タレかつの里に来ました
雨の新潟駅
疑惑を晴らすべく、新潟駅にやってきた。
気温は5度。店までは徒歩で25分ほどかかると、駅について知った。心が折れかけている。
駅前にすぐ「タレかつ丼」の文字が。創業50年、「タレかつ丼」の名付け親であるこのお店に向かいます。
看板にかいてあるタレかつの説明文はこうだ。
「サクサクに揚げた『かつ』を『秘伝のタレ』にくぐらせ、県内産コシヒカリのあつあつご飯の上にのせたシンプルなかつ丼です」。
就活指南書の履歴書サンプルみたいだ。役員会議なら満場一致で採用される人材。早く会ってみたい。
繁華街を抜け、商店街を進む。サクサクの……かつ…秘伝…タレ…あつあつ…ご飯……。
サクサクの……かつ…秘伝…タレ…あつあつ…ご飯……。
しまってた
寒くて耳が痛い。旅疲れと空腹で、今ならどんなことにでも悪態をつけそうだ。
いろんなものにうだうだ言ってたら到着した。 「とんかつ政ちゃん」創業昭和40年の老舗。よっ!老舗!!!!
寒すぎて手がこの状態から動かなくなった。でも、もう大丈夫
準備中だった(開店まであと1時間)
新潟の人は優しい
周りに暖をとれる店もなく、店先で震えることしかやることがない。30分、一人で心を無にしていると店員がやってきた。「寒いので中で待っていてください」。
「寒かったでしょ」と優しくお茶を出してもらった。童話のテンションで「あ…ありがとうございます」といった。
すぐ飲んだ
これでもかと新潟を詰め込んだ定食
世界一優しい店員のおすすめは「にいがたうんめもん三昧セット」だという。タレかつ丼だけではなく、新潟全体を味わえるのだ。メニューまで優しいんだこの店は。
新潟の地ビール「風味爽快ニシテ」
飲むと周囲がやさしい光に包まれます味
いちいち目をつぶってビールを飲んでいると、店員が入ってきた。
「新潟うんめもん三昧セットでーす!」
やっと会えた……。これがタレかつ丼……。
「醤油ダレにつける」ときいたときは、凄くビシャビシャのかつが乗っているのかと疑っていた。よかった。そうではなさそうだ。ただいい匂いしかしない。
それでは食べますね
動画で自分を撮っていたのだが、確実に笑ってた
あっさりしていてうまいかつ丼だこれ
新潟のみなさんに謝罪したいです。「あっさり」そしておいしいかつ丼は本当にあった。食べた時驚きすぎて「えっ」って声が出た。ずっしり感が全然ないのだ。
醤油ダレにつけただけなのに、胃が両手を広げて「おいでよー!!」だ。なんて人懐っこい料理なんだ。
夢中で食べ進めたため、断面などの撮影を忘れた
なぜこんなにおいしいのか。考えながら食べていた。途中、母親から連絡がきた。「新潟はどうですか」「かつ丼がおいしすぎます」「米所だもんね!」。
ここでようやく、米も抜群にうまいことに気がついた。タレかつに集中しすぎて、この料理が首をかしげるほどうまい理由を逃していた。ここへ来る途中、呪文のように唱えた「あつあつの新潟県産コシヒカリ」だこれ。うますぎる。
「かきのもと」という新潟特産の食用菊のお浸し。菊ははじめて食べましたが凄くおいしい植物ですね。
郷土料理の「のっぺ」。味は一生食べ続けることも可能です味でした。(おいしかった)
デザートの笹団子アイス。アイスに笹団子が混ぜ込まれています。まずいと思いますか?(凄くおいしかったです)
久しぶりにこんなに綺麗に定食を食べた
全国の定番になりますように
いつもならどんなに空腹でも、途中でギブアップしてしまっていたかつ丼。はじめてこんなにパクパク食べた。スタンダードかつ丼が好きな方も、そして胃が弱い方も美味しくいただけることを、自信を持ってお伝えします。
名残惜しかったのでタレかつ丼味の柿の種と、タレかつ丼のたれを購入した。柿の種はちょっと強引な味だった。