チャーハンの作り方まとめ
よくテレビなどで「チャーハンをおいしく作る裏技」などと紹介されているものを中心に試してみようと思う。
これらに普段作っている作り方を加え、10種類のチャーハンに挑戦する。
まずは、テレビで見たりネットで見たりした裏技を書きだしてみた。
さらに、今回の比較のため環境を統一すべく、4つ条件を設定した。
美味しいチャーハンといえば、中華鍋を使い強い火力で炒めるイメージが強いが、家に中華鍋はないし、鍋をあおるなんてできない(胸を張って)!
コンロ周りが汚れるのもいやだ!
そこで、テフロン加工のフライパンで、木べらで切るように炒めることにする。
ごはんの状態に違いがあると比較が難しいので、今回はパックごはんを使う。
サトウのごはんを2分加熱して、触れるくらいまで冷ます。
具はできるだけシンプルに、水分の少ないもので作ったほうがべとつかないらしいので、材料と調味料はできる限り少なくすることにした。
油、青ネギ、卵1個、塩と醤油。
特に裏技の指示がなければ炒める手順は、まず卵を投入し、半熟状態のところにごはんを加えるという方法にする(普段そうやっているので)。
さらに、炒める時間は短いと水分が抜けず、長すぎるとパサつくとのことなので、だいたい4分前後と決めて調理していこうと思う。
いつものチャーハンはだま&じめっ
最初に、裏技なしでいつもの私のチャーハンを作ってみたのでご覧いただきたい。
フライパンを強火で熱して、油大さじ1を加え 溶き卵を加え半熟にして… 温まったら…
溶き卵を加え半熟にして…
どーんと温めたパックごはんを投入。
木べら2本でほぐすように炒める。
青ネギを加えてさらに炒める。
塩を加え、鍋肌に添わせるように醤油を加え味つけ。
完成。スプーンですくうと、ごそっと持ちあがる仕上がり。
どうしてもごはんの固まりができる。
できる限りほぐそうとはしたものの、時間を4分前後と設定したため、なかなか難しい。
パラパラとは言い難いし、しっとりというよりじめっとしている。
一部固まっている部分があるのに、部分的に炒め過ぎてパサついてもいて、まぁいつも通りのクオリティという出来だった。
パラパラ度 ★★☆☆☆
しっとり(むしろべたつき)度 ★★★★☆
食べ慣れてる感 100%
甘いものに例えるなら…
強火で焼き過ぎて、表面は焦げて中は生のホットケーキ
唐突にホットケーキとか言いだしてすみません。
甘いもの好きとして、今回作ったチャーハンをそれぞれ甘いものに例えたいのである。
また、おいしさの評価としては、「パラパラ」だけでなく「しっとり」していてほしい。
おいしいチャーハンって、それこそ飲み物のようにばくばくと口からのど、そして食道へと流し込むように食べられると思うのだ。
パラパラを強調しすぎると、ごはんがパサついて流し込むように食べられない。
ごはんのかたまりがあるのは論外だけれど、ごはん一粒一粒がしっかり独立しつつ、かつしっとりとした「パラ&しと」の状態を目指す。
こんな感じ!パラパラだけどしっとり!
そして私は10種類のチャーハンを作り食べ、おいしい作り方を探すというチャーハン星をつかむ旅への道のりを踏み出した。
結果として、チャーハン星をつかむことができたと思う!
旅の様子を全部紹介したいところだが、おいしかったものを中心に書いていく。
第1位、今後私はこの作り方をします
いきなりだが、さっそく私のチャーハン星を紹介する。
いちばん気に入ったのは、
大さじ1の油をごはんに混ぜる。
作っているとき、何もしなかったときに比べて格段に炒めやすかった。
ごはんの固まりも少ないし、木べらで切るように炒めると自然とほぐれてくれた。
4分弱で完成。
つやつやなチャーハンができた。
ところで今回、一人で作って一人で食べるとだんだんわけがわからなくなりそうだと思い、近くに住む90歳の祖母にきてもらい、試食係を依頼した。
企画の趣旨は伝えて、どういう裏技で作ったものかは伏せている。
祖母「これいいじゃない。味もあっさりね。ごはんちゃんとほぐれてるし」
祖母からの評価も高かった。
確かに、パラパラなだけでなくしっとり感もあって、かなりいい出来だと思う。
ごはんに混ぜた油と卵を炒めるときの油で、通常の2倍の油を使っているため、何もしないときに比べてオイル感がある。食べ終わった後のお皿にも油が残っていた。
とはいえ、お店のチャーハンも結構オイリーだし、許容範囲という気もする。
パラパラ度 ★★★★☆
しっとり度 ★★★☆☆
総合評価 90点
甘いものに例えるなら…
オールドファッションドーナツ
祖母からの高評価も鑑み、90点とした。
オールドファッションドーナツは、私の一番好きなドーナツだ。
類似の裏技として、
も試したのだが、これは低評価だった。
この作り方だと、ごはんに混ぜた油を炒め油としても使うので、油の量が控えられるのだが、ごはんを炒めるのに意外に手間取ったのだ。
ごはんがなかなかほぐれない!
炒めるのに時間がかかり、出来上がりの色も濃くなった。
調理に5分くらいかかり、炒め過ぎなのかパサついた印象だ。
パラパラ(むしろぼそぼそ)度 ★★★★★
しっとり度 ★☆☆☆☆
総合評価 60点
甘いものに例えるなら…
焼き過ぎたクッキー
第2位は揚げもの好きの祖母が選んだコレ
第2位は祖母が一番気に入っていた裏技だ。
大さじ1のマヨネーズを混ぜる。
完成。
これも炒めやすかった。自然とほぐれてくれる。
完成後も、ちょうどよく「パラしと」の状態になった。
やはりオイル感はあるのだが、マヨネーズの味はしない。
でも普通のチャーハンとは明らかに違う深みが出た。
これは祖母が絶賛していた。
「これおいしいわね!ごはんもパラパラしてるし、コクがある!!」
パラパラ度 ★★★★☆
しっとり度 ★★★☆☆
総合評価 85点
甘いものに例えるなら…
カロリーメイト
マヨネーズによるコクを良しとするかどうかで好みがわかれそうだ。
「パラしと」の観点では十分効果ありだと思う。
第3位、手間をかければおいしいものができる
次は、手間をかけたらおいしいものができるんだなぁという当たり前のことを再確認させてくれた裏技を紹介する。
まず、ごはんを冷凍して、その後冷蔵庫でゆっくり解凍し、手でほぐれるくらいにしたごはんを炒めるというのだ。
パックごはんを加熱して、そのままラップで包んで冷凍する。
保存したいならそのままパックごはんとして 置いておけばいいのにという思いで心苦しい。
カチコチに冷凍したものを冷蔵庫に10時間入れておいたが、まだ固いままだったので、手でほぐした。
まだまだごはんはバラバラにはほぐれない。
常温にしばらく置いた後、仕方なく手でほぐす。
手でほぐすことでごはんはばらけたが、手につくごはんの量が尋常じゃない。
ほうほう、これが濡れ手に粟というものかと深く頷いてしまったが、濡れ手じゃないし粟じゃない。
というか、このままだとチャーハンのごはんの量が3分の1くらい減ってしまうと思い、必死でごはん粒を落とした。
…すごいめんどくさい…。
でも、この努力はのちに報われる。
あらかじめごはんを一粒ずつにほぐしているので、いままでで一番簡単に炒められた。
卵の上にごはんを入れて炒める。
完成!
食べてみても、理想のパラしと具合だし、味もシンプルだ。
祖母も、「これはよくほぐれてるんじゃない?味もいいわね」とのこと。
パラパラ度 ★★★★☆
しっとり度 ★★★★☆
総合評価 80点
甘いものに例えるなら…
バームクーヘン
完成品だけみれば完璧なのだけれど、めんどくささを鑑みて80点の評価とした。
おいしいけれどすごく手間のかかるお菓子ということで、バームクーヘンだ。
第4位はチャーハン裏技界の有名人
次は、チャーハンの裏技界では最も有名なのではないかというこちらの裏技。
あらかじめ卵かけごはんを作っておいて、それを炒めるというものだ。
卵とごはんを混ぜたものを熱したフライパンに投入。
どんどんばらける!!
これはすごい!
さすが有名な裏技!加熱したら自然にどんどんごはんがほぐればらけていく。
完成した。すごい!パラッパラだ!!!
食べてみても、やはり完璧なパラパラだ。
ただ、しっとり感はほぼない。
パラパラが好きな人はいいと思うけれど、パサついていると言われると否定できない。
祖母の意見はこうだ。
「これはパラパラねー。でもこれ、卵があまり感じられないね。おいしいけど」
たしかに、この作り方だと卵がごはん一粒一粒をコーティングするので、具としての卵の存在感は弱い。
パラパラ度 ★★★★★
しっとり度 ★☆☆☆☆
総合評価 75点
甘いものに例えるなら…
ルマンド
パラッパラで舌に突き刺さるほどだ…ということで、クレープクッキーのルマンドにたとえてみた。
第5位、実は私はぼんやりした味が好き
次に紹介する裏技は、最初聞いたとき、そんなことしたら余計べとべとになるのではと思った裏技だ。
でも、ごはんがべたつくのはごはんに含まれるデンプンが流れ出るのが原因らしく、あらかじめ表面のデンプンを洗い落とすことでパラパラチャーハンが作れるらしい。
ごはんを洗って水を切っておいた。
ほかのものより少し色が薄く感じられる。
炒めるとき、最初は水っぽくてほらやっぱりと思ったが、不思議と次第にぱらぱらになった。
ただ、時間はほかのものより長く5分弱かかった。
食べてみても、パラしと具合は理想的だった。
ただ、とても優しい味なのだ。水分は飛んでいるのに卵おじやのような味がする。
祖母は、「悪くないけれど、ほかと比べてなんだかぼやけた味ね。薄味?」と言っていた。
パラパラ度 ★★★★☆
しっとり度 ★★★★☆
総合評価 70点
甘いものに例えるなら…
ういろう
おいしいけれどはかなげな味ということで、ういろうに例えた。
ちなみに私はういろうが大好きだ。実はこのチャーハンも、個人的には結構好きなタイプだった。
そのほかのチャーハンたち
その他の裏技を一気に紹介する。
紹興酒がおすすめとあったものの、日本酒でもいいらしい。
パラパラ度 ★★★☆☆
しっとり度 ★★★☆☆
総合評価 65点
甘いものに例えるなら…
サヴァラン
パラしと具合は問題ないが、食べるとお酒の味を感じる。
お酒が飲める祖母はこれといって指摘していなかったので、私はお酒が飲めないから余計に感じるのかもしれない。
アルコールは完全に飛んでいるとは思うけれど、お酒の味が残っているということで低評価とした。
胡麻が目立つ!
パラパラ度 ★★★☆☆
しっとり度 ★★★★☆
総合評価 60点
甘いものに例えるなら…
胡麻せんべい
炒めるとき、胡麻がごはんの間に入ってくれる感じで、ごはん粒を傷めずにほぐれてくれた。
でも、ほかのと比べてちょっとごはんのかたまりはある。
そして何より、食べると胡麻が目立つ。
胡麻を入れるだけという手軽さは評価したいけれど、胡麻の存在感が強すぎるため、低めの評価になった。
あと、甘いもののたとえ、せんべい甘いものじゃなかった…。
お酢の香りが残る…。
パラパラ度 ★★☆☆☆
しっとり(むしろべたつき)度 ★★★★☆
総合評価 50点
甘いものに例えるなら…
酢ダコ
食べてみると、お酢のにおいが残っている上、水分量が多くてパラパラとはいいがたい。
どんな裏技で作ったかを知らない祖母も、お酢が入っていることに気づいていた。
胡麻せんべいに続き、甘いもののたとえが雑になってすみません。
これ以降、ごはんにあらかじめ油を混ぜておくという裏技で何回か作ったが、パックごはんでなく家で炊いたご飯で、倍量で作っても成功した。
それにしても、チャーハンって食べ続けても全然飽きないのがすごい。
10種類食べ比べ終わったとき、「この充実感と満腹感は、結婚式に出席して、披露宴のお料理を全部食べきれたときに似ているな!」なんて思ったけれど、もうチャーハンはしばらくいいやとは思わなかった。
冷凍保存した残りのチャーハンも、結局翌日には解凍して全部食べきれた。
ちなみに祖母も、協力してくれてありがとうといったところ、大好きなチャーハンをいっぱい食べられて嬉しかったと言ってくれた
今回の結果は私が作った際のもので、同じ裏技で作っても別の結果が出ることもあると思います。あくまで私が作ったときの結果として受け止めてください。