特集 2016年3月12日

友の部屋:「生きてる?」「会社つぶれました」ほか全3編

まずは編集部・藤原さんのコラム「コミュニケーション論入門」から。

生きることがコミュニケーション(藤原浩一 )

高校生のころ、好きな女の子に「元気? 生きてる?」とメールで連絡をしたら、「私は生きてるけど父親が先週死んだ」的な返事が返ってきたことがある。「生きてる?」はぼくが久々に誰かに連絡を取るときのお決まりのフレーズであったが、よもやの返事である。

また今年、大学時代の友達に久々に「元気? 生きてる?」と連絡をしたら、「私は生きてるけど結婚するかもと思っていた彼氏が先月死んだ」的な返事が返ってきた。ウケますね。

そのときのうまい切り返しがこうで…みたいな話ではない。(というか、後者のとき、わけがわからなくなりほんとに「ウケるね」と返したような記憶もある。)とりあえず「生きてる?」はやめておいた方がいいと学習したエピソードだ。思ったより人は死にがちなので。

人は死にがち、といえば人は生きているからこそコミュニケーションもあれこれできるのであることに気がつく。コミュニケーションがうまくいったとかいかないとか日々悩むこともあるが、それも生きているからである。

コミュニケーションのためには健康が大事。肝に銘じたい。
俺達の戦いはこれからだ。
俺達の戦いはこれからだ。
デイリーポータルZ友の会コラム「コミュニケーション論入門」より

極端に無口な藤原さんがコミュニケーション論について語るという自虐ウィット溢れる連載から、最終回を抜粋。「コミュニケーションにおける諸問題をどのように解決していくか。よく問題にぶつかる藤原が説明します。」(コーナー説明より)。
他にも注文が通らない話、悩み相談についてなど、コミュニケーションに支障が出ている事例ばかり満載の全5回。
友の会の紹介は記事の最後にしますが、早くも気になってしまった方はこちらのページへどうぞ。
続いては、ウェブマスター・林さんによる、「会社つぶれました」。

「会社つぶれました」(林雄司)

これまで「会社つぶれました」という電話を受けたことが2回ある。

いちどは10年以上前、若い社長が率いる会社だった。別の担当が社長に会いに行くと頭に包帯を巻いて出てきたという。応接室の灰皿で殴られたそうだ。

いまと違って昔は応接室にごついガラスの灰皿があったのだ。あれで殴られたら相当痛い。痛いどころが死んでしまう可能性だってある。20世紀はそんなマッドマックスみたいな時代だったのだ。

僕は嫌煙家ではないが、あの灰皿がなくなったのは経営者には朗報だろう。怒った債権者に囲まれてもあれが武器になることはない。代わりにアルマイトの灰皿をおいておくと吉本新喜劇みたいでおもしろい。
会社名がどうしても思い出せない
会社名がどうしても思い出せない
しかし「会社つぶれました」という電話は正確には「倒産という形になりまして…」であった。

「カタチあるもの」「カタチないもの」という言い方があるが、倒産という形がないものでも「形」が登場するのはおもしろい。形という言葉は便利である。英語でいうところの関係代名詞みたいなものだろうか。

かつての部長の得意の関係代名詞は「世界」だった。「もうそこから先は営業の世界だ(「担当部署は営業部である」の意)」。「データベースっていうのは日本語処理の世界でさ、さきにガーッとインデックスを作っておく世界なんだよ」(データベースの仕組みのことを説明しているらしい)。もちろんそんな世界はない。営業だけの世界なんてない。

僕の口癖は「感じ」である。
「そこから先は営業って感じでさ」「データベースを先に作っておくって感じでー」と形でも世界でも感じでも言い換え可能だ。

倒産って形になってもあのガラスの灰皿みたいな世界がなくなったのは朗報って感じです。
感動をありがとうって感じで。

デイリーポータルZ友の会コラム「感動をありがとう」より

第1回は電気屋でののどかなエピソードだったのに、いつの間にか借金の話やクレームの話ばかりになってしまっていた林さんの連載。この裏話感がさすが会員向けコンテンツという感じです。
ちなみに友の会には広告企画がらみのもっと濃厚な裏話などもあるのですが、それはここに載せると支障があるので気になる方は↓のリンクへどうぞ。初月無料で全部読めます。(そのまま解約し忘れるのも手ですよ)
最後にもう1本。唐突にゴミに命を与えます。

洗濯機のゴミでお人形を作る(大北栄人)

料理のできない私はふだんの生活では洗濯を担当している。ふと見るとまた洗濯機にゴミたまっている。私は、なんとなくであるがベランダに置いて洗濯ゴミをよく乾燥させることにした。
洗濯機のゴミを外で太陽にあてて乾燥させた
洗濯機のゴミを外で太陽にあてて乾燥させた
日にあてたことで匂いはなくなり、ふわふわと軽い感触になった。こうしたものに目をつけるといいぬいぐるみになるかもしれない。小堺にもらったゴム人形の目を取り外して洗濯ゴミにつけてみる。手足もホットボンドでそれとなくつけると……なんとなく愛らしくなってしまった。

でもこれゴミだよなという気持ちと娘の誕生日プレゼントはこれでいいかという気持ちが今戦っている。すぐに擬人化する娘のことだ、お人形さんとしてあげたらうちに家族として迎えるはめになる。洗濯物から出たゴミが家族に……生活のあちら側はなんだか童話の世界のようだ。

「ぼくは洗濯たろう! みんなの使ってる洗濯機のゴミが意思を持ったんだよ」

そう人形に言われたらみんな驚くだろう。ただ私と私の家族だけが唯一真顔であることだろう。
ゴミにも愛らしさがやどった
ゴミにも愛らしさがやどった
デイリーポータルZ友の会コラム「生活の彼岸」より

日常生活の「あちら側」に旅することがコンセプトの連載。ほかにも鍋にバックミラーを付けたり、気を付け専用服を作るなど全10隻の泥船で向こう側を目指しました。
余談ですがあれ羊毛フェルトみたいに針で刺したらギュッとしたかわいい人形になりませんかね?

そんなわけで紹介してまいりましたコラムの数々。こんなふうに、友の会ではエッセイ~ネタのはざまを漂うミニコラムを週に2本ずつ公開しております。
最後に、そんなデイリーポータルZ友の会のご紹介です。

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というわけで、コラム紹介は次回来週、いよいよ最終回!友の会に入るつもりがない人も、コラムだけでも読んでって!
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