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すごく楽しそう~~! スクランブル交差点の旅行客の感想として、「一気に人が交差してお祭りみたいで楽しい」というのを見たことがあるがすごくわかる。まるでお祭りみたいだ~!! みんなで自撮り、楽しい。
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信号が変わる前に急いで撤収! すごく楽しかった。結果的に一番浮かれていたのは私たちだったのかもしれない……。渋谷のスクランブル交差点は楽しいぞ。

終わりに

最後に入った喫茶店のおしぼりにOMOTENASI
最後に入った喫茶店のおしぼりにOMOTENASI
食べ物や街が楽しいというのは予想していたが、それよりも日本のいいところとして「人」をあげる人が多かったことが驚きだった。確かに、普段は当たり前に感じているが日本の接客はみんなニコニコしていてすごい。

そしてインタビュー前は「わざわざ見慣れている渋谷スクランブル交差点で自撮りなんて」と思っていたがスクランブル交差点での自撮りを経験し、そこにいた誰よりも自分たちが一番楽しんでいた自信がある。

他の通行の人の妨げにならない範囲でみなさんにも是非体験して頂きたい。
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