まずは最寄り駅へ
事前情報として「女体の森」の所在地はわかっていたので、まずは最寄り駅のJR興津駅へ。
のほほんとした平和な田舎の駅。こんなところに「女体の森」があるのか?
興津は東海道五十三次の十七番目の宿場でもある。ぱっと見、京都で最もポピュラーなお寺と勘違いしそうなお寺もある
お坊さんがちょっと怖い
駅前にあった看板を見てみる。お散歩コースには「女体の森」は組み込まれていないようだ
どこの駅でも主な観光スポットや寺社仏閣、公共の施設・公園などは看板に記してあるものだが、「女体の森」に関する情報は一切記されていなかった。
もしかして、みんな見て見ぬフリをしている、グレイなスポットなのか…?
もしかして、みんな見て見ぬフリをしている、グレイなスポットなのか…?
Googleマップを頼りに、商店街を進む
Googleマップに住所を直打ちし、「女体の森」を目指す。ちなみに「女体の森」とキーワードを入力しても地図上には出てこない。これだけ多くの情報を有しているGoogle先生が知らない場所だなんて…やっぱりインターネットでも触れてはいけないところなのか。
そんな不安を抱えつつ進んでいくと、昔ながらの商店街が。
そんな不安を抱えつつ進んでいくと、昔ながらの商店街が。
八百屋さん
お化粧品屋さん
お醤油屋さん
他にもお魚屋さんや洋裁店など、懐かしさを感じるお店がたくさんあった。時にはこういうところをぶらぶら歩いて見るのも良い。
国道一号線に出る
商店街を抜けると、国道一号線に出た。
え、「女体の森」って、こんなメインストリート沿いにあるの?
え、「女体の森」って、こんなメインストリート沿いにあるの?
本当にこっちであってるけ?
と、思いつつもGoogleマップを見ながら進んでいたら…
「女体の森」、あった
あったよ、「女体の森」、あった!!
くっきり「女体の森」と掘られている石碑を発見!!
めっちゃ「女体」って書いてるし!!国道一号線の走行車に大々的に知らされてるし!!
車がびゅんびゅん通る国道一号線沿いに、堂々と「女体の森」と書いた石碑が立っていた。どうやら神社らしいが、ここで間違いなさそうだ。
ちょうどこの石碑の先が工事中ですぐ近くに交通整理のおじさんがいたので、「女体の森」について何か知っているか聞いてみた。
さくら「すみません、ここは何で女体の森っていうのかご存知ですか?」
おじさん「よく、男性の象徴をまつってる神社とかあるじゃない。俺の生まれの熊本にもそういう神社があるけど。ここも、そういう、ほら、女性のが…まつってあるんじゃない?」
ちょうどこの石碑の先が工事中ですぐ近くに交通整理のおじさんがいたので、「女体の森」について何か知っているか聞いてみた。
さくら「すみません、ここは何で女体の森っていうのかご存知ですか?」
おじさん「よく、男性の象徴をまつってる神社とかあるじゃない。俺の生まれの熊本にもそういう神社があるけど。ここも、そういう、ほら、女性のが…まつってあるんじゃない?」
言葉に慎重に選びながら教えてくれた交通整理のおじさん。ありがとうございます!
確かに、子孫繁栄や安産を願ってそういうものをまつった神社は全国各地にある。
「女体の森」もそういうことなの?
「女体の森」もそういうことなの?
いざ、境内へ
先ほども少しふれたように、どうやら「女体の森」は神社らしい。石碑にも「女体の森 宗像神社」と書いてあった。
鳥居をくぐって、境内へ向かう
細い道を進むと…
「女体の森 宗像神社」があった!!
ちなみにすぐ隣に小学校がある。生徒に「にょたいってな~に~?」と聞かれたら、先生方はどう答えているのだろうか
詣でる
神社の名前が書かれた石碑はあったが、「女体の森」に関する情報はいまだ得られず。
情報を探しながら参拝してみる。
情報を探しながら参拝してみる。
確かに”森”感はある
涼しく、静かで、心落ち着く空間だ
ところどころ案内板があるが、「女体の森」の由来などは書いていない
うーん、違う
これも違う
神社の説明が書いてあるけど、「女体の森」については何も書いていない
手水舎があったので、まずは身を清める
ほどなく拝殿が見えてきた
チャリン…
(この記事がバズりますように…)
これで間違いないだろう。
さらに散策すると…
広い境内をさらに散策していると、また新たな案内板を発見した。
そこについに、「女体の森」の文字が…!!
そこについに、「女体の森」の文字が…!!
木の陰に隠れてひっそりと立っていた、小ぶりの案内版
ほら、「女体の森」って書いてるー!!
しかし、なぜ「女体の森」と呼ばれているのか、が書いていない!!肝心なところそこなのに!!これでは謎が解けずモヤモヤしたまま帰ることになってしまう…
誰か詳しく知っている人に話を聞けないかとキョロキョロしていたら、社務所を発見!!
誰か詳しく知っている人に話を聞けないかとキョロキョロしていたら、社務所を発見!!
ここに誰か人がいれば、詳しく聞けそうだ!!
ついに明かされる、「女体の森」の謎
さくら「 (ピンポーン) すみませ~ん、どなたかいらっしゃいますか~?」
社務所の中から「は~い」
社務所の中から「は~い」
ひとりの男性が出て来てくれた!!良かった!!
これで「女体の森」の謎が解ける!!心なしかこの方が出てきた瞬間、天から光が降り注いだように見えた。(すみません、雨が降ってきてレンズが濡れました。)
わたしがここに来た理由、調べてもあまり情報が出てこなかったこと、少しでも良いの「女体の森」について話を聞かせていただきたいことを伝えた。するとこの男性は、快く話を聞かせてくれた。
まず、一番知りたかったなぜ「女体の森」というのか、という疑問だが、答えはまつっている神様に秘密があった。
この、宗像神社(ムナカタジンジャ)は、「奥津島比売命(オクツシマヒメノミコト)」「多岐津比売命(タギツヒメノミコト)」「狹依姫命(サキリヒメノミコト)」という3人の女の神様=女躰の神をまつっており、それがおおもとの由来だそうだ。
(後で調べたら、この3人の神様のことを「宗像三女神(ムナカタサンジョジン)」といい、宗像三女神をまつっている宗像神社は全国各地にあるらしい!)
この宗像神社を背に少し南東へ進むと雄大な駿河湾が広がっているのだが、昔船乗りたちが海から陸地へ戻ってくる際、宗像神社にある大きな松の木を灯台代わりにして陸地を目指したそうだ。そんな船乗りたちが「女体の森」といってここを目印としたため、今も「女体の森 宗像神社」として親しまれているそう。
なるほど!!これが「女体の森」と呼ばれる所以か!!
わたしがここに来た理由、調べてもあまり情報が出てこなかったこと、少しでも良いの「女体の森」について話を聞かせていただきたいことを伝えた。するとこの男性は、快く話を聞かせてくれた。
まず、一番知りたかったなぜ「女体の森」というのか、という疑問だが、答えはまつっている神様に秘密があった。
この、宗像神社(ムナカタジンジャ)は、「奥津島比売命(オクツシマヒメノミコト)」「多岐津比売命(タギツヒメノミコト)」「狹依姫命(サキリヒメノミコト)」という3人の女の神様=女躰の神をまつっており、それがおおもとの由来だそうだ。
(後で調べたら、この3人の神様のことを「宗像三女神(ムナカタサンジョジン)」といい、宗像三女神をまつっている宗像神社は全国各地にあるらしい!)
この宗像神社を背に少し南東へ進むと雄大な駿河湾が広がっているのだが、昔船乗りたちが海から陸地へ戻ってくる際、宗像神社にある大きな松の木を灯台代わりにして陸地を目指したそうだ。そんな船乗りたちが「女体の森」といってここを目印としたため、今も「女体の森 宗像神社」として親しまれているそう。
なるほど!!これが「女体の森」と呼ばれる所以か!!
こちらが船乗りたちが灯台代わりにした松だ!!写真に入りきらないくらい圧倒的に大きい!!
ちなみに話を聞かせてくださったのは、お祖父さんの代からこの宗像神社を守っている、宮司の丸尾さんだ。
アロハシャツが似合う、気さくで優しい宮司さんだった
丸尾さんは、もう少し詳しいことが書いてある案内板があると、雨の中外に出て案内してくれた。
スルーしていただけだった
あんなに無い無いと案内板を探していたのに、入口にめちゃくちゃ詳しい案内板があった。
昔よりの国碑に盧原(よばら)神社 俚俗(ぞく)に宗像神社とも言はれていた。当社は興津川の西にあり女体の森と言って舟人たちの灯台がわりとされていた。…
「女体の森」の由来に加え、昔は東海道沿いにあったこと、高波を恐れて今の場所に移動 したこと、火災によって建て替えられたこと、交通安全、商売繁盛など様々な祈願を行っていることが詳しく記されていた
丸尾さん、突然の訪問にも関わらず、また雨の中にも関わらずご丁寧に対応していただき、本当にありがとうございました!!
せっかくなので、船乗りの気持ちになってみよう
「女体の森」の謎が解けてスッキリした!!あらぬ妄想をして知らぬがまま突撃してしまい、申し訳なかった。最初に話を聞かせてくれた交通整理のおじさんにも本当の由来を教えてあげたかったけど、工事中で別の道に案内されてしまったのでもう会えなかった。おじさん、ごめんね。
最後に、海側から「女体の森」がどのように見えるのか見てみたく、少し歩いて海まで行ってみた。
最後に、海側から「女体の森」がどのように見えるのか見てみたく、少し歩いて海まで行ってみた。
少し高台になっている公園に着いた。雨で見えづらいけど、道路挟んで向こう側が駿河湾だ
海側から振り向いた時の図。今は家が立ち並んでいて、残念ながら松は見えなかった
「女体の森」には長い長い歴史と、そう呼ばれるしっかりとした理由があった。
興津は、少し懐かしい街並みが素敵な心温まる場所なので、宗像神社を参拝しつつ、ぜひフラッと寄っていただきたい。
興津は、少し懐かしい街並みが素敵な心温まる場所なので、宗像神社を参拝しつつ、ぜひフラッと寄っていただきたい。
はじめに見つけた石碑の前に、工事のための迂回路を示す立て看板があり「うぉ…撮影できない」と思っていたら、これまた先ほどとは別の交通整理のおじさんが「写真撮るならどかすよ~!」と立て看板をどかしてくれた。
宮司の丸尾さんといい、交通整理のおじさんといい、静岡の人は穏やかで優しい人が多くていいなぁ。
~今回伺ったスポット~
女体の森 宗像神社(ニョタイノモリ ムナカタジンジャ)
所在地:〒424-0204 静岡県静岡市清水区興津中町554
宮司の丸尾さんといい、交通整理のおじさんといい、静岡の人は穏やかで優しい人が多くていいなぁ。
~今回伺ったスポット~
女体の森 宗像神社(ニョタイノモリ ムナカタジンジャ)
所在地:〒424-0204 静岡県静岡市清水区興津中町554