いつもお世話になっている自動販売機。
日本自動販売協会のサイトによると、日本の自販機の売り上げは年間約5兆円でなんと世界一!
ちなみに同協会によると、現存する日本初の自販機は、明治時代に発明家・俵谷高七(たわらや・こうしち)が作った「自働郵便切手葉書売下機」というもの。切手と葉書の自販機で、ポストも兼ねたアイデア製品だったそう。
日本における自販機の歴史がスタートしてから100年以上経った今日。投稿にあるように「世界初」という自販機界に新たな歴史が刻まれているのだろうか。
横浜市営地下鉄ブルーライン・センター南駅から徒歩5分、中国小皿料理「龍山坊(ろんさんぼう)」へ向かった。
到着
店舗に近づくと龍山坊の看板や紹興酒の瓶、清涼飲料水の自動販売機が見えてくる。
そして「餃子」「24h」「年中無休」という文字が書かれた黄色い看板が2つもあるではありませんか。
いよいよご対面
店舗の正面に回ってみると黄色い自動販売機が! これが世界初の餃子自販機なのか・・・。詳しいお話を店長さんに伺ってみることに。
よろしくお願いします
取材にご対応いただいた店長の山田正仁(やまだ・まさひと)さん。同店は1997(平成9)年からこの地で19年続いており、オーナーは山田さんの高校と専門学校時代の同級生の方。山田さんご自身は築地や銀座の中華料理店で長年働いていたそうだが、5年前にオーナーが別の業種に転身するということで同店を店長として引き継いだ。
手作り餃子、世界初、いつでも買える、冷凍自動販売機
餃子自販機の第1号機が設置されたのは2013(平成25)年6月。前出のオーナーが「やってみたい」ということで、アイスクリームの自販機を加工して世界初の餃子自販機を制作依頼。
さらに「うちの店頭以外にも置いてありますよ」と山田店長。
都筑区荏田東1丁目の住宅街に佇む2号機
1号機がデビューしたその後すぐに2号機、3号機が同時期に設置されたそう。
どんなところにあるのか実際に足を運んでみると、2号機は住宅街の中の歩道沿いに、3号機は都筑区役所の付近の人通りが多いところに、いずれも同型の自販機がお店から徒歩圏内にあった。
3号機は都筑区役所駐車場入口近くの「はまゆう薬局店頭」に
自販機で販売される餃子のラインアップは!?
特別にフタを開けていただいた
世界初の餃子自販機で販売されているのは手作り餃子・肉餃子(12個入り各1000円)、焼売・水餃子(8個入り各880円)、小籠包(6個入り1200円)の5種類。
いずれも全て山田さんの手作りだ。
それでは実際に買ってみましょう!
自販機で1000円クラスのお買い物っていうと、その昔は周りの目を気にしてドキドキしながら買ったものですが、年齢を重ねてもかなりテンション上がります。その様子は動画でどうぞ~。
ホントに餃子が出てきた!
人気ナンバーワンは手作り餃子。地産地消を大切にしており、餃子の材料は神奈川区の農家、餅田(もちだ)さんのキャベツを使用。朝イチでとれたてのキャベツを使って餡を作り、ランチの後に皮に包む。山田さんが1人で作業し3時間くらいかかるそう。
持ち帰りやすいようにビニール袋もあります
完成した餃子は急速冷凍され、美味しさそのままに自販機に補充。基本的に賞味期限は1ヶ月だがその前に完売する。ちなみに売り上げナンバーワンマシーンは1号機で、お正月が特に売れるそうだ。
せっかくなので店内におじゃまします
店内には「龍山坊」の看板が
「せっかくだから食べていきますか?」という山田さんのお言葉に甘えて店内におじゃました。
お客さんは地元の方を中心に平日のランチタイムはOLさんも多い。三ツ沢競技場や横浜スタジアムが沿線にため、アスリートたちも来店するそうだ。
餃子焼き器にもベテランのオーラが!
まずは餃子を焼いてくれるということで厨房へ。餃子が手際よく鉄板に並べられ、調理が進んでいく。多めの水を注ぎ蒸気で火を通し、最後に焼き目を付けて完成だ。
焦げ目を眺めているだけで呑めそう
手作り餃子(5個入り432円)が焼き上がりました。いや~このルックス、最高です! 具材は野菜がメインで前出のキャベツのほかにニラ、ひき肉、背脂、ネギ、ニンニク、ショウガなど。
アツアツをハフハフいいながら
一口ほお張ってみるとあっさり系でいくつでも食べられそう! ビールやライスとの相性も抜群。実際に餃子のおかわり率も高いのだとか。
こりゃおかわりしてしまうわ!
スタンダードにしょうゆ、酢、ラー油でいただくのもよし。また、卓上にある自家製の食べるラー油をかけると、ピリッと「旨辛く」食べることができる。ちなみにこの「食べラー」には隠し味で上海ガニの卵が入っている。
休憩中なのに恐縮です
餃子をペロリといただいたところで、ほかのメニューもキニナル! 麺類や定食、さらにはステーキやカレーなど盛りだくさん! その中から山田さんにお願いして人気メニュー「メンズセット(平日税込み1382円)」を作ってもらうことに。
年齢性別問わず注文OK!
ハーフ坦々麺、麻婆豆腐、ライス、サラダ、漬物がセットになっておりボリューム満点! 同店の人気メニューが一度に味わえる。
いただきます
山椒もバッチリ効いてます
ほどよいピリ辛さでご飯が進む麻婆豆腐。
できるならば一緒にビールをオーダーしたいなぁ。せめてグラスビールでも。もっと刺激がほしい方は辛さの調整もOK!
マイルド系の優しい仕上がり
麺部門人気ナンバーワンの坦々麺。ゴマの風味に食欲がそそられ、中太の麺がもっちりつるつるっとのどを通っていく。トッピングには都筑区の農家、城田さんが作るコマツナが使用され彩りも鮮やか。大満足のセットでした。
自宅のキッチンで焼いてみよう
美味しく焼けるかなぁ
いよいよ世界初の餃子自販機で購入した肉餃子(12個入り1000円)を自宅に持ち帰って実際に調理してみましょう! 焼き加減1つで仕上がりが変わってしまう餃子。素人が家庭の調理器具を使ってはたして上手に焼くことができるのか。
説明書は金券がもらえるスタンプカードにもなっている
山田さんいわく「説明書通りに作ってもらえれば絶対に上手くいきます」とのこと。中でも大切なポイントは「密閉できるフタ」を使用すること。
それでは素直な気持ちでクッキングスタート!
上手に焼けますように
(1)厚手のフライパン(できたらテフロンではないもの)を用意
(2)点火し、油をひいたフライパンに凍った餃子を5mm間隔で並べる
(3)水またはお湯を餃子の半分まで注ぎ、強火にしてフタをする
(4)お湯が沸いて5~6分経ったら残っているお湯をフライパンから捨てる
水を捨てるとき餃子が崩れないよう注意
(5)餃子全体に上から少量の油を注ぎ、再びフタをする
(6)強火にして2~3分くらいでこんがりキツネ色に焼き上げたら出来上がり
キツネ加減を最終調整
けっこう美味そうな仕上がり
説明書通りに進めていよいよ完成!
思いのほかキレイな焼き上がりで少しばかり自分を自分で褒めたくなりました。
山田さんの説明書バンザイ!
焼き目もいい具合
しかもお味も抜群! 肉餃子は餡がギッシリ詰まっていて肉汁が溢れ出てきます。
自宅でこのレベルの餃子が食べられるという贅沢感。
12個をあっという間にペロッとたいらげてしまった。
取材を終えて
「世界初の餃子自販機」というネタ的な要素だけでなく、1つ1つが店長の手作りなので味も間違い無し。
自販機の話、クッキング、餃子の味と3つのトピックスがあるのでさまざまなシーンにおいて盛り上がるのではないだろうか。
さらには24時間入手可能ということで、夜中に「おいしい餃子がたべたいの」とおねだりされたり無茶ぶりされた場合もフレキシブルに対応できるので、あなたのポイントも高くなるはずです。
―終わり―
取材協力
龍山坊
住所/
横浜市都筑区茅ケ崎中央13-2 宮下ビル1F
電話番号/045-941-0860
営業時間/ランチタイム:平日11:30~14:00 L.O 土日祝11:30~14:30 L.O
ディナータイム:火~土曜18:00~21:45 L.O 日祝17:00~20:45 L.O
定休日/月曜日
URL/
http://www.lonsanbo.com