特集 2016年1月30日

沖縄に降る雪が見たい

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大寒波がやってきた。もしかしたら沖縄に雪が降るかもしれない!?深夜の沖縄本島北部に雪を探しに行きました。

先日西日本を襲った大寒波は、南国沖縄にも影響を及ぼしました。

大寒波襲来の前日1月23日頃から、沖縄でもアラレが降ってきたという情報がSNS上を騒がせ始めていましたが、予報では最も冷え込むのが1月24日午後10時から25日午前2時にかけてで、沖縄本島北部ではなんと5~6度と予報されていました。こんなに気温が低くなるのは1918年2月20日の4.9度(那覇で観測)以来、およそ100年ぶりだそうです。

この時間帯にできるだけ寒い場所にいれば、アラレどころではなくしんしんと空から舞い落ちる雪を見られるのではないでしょうか。
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雪を見に行こう

ということで、二手にわかれて本島北部へ雪を探しに行ってきました。

A班:本島最高峰の与那覇岳
A班が目指すのは沖縄本島の最高峰である与那覇岳。標高が高ければ高いほど、雪が見られる可能性も高いはず。
沖縄の山が白く染まる風景をお届けすることはできるでしょうか。
B班:本島北限の辺戸岬へ
B班は沖縄本島最北端。車の免許取りたての学生がドライブしに行く岬ナンバーワンの辺戸岬。北に行くほど気温は下がっていくとしたら、辺戸岬では雪が見られるかもしれません。打ち寄せる波に舞い散る雪の華。演歌っぽい風景を皆様にお届けしようと思います。

果たして、それぞれ雪は見られるのでしょうか。それぞれの奮闘を追っていきましょう。

本島最高峰の与那覇岳

A班のmiooonです。
出発前の午後9時時点の那覇の気温は11度。
この時点で寒い。寒さで温度計を持つ指が痛くて震えました。こんな経験、沖縄では初めてです。
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そして北へ。
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与那覇岳の麓にある道の駅ゆいゆい国頭に到着したのは午後10時半。
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気温は10度でした。
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道の駅の隣のコンビニで温かいものを買い物して出てみると、バラバラバラという音とともに空から小さい氷の塊が。
「あ!アラレだ!」
写真ではよく分かりませんが
写真ではよく分かりませんが
ちなみにこのときもめちゃくちゃ寒かったんですが、コンビニの前に半袖の人がいて驚きました。
目が寒いからやめてくれ
目が寒いからやめてくれ
車を走らせて山の方へ。
道の途中では、いのぶたが飼われていました
道の途中では、いのぶたが飼われていました
与那覇岳へ行こうと思っていたのですが、方向音痴の私が到着したのは国頭村森林公園。

まぁいいか。寒いし。
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山に入ったら気温は6度。
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車を下りると猛烈な冷風が。指が痛い!鼻が痛い!
痛い。つらい。なぜ夜中にこんなところにいるのか
痛い。つらい。なぜ夜中にこんなところにいるのか
そして少しすると、またしてもあの音が。
バラバラバラバラ
同行の友人も色めきたつ
同行の友人も色めきたつ
アラレの粒!
アラレの粒!
アラレだー!とテンションが上がったのですが。
いや、アラレ。
昨日のお昼に南部の浦添市でも降ったらしいし。

……。

そのあと1時間ほど待ちましたが、アラレは降るものの、ふわふわと舞い降ちる雪は見ることができませんでした。

海に行ったら魚が仮死状態で打ち上げられているかも!と思い海にも行ってみましたが、猛烈に風が吹きすさぶ極寒の海はただただ地獄のようでした。
死ぬかと思った
死ぬかと思った
残念ながら山で雪は見ることができませんでした。A班からは以上です。

本島北限の辺戸岬

雨は世冨慶(よふけ)過ぎに雪へと変わるのでしょうか
雨は世冨慶(よふけ)過ぎに雪へと変わるのでしょうか
続いて、B班のやんばるたろうでございます。沖縄最北端の辺戸岬を目指します。ちなみに辺戸岬に温度を測りに行くのはDPZだと二回目です。

辺戸岬に向かって高速をおりてから名護市→大宜味村→国頭村と北上していくわけなのですが
名護市
名護市
大宜味村
大宜味村
北上するにつれてどんどん気温が下がっていきます。これは結構期待できるのでは。
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それにしても辺戸岬は遠いです。ほとんど車の通らない道路をひたすら北に向かって進んで行きます。
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自宅がある宜野湾市を出発して約2時間後。沖縄県最北端の辺戸岬に到着しました。めちゃめちゃ寒いうえにものすごい風。セルフィーで写真をとりましたが、10歳くらい老けて写りました。
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いつもはそんなに人が居ない辺戸岬ですが、今日は頻繁に車が出入りしています。
自動販売機のココアとゆずレモンは売り切れ
自動販売機のココアとゆずレモンは売り切れ
辺戸岬の入り口にパーラーがあり、自動販売機があるのですがそのあたりをうろついていると色々な人に「こんばんは」「寒いですね!」と声をかけられます。普段はこの時間はほぼ誰もいない辺戸岬ですが、今日だけは雪待ちの県民が集いちょっとしたお祭りみたいになっています。
この人達も雪を見に来たのだそうだ。
この人達も雪を見に来たのだそうだ。
パンツになってる人もいた。若い。
パンツになってる人もいた。若い。
中には雪を探して北部をまわっている人もいるようで、「名護市の八重岳でアラレを見た」という話も聞けました。
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気温を測定すると、7.8℃付近を行ったり来たり。風があるのでもっと寒く感じるのですが…。
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そして天気ですが、あいにくの晴れ模様。うっすら月が見えるほど雲が薄く、雪を降らせそうな雲も見当たりません。
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1時間くらい待機しましたがこのまま待っても何も起こらなそうなので、この日沖縄本島で最低気温をマークしたという国頭村奥集落に向かいます。
帰りたい
帰りたい
国頭村奥集落にやってきました。奥といえば毎回ニュースで沖縄本島の最低気温をはじき出す集落として有名です(本島最北端にある集落だからだと思うけど)。
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辺戸岬は晴れでしたが、奥ではしとしと雨が降っています。
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気温を測ってみると5.6℃!沖縄県外の皆さんからすれば5℃程度でなにを言っているだと思うかもしれませんが、沖縄県では10度以下は極寒。5℃なんて言ったら死人が出そうなレベルです。僕も18年間沖縄に住んでいてはじめて見るかもしれません。

しばらくぼんやりと車の中で待っていると……
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アラレ来た!
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これは見まごうことなきアラレです。降っている時間はたった3分ほどで、その後はずっと雨でした。最北端に行ったのにまったく何も見られなかったらどうしよう、と思っていましたが一応ミッションクリア。この喜びをまわりの人に共有したかったのですが、辺戸岬にはあんなに人がいたのに奥集落にいたのは僕ひとり。本気で心細くなってきたので帰ります。

B班の辺戸岬編(というか奥集落編)は以上です。

せっかく夜中に北部まで行ったのに

というわけで、夜中に往復4~5時間もかけて本島北部まで行ったのですが、期待していた雪は見ることができませんでした。
ちなみに沖縄気象台によると、久米島と名護市で正式にみぞれを観測したようです。
ああ、名護でですか……。与那覇岳は名護から50分、奥にいたっては名護から1時間半ほどかかるのに。夜中にあんなに遠くまで行かなくても良かったんですね……。

そしてもうひとつ寂しいことに、名護からの家への帰り道にも、何度も車のフロントガラスにバラバラバラというアラレがぶつかる音がしていました。
……うん。あんなに遠くまで行かなくても良かったんですね。あんなに遠くまで行かなくても……。あんなに……。

その日、二人の目からも大粒のアラレが降ったとか降らないとか。
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