作り方は、簡単3ステップ。
(1)まずお弁当を用意する(透明なフタのものがおすすめ)
(2)お弁当の中央に穴を開けて、ボルトをさす。
(3)お弁当につけたボルトを、電動ドリルの先端に固定。
完成!(テレビの情報は気にしないでください)
作業時間は10分ほど。
スーパーカミオカンデは制作費は100億円らしいが、このマシンは電動ドリルがあれば500円くらいで作れる。
さっそくテストしてみよう。
まず、お弁当に入れる具材を作る。
ごはんやおかずをお弁当に詰め込む。
電動ドリルセッティング!そして……
スイッチオン!
遠心力が産み出した寄り弁(スペースコロニーと同じ仕組み)
寄り弁は、普段忘れがちな、でも常に身近にある「重力」の存在を私たちに教えてくれる。
かのニュートンも、寄り弁を見て万有引力の法則を思いついたそうだ。
別の食べ物をセットしてみよう。
寿司をセットして回転させれば……
回転寿司に。
本当の意味で、散らし寿司になります。
この寄り弁マシン、上に別のお弁当をセットすることもできる(養生テープで)
そう、つまりコンビニのお弁当をそのまま取り付けて回転させることも可能なのだ。
そんなわけで、コンビニ各社の幕の内弁当、寄り比べを実施します。
名付けて、
出場選手を紹介させていただきたい。
まずは、エントリーNo.1.
ファミリーマートの幕の内弁当。
エビの天ぷら、レンコン入りのつくねなど、凝ったおかずが特徴的。
定番であるコロッケやタマゴ焼き、ウィンナーもしっかり入っているので、バリエーション豊かなおかずが楽しめる。
ちょっと塩辛そうなシャケと、唯一ゴマのかかっていないプレーンなご飯との相性は想像しただけでヤバい。
税抜369円。
続いて、エントリーNo.2
セブンイレブンの幕の内弁当。
ファミマ、サークルKが、主力をシャケで抑えてきていることに対し、こちらはサバで勝負。
赤いウィンナー、タルタルソースのかかった白身魚と、若者向けっぽいおかずが目立つ。三社の中で唯一、ごはんが一口大で分けられているのがうれしい。
セブンイレブンのお弁当は、素材で勝負するため、あえてごまかしのきかない白い容器にしているのだとか。
税抜369円。
最後に、エントリーNo.3。
サークル Kの幕の内弁当。
煮物や磯辺揚げなど、ちょっと大人向けのおかずラインナップ。
ご飯にまではみ出している巨大なシャケとコロッケの存在が頼もしい。
全体的におかずがボリューミーなので、満足感がありそう。
税抜369円。
比べてみてわかったのが、各社まったく同じ値段である。
300円代で繰り広げられている、激しい戦いがあるのだろう。
さっそく、回転させてみよう。
まずは、ファミマのお弁当。
結果は……
【ファミマのお弁当】
お弁当の寄り度★★★☆☆
タレ飛び散り度★★★★★
弁当の美味しさ★★★☆☆
あまりに飛び散りがスゴ過ぎて、一度お風呂に入る必要があった。
ご飯が形づくる巨大でたくましい傾斜面は、まるでロッキー山脈のようだ。
ゴマのかかっていないプレーンなご飯は、手つかずの大自然を彷彿とさせる。
ぎゅぎゅっと遠心力で固められたご飯。これもおにぎらずと言っていいだろう。
たくましい傾斜面。
続いて、セブンイレブンのお弁当。
結果は……
【セブンイレブンの
お弁当】
お弁当の寄り度★★★★☆
タレ飛び散り度★★★★☆
弁当の美味しさ★★★★☆
お弁当中央部に出現した巨大な裂け目は、世界最深を誇るマリアナ海溝のようだ。
ひじきのおつゆの飛び散り具合は、巨大な海底火山の噴火を連想させる。
海溝の奥に見える、おかずの油分でテラテラ白く光る容器が眩しい。
深淵をたたえるお弁当。
最後に、サークルKのお弁当。
結果は……
【サークルKのお弁当】
弁当の寄り弁度★★★★★
タレ飛び散り度★★★☆☆
弁当の美味しさ★★★★★
一見、「あれ、そんなに寄ってないんじゃない?」と思うかもしれない。
しかし、よく見てほしい。おかずエリアにいたシャケがご飯の部分にまで移動している。
そのさまは、インド亜大陸が、ユーラシア大陸と衝突。
メリメリと大陸を押し上げた結果できた、世界最高峰エベレストを含むヒマラヤ山脈のようだ(シャケの形もインド亜大陸によく似ている)
よくよく観察してみるとコロッケもお弁当の敷居を超えて力強く移動している。
ひとつの塊だったお弁当が、それぞれ別々に動き出すさまは、超大陸パンゲアがそれぞれの大陸に分かれていった過程のようでもある。
以上で、三者の寄り弁度合いの報告は終わりである。
一位を決めよう。
総合的に判断した結果、最強の寄り弁は……
サークルK~!こちら決まりました!
勝敗を決めたポイントは、おかずとご飯という絶対的な分断を超えた移動を見せたシャケであった。
その想定を超えた「寄り」に拍手を送りたい。
何よりお弁当として美味しかった。
寄り弁グランプリを開催して
今回、寄り弁についていろいろ研究してみて、最終的には全て食べたわけだが、なんだか懐かしい気持ちになった。
大人になって、寄り弁に遭遇することはあまりない。
寄り弁は、お弁当の向きとか一切考えずリュックサックにお弁当を突っ込んで、そのままリュックサッック放り投げていたあの頃の味なのだ。
焼きそばのU.F.Oが一時期「青春の主食」をうたっていたが、寄り弁こそが、母と重力の織りなす、青春の主食ではないだろうか。