森がでかい 川がでかい スケールがでかい
上空からの眺め。川も森もとにかくでかい。なんか飲み込まれそう。
“アマゾン=ブラジル”というイメージが強いかもしれないが、この熱帯雨林の広大さは国境と想像を大きく超えている。今回はガイアナ共和国の首都ジョージタウンからセスナ機で奥地へと向かう道程だ。
初めてセスナというものに乗った。最初で最後の体験かもしれない。
友人らの主なターゲットは巨大なナマズと、ピラルクという魚である。
セスナにはオーストリアから来たという男性グループも同乗していたが、彼らも狙いを同じくしているらしい。
欧米ではこういう秘境での魚釣りが結構な人気を集めているようだ。
まずは巨大魚のエサ集め
巨大な魚を釣るには、大きなエサが必要だ。
というわけで、一日の初めにはまずエサとなる小さめの魚を釣るのだという。
朝一番、小さめの魚(と言っても1キロ超えは当たり前)をパカパカ釣り上げ、昼前からはそれをエサにして大物を狙う。
これが結構おもしろい。
ピラニアなど、写真や映像でしか見たことのない魚がポンポン釣れるのだ。
一番たくさん釣れるピーコックバスという魚。
人間のエサにもなる
観賞魚店でよく見かけるアロワナも釣れる。そして、やはりブツ切りにされてエサになる。
僕も少しは釣りに参加。ピラニアの中でも特にでかいブラックピラニアが釣れた。
有名な鋭い歯は唇の下に収納されている。これがホントに危ない。
ピラニアの類はどれも美味い。オススメしないが刺身でも味は悪くない。
焼いても良し。だが、一番おいしいのはスープ。今回はありつけなかったが。
ビクーダ(現地での呼び名はソードフィッシュ)という魚。魚雷のような体型で、とにかく泳ぎが速い。
下アゴに生えた牙が特徴のペーシュ・カショーロ(バヤーラ/パヤーラ)。
上顎には牙を収納する穴が空いている
ペーシュ・カショーロを豪快に焼いて食う。身は脂と味の薄い青魚のようだが、皮が抜群に美味い。
チーズで油脂分を足し、リゾットにしてもなお美味し。鯉みたいに枝分かれした小骨がたくさん入っててちょっと食べづらいが。
巨大魚、連発!
さて、十分な量のエサが確保できたら、いよいよ狙いを巨大魚に移すようだ。
釣れた魚をザクザク刻んで大きな針に掛け、川の中へぶち込む。
あとはひたすら待ち続けるのみ。
大きなピラニアの頭がエサ。豪快な魚釣りだ
あ、釣れてる!でも何が上がってくるかはまだわからない。
大きなレッドテールキャットフィッシュ(現地名バナナフィッシュ)!
こちらはジャウーというナマズ
世界最大の淡水魚!と呼ばれることもあるピラルク(現地名アラパイマ)。水面で馬のように暴れる姿は圧巻だった。
水族館で見る姿とはかなり印象が異なる。黒っぽい魚というイメージだったが、この川にいる個体は金色がかっていてとても綺麗。
そして潜水艦のような大ナマズ、ピライーバ!(現地名はラウラウ)
魚もすごいけど、普通に釣っちゃうこの人たちもすごいな。
…こんな具合に、いろいろな大魚を自然下で生きたまま見られて、とても幸せだった。
夢のようだった。
もしかすると下手な水族館へ行くよりも、釣り人について行った方が、面白い魚たちの姿を見る機会には恵まれやすいのかもしれない。
釣りしなくても十分すぎるくらい楽しい
で、お前は釣りもろくにせず何してたんだよ。見てただけかよ。と思われるかもしれない。
ご心配なく。釣りをしなくてもいくらでも面白いものはある。アマゾンなんだから。
僕は僕で大きな爬虫類をロープで捕まえたり
小さな爬虫類を素手で捕まえたり
淡水エイを掴み捕ったり
ワタワタという綺麗なナマズ(観賞魚界で言うところのプレコ)の仲間を捕まえたり
漁師さんがアルマジロを捕まえてくれたり。
でかいバッタを捕まえたら
胸部の装飾が石みたいだったり
翅を広げたらすごく綺麗だったり
イモムシもでかかったり
グンタイアリを捕まえてたら、逆に噛みつかれたり毒針刺されたりしていた。楽しかった。
といった感じ。
見ても見ても見尽くせない。
いくら遊んでもまだ足りない。
子供の頃の夏休みに戻ったようだった。
また何度でも行きたい
巨大な魚がいるようなジャングル奥地は、魚以外にも魅力的な生き物がうじゃうじゃいるので全然退屈しなかった。
要は、とにかくアマゾンすごい!という、お話でした。
もう一度、いや最低でももう五回は行きたいな。
地元の漁師さんの船を覗くとエライことになっていた。しかもこれ全部、弓矢での獲物。アマゾン、自然も人もとんでもない。