寒くなってきましたね、みなさんご機嫌いかがでしょうか。寒くなってくるとカレーが食べたくなりませんか? うんうん、カレーは年中食べたいですよね、すみません。
今回は鎌倉の、毎回通るたびに行列ができている「キャラウェイ」のあれこれをご紹介。
ということで
はい鎌倉ー
こちらも超キニナルレストラン「コアンドル」の角を
右に曲がればカレーのにおいがしてくる。レトロな一軒家風のお店が「キャラウェイ」。
通るたびに行列ができてるよなあ
カレーのソースは持ち帰りもできるのね
ん?
お店の外の張り紙に「ご飯の量が多すぎるとのご意見をよく聞かれます」とのキニナル記載が。ふ、ふーん。普通盛でも多い……多すぎる、かあ。これはだいぶ冒険の予感がする。
店内の様子
木とアンバーの光があたたかな、懐かしさを感じる内装。クラシックがかすかに流れる空間に、芳しいスパイスの匂いが漂う。
とても和やかに取材を見守ってくださったスタッフさん方
お話を伺ったのはカレー専門店「キャラウェイ」社長の丹間美智子(たんま・みちこ)さん(写真中央)。カレーのレシピもお店も丹間さんが中心となって作り上げた。現在は息子さん(写真前列右)がお店に立たれている。
同店ができたのは1977(昭和52)年。専業主婦だった丹間さんが「自宅であるこの場所で、子育ての傍ら何か商売ができないか」と思ったのがきっかけだった。
「どんなことをしようかと考えながらふと家の外を見ると、幅広い年齢層の方が歩いていて、カレー屋にしよう、と。カレーはお子様からお年寄りまで召し上がれるし、間違いない、と思いましたね。もともと料理を作るのは好きでした。どんなカレーにするか1年かけて模索しました」と丹間さん。
ご自分の舌だけを頼りに、現在のレシピにたどり着いた。
なるほど
お店は、自宅の一部を建築技師であるご主人が店舗スペースへと改装。開業当初は席数も少なく、丹間さんとパートさんお二人でお店を回されていたが、3ヶ月もすると行列ができるように。
「始めてすぐに人手が足りなくなり、幼稚園の息子を『よ! 洗い物主任!』とおだてて手伝わせることもありました。しばらくすると『僕は洗い場囚人だ』とぼやいていましたが……」と、開業当初の忙しなかった様子をお話くださった。
現在までは、行列のできるカレー専門店として順調に来られたのだとか。
少しずつ店舗の広さを大きくしていき、今に至る
店内に飾ってある絵画は、丹間さんの義理のお姉さまの作品
大繁盛の秘訣について伺うと「価格に対して食べるものが満足いただけたからではないでしょうか。ここはもともと自分の家で家賃がかからないため、その分安くお客さんに提供できるんです。鎌倉にはいろいろな方がいらっしゃるから、鎌倉に来て高いもの食べた、なんて言わせたくなくて」と、おっしゃっていた。とってもお客さん想いなお言葉に感動した。
消費税のため、値段は若干上がったがとても良心的
それから「キャラウェイ」というお店の名前は、カレーに使用されている香辛料のキャラウェイシードからきている。軽やかで可愛らしい響きです。
変わらないカレー
多くの方が並んでも食べたい「キャラウェイ」のカレー、さてさてどんなものなんでしょうか。
いただく前に、未だかつてどこのメディアにも公開されていない厨房の奥にお邪魔しました。
ごめんください
整然として清潔な厨房には、たくさんの寸胴が並べられていた。食欲を刺激する。
同店のカレーは何から何まで全て手作り。ニンジン、タマネギ、ニンニク、ショウガ、季節の果物に、とろけるまで丁寧に煮込んだ肉を入れ、あらかじめ作っておいたカレー粉と混ぜ合わせ、調味料で味を整える。
「インド風でもない、欧風でもないオリジナルのカレーなのよ。飽きずに週に1回くらい食べたい、と思ってもらえるように味付けしてるの」と丹間さん。
こちらの機械はカレー粉と煮込んだ具材を混ぜ合わせるため回転窯
一度にたくさんの量を作るため、重すぎてとても人力では混ぜ合わせられないのだそう。
こちらの寸胴に小分けにし、冷蔵庫で約2日休ませる
厨房では、その日出すカレーを丁寧に温める工程、新しいカレーの仕込みが同時進行
サラダのドレッシングも自家製
手間を惜しまず丁寧に調理されたカレー。香りだけで、もう美味しい。
でで、キニナルご飯の量について。「普通盛りでも多すぎ」と言われるって、一体……しかも投稿には大盛りもあるから食べてみてよ、という物騒なことも書かれていたし。
「そうですね、うちはかなりライスの量が多いです。昔近くに横浜国立大学の寮があって、よく学生さんたちが食べに来てくれていました。学生さんって食欲旺盛だけどお金があまりないでしょう? 学生さんにはこの店もとても助けられたし、せめてご飯だけでもいっぱい食べてほしいと思っていたら、現在の量になりました」
「大盛りは常連の方から注文いただいて始めたのですが、それがうわさになって、悪ふざけをするような注文をする方も出てきたので、約3年前にやめてしまいました。現在は中盛りならありますが、時間帯によってはお出しできないこともあります」とのこと。
テーブルには目にも鮮やかな4色の付け合せが
味も量も、丹間さんの真心詰まった「キャラウェイ」のカレー、いよいよお目見えなり。
一番注文が多いというビーフカレー普通盛り(760円)
お肉がホロホロになったカレールー
ご飯は550グラムと、だいぶ多い
常連さんに人気のチーズカレーの中盛り(860円、中盛りは通常料金に100円追加)
表面張力ぎりぎりまで入れられたソースと
もりもりのライス900グラム!
並べてみると違いが分かる
筆者の拳と比べてみたけど、分かりにく
ちょっとこれは今まで食べたことない量だなあ、とライスの山に圧倒されながらの「いただきます」だったが、一口食べて確信した。これはいける。だって美味しいもん。
ビーフは素材の甘味がとてもまろやか。でも後からしっかりほっと辛くなる。家庭的でありながら上品さも感じる味わいは、並んでも食べに来たくなる。
キャラウェイシードはどこかなあ
チーズカレーはチキンカレーにたっぷりチーズが入っているうれしい一品。ビーフと比べると最初からしっかり辛い。そこにチーズがまろやかなアクセントになっているため、ちゃんと優しい味わい。チーズの食感もなんとも良い感じです。
ハヤシライス(660円)も試食させていただいた
絶品。さっぱりめの洋風に仕上げられたソースは、さらっといただけちゃう。甘くなく、かといって淡白すぎもせず、とてもバランスのとれた理想的なハヤシライスだった。カレー専門店のハヤシライス、侮れない!!
付け合せにもとっても合う。右からピーマンの漬物、チャツネ、たくあん、福神漬け
最後までおいしくいただきました
鎌倉の行列が絶えないカレー専門店「キャラウェイ」のお料理、堪能させていただいた。味はもちろん、店内も丹間さんはじめ従業員の方々のあたたかい気配りもとても嬉しいお店だった。鎌倉に来たときはまたぜひ伺いたいです。ありがとうございました。
取材を終えて
「本当に、身内だけでいろいろやってるのよ」と、丹間さんは笑っていらしたが、それが良いお店の秘訣の1つなのではないかしら、と思った。歴史深く多くの方々に愛される街に、とっても似合うあたたかいお店だった。
―終わり―
店舗情報
住所/
鎌倉市小町2-12-20
電話/0467-25-0927
営業時間/11:30~20:00
定休日/月曜