日本列島が隠れるくらい長々とした雲。今週は雲がしつこく、ウザがられる一週間に。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。
(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたは
ウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
成績、やや下降ぎみです
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜に
こちらでやってます。
火曜(文化の日)の予報は、慎重にいきすぎた。
予測データに点々と出ている雲を、「もしかすると雨雲に化けるかも」「パラッと降るかも」と考えたが、けっきょく晴れの一日。
昔、秋の祝日に「お出かけ日和です」と言って、ザーッと降られ、大ブーイングをいただいた記憶が脳裏をよぎった。
時として、人の記憶は予報の足かせとなる。
土曜(7日)は、早くて夕方前から降るかもと思っていた雨が、14時半頃から一時的に降った。
天気予報の時間分けは、15時~18時が「夕方」。ということは、14時半は「夕方前」。よし!当たり!!
と、しれっと通そうかと思ったけど、14時台を「夕方前」と言い通すには、さすがに無理があるので△に。
本音を言うと、そんな早く降り出すと思ってなかった。
湿気をふくんだ東風が、予想より早く吹き出したのが敗因。
むむむ、また成績が下降線ぎみの11月第1週。
日曜も、雨が予想以上に長々と降って△。成績の稼ぎ時の秋なのに、たった4勝はきびしー。
西日本はまだまだ夏日でした
先週は、木曜(5日)に大阪や福岡で25℃超え。福岡は日曜(8日)に27.5℃まで上がった。
うん、先週の記事で予想した通り。
なのに、なんで自分はもっと薄着をしてこなかったんだ。
ちょうど大阪に行くタイミングで、上着を着て、歩きながら汗ばんでいた。
天気予報で自分で言っておいて、「あっ、服装まちがえた」「傘わすれた」っていう気象予報士、けっこういるんです。
暖かい空気は、湿気を多くふくんでいるので、それが集まると曇りや雨になりやすい。
先週の暖かさは、今週のグズグズ天気の助走だったか。
【今週のみこみ】今週、「梅雨入り」となるか?
季節変わりは、「梅雨」がやってくる。
冬から春のあいだは、菜種梅雨(なたねづゆ)。
春から夏のあいだは、ほんとうの梅雨。
夏から秋のあいだは、秋雨。
そして、秋から冬のあいだは、さざんか梅雨。
いずれも、曇りや雨の日が続きやすい。
週末に来る低気圧が、しっかりだと広く雨に。低気圧がしょぼいと、雨雲もしょぼくなって、たいして降らず。
秋も終わりに来て、そろそろ冬への衣替え。季節が変わる準備で、今週は曇りや雨の日が多くなる。
ポイントは、週末に来る低気圧が、しょぼいかどうか。しょぼいと、たいして雲が広がらず、週後半は晴れに変わる。
そうなれば、さざんか梅雨とは言いがたい天気に。
謝罪に追いこまれるか、結果は来週!
今週の格言
『曇りや雨の日が続いたら、次の季節に衣食住を備えるべし』
質問コーナー
「気象衛星やスパコンなどの技術向上に伴い気象予測の精度が向上した現状、気象予報士の役割はなんでしょうか?」
たしかに、スパコンの弾き出すデータなどは、どんどん良くなってきています。
でも、みなさんは、そこまで当たってる感ありますか?
せっかく予測の精度が良くなっているのに、それが、みなさんにフルに伝わってないことがあるんですよね。
30分ほどの雨を、コンピューターがちゃんと予測していても、天気予報の画面に出るのが「晴れマーク」だけということも、よくあります。
精度が良くなってきた情報を、ロスなく伝える役割が一つ、気象予報士にはありますね。
もちろん、まだまだコンピューターも、よくハズすことがあります。
関東の秋~冬の南風のときの気温とか、雪とか。
そのウソをついているコンピューターの予報を見やぶって、他のデータと見比べたりして、修正するという役割もありますね。
けっきょく、お医者さんが、どんどん発展していく機器を使いこなされるように、気象予報士も発展していくデータを使いこなして、より役立つ情報を届けるのが役割ですね。
ふー、ここまで必死にアピールしたら、まだしばらくは気象予報士はなくならない…でよろしいでしょうか。
詰め天気
先週の問題は、
こちらでした。
正解と次の問題は、来週アップします!
追加のヒントは、「北の高気圧の位置もポイント」です。
解答はこちらから↓
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