しかもオシャレな家具街にある
気になるお店は、ビンテージのアメリカ家具を取り扱う店が軒を連ねる宜野湾市大山という場所にある。
創業40年を越える「UNCLE SAM」 米軍基地が主催する家具のオークションや現地から買い付けなどを行うオシャレ家具店
この界隈は沖縄県民にとっても、ちょっと自慢のスポットだ。カフェで今すぐ使えそうなビンテージ家具が、そんなに高くない値段で購入できる街。県外からも、買い付けで訪れる人がいる。
スパイダーマンがお迎えするアメリカ雑貨店なども
この並びにある「すごい数のライオン像がこっちを見てくる」ということで有名なのが
「清風堂」だ
車で通った時の印象を字で表すと「家具屋」「家具屋」「家具屋」「ライオン!!ライオン!?!?」「家具屋」になろう。
ゴーパチに向かって吠える像!(150cmはある)
像!
像!!!!!(4m)
「何これ」が止まらない
店前に来たのも初めてだが、まだ何の店かさっぱりわからない。勇気を出して入店!
おぉっ シーサー、石像、アメジスト、焼物、んんん???
SNS時代も驚きの情報過多が待ち構えていた
「20カ国を煮詰めました」みたいな写真になっている
まだ何の店かわからない
入ったあともしばらく、何の店かわからなかった。そこで社長の登場である。
清風堂 取締役社長の上里正俊さん
--清風堂は何のお店なんですか?
「清風堂は”美術工芸品”の専門店ですよ」
ただの石像の店ではなかった。清風堂は、美術工芸品を仕入れ、販売する芸術の専門店だったのだ。
ちょっと伝わっているかわからないが、いま、3歳ぐらいからの疑問がとけて死ぬほど感動している。一緒に来ていた父親も「美術工芸品!」と思わず繰り返した。シーサーからアメジストまでがひしめきあうのも頷ける。
うつくしくまぶしい屏風とテーブル。こういった品々を世界各地から買い付けてくるのだという
沖縄県民、長年の疑問「石像はだれが買うのか」
専門店とわかったところで、さらなる疑問をぶつけてみた。「オモテにある石像たちは、一体誰が買うのか」問題である。
「58号線を通るとみんな、あれ!あのライオン!ってやるでしょ」どうやら社長も評判を知っていたらしい
「あの石像は主に、商売をしている人たちが店のシンボルとして玄関前に飾る場合が多いですよ」
ここで近くにあった中華料理店を思い出す
意識してみたら確かに普通にあった!!! こういうの普通にありすぎて石像という認識すらしていなかった!!!
「好きじゃなかったけど集めだしたらハマった」
沖縄でこんなお店はほとんど見たことがない。上里さんはこの道30年のベテランだ。
奥の部屋も案内してくれた
「今の時代は沖縄も豊かになったけど、昔は貧しかったわけさ。器とかも、昔は雑器しかなかった。でもだんだん生活の質も上がって、いろんな需要もでてきたけど、美術品なんて当時はどこにも流通してなかったわけさ」
美術品にだんだんハマっちゃった上里さん
「そこで私、モノ好きだから。特に美術品が大好き!とかはなかったんだけど、集めて売るのをはじめたら、私自身もハマっちゃって。一つ一つが全然違うでしょう。いまでも年に1回は世界中に買い付けにいきます」
お客さんもはじめは「これ誰が買うの?」って
オモテには魚の石像も(なんかいいな)
「最初はあなたみたいに『こんなの誰が買うの~?』って人が多いですよ(笑)」
だいぶ顔に出ていたらしい。素直にいえば「何がいいのかな?」と思う美術品もあった。
「でも、人それぞれ、見てるとだんだん好きになるモノがあるわけ。ほら、男の子でも最初は全然だけど、後から好きになったりするでしょ」
たしかに。最終的に一番欲しいと思ったオブジェはこれだった。最初は好きになるなんて思ってなかったのに!
「衣食住が満たされると、最後は美術品にたどり着くと思うんですよ。見ることによってエネルギーを感じたり、職人の技術を肌で感じたり。もちろん『これすごいでしょ』って話題にするために買うお客さんもいるし。楽しみ方は人それぞれで」
これ全部石でできてる!(なんかいいな2)
「やっぱり自分が惚れて、好きになって、はじめて自分のものになったときに大きな喜びがあるしね。そりゃお金もかかるけどさ!(笑)」
購入したお客さんからは『ここに飾りました』ってハガキもよく送られてくるそうだ。今ならわかる、もう何か買ってみたい気持ちで溢れている!
遠い先の話になりそうだ
「偏らない」も美学!
上里さんに「どれが一番好きか」聞いてみたら即答で「全部!」と答えた。自分が選り好みをしてしまうと、誰かが好きになるはずの美術品を避けてしまう可能性がある。
だから買い付けの時も、自分の好みはなしに、いろんなものを買い、いろんなものを店に並べるそうだ。
「ネットにのるの? 元カノが見たらどうしよう!」 若者と恋愛の話もできる上里さんでした