特集 2016年1月28日

紛失したiPhoneを走って捕まえるまでの話

見せるぜ!帰宅部の意地!

全力で走って追いかける。
全力で走って追いかける。
もうちょっと……
あと100メートルのところで再び動き出すiPhone。
泣きそう。
その瞬間、目の前を黒いタクシーが横切る!
その瞬間、目の前を黒いタクシーが横切る!
見逃してなるものか!
見逃してなるものか!
一瞬だったが会社名は覚えることができた。
このあたりに黒いタクシーは、他にない。
さっきメモったリストと会社名を照合する。
あった!
車両番号は◯◯◯◯っ!
おそるおそる、タクシー会社の忘れ物センターに電話をかけてみる。
忘れ物をしたことを話すと、「領収書はありますか?」と聞かれた。
ない。
領収書はないが、車両番号はわかるんです(走って追いかけてたから)
そんな怪しい奴に対しても、丁寧に対応してくれるオペレーターさん。
僕がメモした車両番号のタクシーは今、六本木にいるという。
僕のiPhoneの現在地を検索すると……
……六本木っ!

ついに、タクシーの特定に成功

はい、やりました。
はい、やりました。
私、この戦いに勝利しました。
「その車両、〇〇病院でお客さん何回か拾われてますよね」と気持ち悪いことを言う。
「もし病院に戻られるようでしたら、その時にiPhoneをお渡しいただけないですか?」とお願いすると、なんとすぐに来てくださることに!
「ありがとうございます!」と伝えると、「でも、15分かかってしまうんです……寒いですから、病院の待合室でお待ちいただけますか」というふたつの意味であたたかすぎるお気づかい。
やさしい!やさしすぎる! 全部僕が悪いのに!
……東京の人って、話し方昼ドラみたいだし、なんか冷たそうとか勝手に思ってました。 めっちゃ優しいやないか。
待つこと10分。

iPhone、帰還中

少しずつ地図上で近づいてくるiPhone。
少しずつ地図上で近づいてくるiPhone。
なんて心地よい時間。あぁ、愛しのiPhone。
そして、一台のタクシーが闇夜を切り裂き近づいてきた。
iPhoneの現在地をチェック、あれだ!
iPhoneの現在地をチェック、あれだ!
降りてくる運転主さん。
降りてくる運転主さん。
走っていってお礼をいう。

運転手さんは、何度も頭を下げながら「何度かアラームが鳴っていたのですが、スマホの操作が分からなくて、何もできなかったんです。申し訳ないです……」 と謝っておられる。全部僕が悪いのに!
申し訳ない。(私は自分のスマホが見つからないことにイライラして遠隔アラームを10回くらい鳴らしてしまったアホです)
お仕事中なのにスーパーご迷惑だったに違いない。
お仕事中なのにスーパーご迷惑だったに違いない。

せっかくなので再度タクシーにのせてもらう

申し訳無さすぎるので、現在地の病院から宿まで初乗り料金でいけちゃう距離ではあるのだが、「タクシーにのせてもらえませんか?」とお願いする。
いいですよ、と運転手さん。
よく考えると一日のうちに同じタクシーの運転手さんに二回乗せていただくことなんてそうそうない。貴重な経験だ。
「お客さんのスマホ、ドアの隙間にはさまっててねぇ、鳴るまで全然わからなかったんですよ、ごめんなさいね」とまたもや謝っておられる。
激しく申し分けない。
激しく申し分けない。
途中で、東京から西成まで乗せてった客がお金を払わなかった話をしてくれた(19万かかったらしい)
宿に到着。
宿に到着。

申し訳なさすぎるので、なにかしたい

僕がスマホを忘れたばっかりに、運転主さんのお仕事の邪魔をしてしまったのが申し訳なさ過ぎる。
お金で解決できる問題でもないけれど、他にできることもない。
五千円札を渡して、お釣りはいいですと伝える(一万円札も財布にあったが、出し惜しみしてしまった器の小さい人間です)
でも、運転手さんは、「それは受け取れないですよ」と言ってくるんですよ皆さん。
なんなんですか、これは。
なんなんですか、これは。
日本のタクシーのレベルはどうなってるんですか。
タイに行った時のタクシーの運ちゃんなんて、「メーターの料金はひとりぶんの値段、お前ら2人だから2倍」とか言ってきましたからね。
インドの運ちゃんは、なんか知らんヤツを「閉じ込め要員」として新たに乗せてきて、法外な金を出すまで出れないようにしてきましたからね。
どういうことなんですか、これは。
どういうことなんですか、これは。
でも、ここはふんばりどころだと思って五千円札を引っ込めずに出し続けていたら、「じゃあ千円札いただけますか?おつりの分で缶ジュース買います。ありがとうございます」っておっしゃるんですよ。
わたくし、体の穴という穴から何かしら出ました。
わたくし、体の穴という穴から何かしら出ました。

失われたiPhone求めて

画面がバリバリなのはもともとです。
画面がバリバリなのはもともとです。

こちらがその見つかったiPhoneである。
東京中を大捜索した結果、みつかったのはiPhoneだけではない。
タクシーの運転手さんのあたたかい心である。
そんなカリオストロの銭形警部みたいなことが言いたくなるほど、タクシー会社の方々はやさしい人たちばかりだった。
本当にありがとうございました。
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