特集 2015年9月17日

宗清寺の前で食べるのに向いてるソーセージはどれか

ソーセージを食べ比べるのに最適な場所を見つけました
ソーセージを食べ比べるのに最適な場所を見つけました
巷にはいろいろな種類のソーセージが溢れている。スーパーなど身近なところに限定しても、千差万別である。

今回は初心に帰る気持ちで、そんなソーセージの食べ比べをしたい。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

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最適なスポットを見つけました

なぜソーセージの食べ比べをしようと思ったか。その理由は、先日ソーセージの食べ比べに最高のスポットを見つけてしまったからにほかならない。

こちらである。
こちらが最適スポット
こちらが最適スポット
なぜここがソーセージ食べ比べに最適なのだろうか。一見、ふつうのお寺の本堂にしか見えない。

もう一歩踏み込んでみよう。
ソーセー寺!
ソーセー寺!
こちら、中野にある曹洞宗のお寺、その名も「宗清寺(そうせいじ)」である。

宗清寺…そうせいじ……ソーセージ。どうだびっくりしたろう。ダジャレである。

宗清寺の前で食べるのに最適なソーセージは?

もう食べ比べなんかしなくてダジャレだけで十分なのではと思う人もいるかもしれないが、ここはしつこく食らいつきたい。とうもろこしの芯のように、吸ったらまだ味がするかもしれないからだ。

あるいはやっているうちに宗清寺(ソーセー寺)とソーセージの関係も明らかになるかもしれない。

さて単にソーセージを食べ比べて優劣を付けるのは難しい。

なので今回は、「ソーセージの総本山とも言える宗清寺の前で食べるのに最適なソーセージは何か?」というテーマチャンピオンを決めたい。
用意した様々なソーセージ
用意した様々なソーセージ

ソーセージを温める

ソーセージは温めて食べる。焼き派と茹で派がいると思うが、僕はどちらかというと茹で派である。

だがあらかじめ茹でて水筒に入れてくると味が抜けそうだったので、その場で熱いお湯にひたして数分まつことにした。
ジョバー
ジョバー
茹で派とか言ってますが、いつもは電子レンジで温めてます。
茹で派とか言ってますが、いつもは電子レンジで温めてます。
ちなみにソーセージは熱湯でグラグラ茹でないで、75度のお湯で10分くらい温めるのがいいそうである。近い環境で温めてみた。

ソーセージは準備万端だ。さあ、はじめよう。

1.シャウエッセン

ウインナーの中でもシャウエッセンは特別うまい、という人は多い
ウインナーの中でもシャウエッセンは特別うまい、という人は多い
まずは日本ハムのシャウエッセン。トップバッターにふさわしいブランドである。

そのパリッとした食感のファンは多いが、それはソーセー寺の前にあっても恥ずかしくない堂々としたものを感じた。

やはり宗清寺の前で食べるのに適しているのはおいしくて高級なソーセージなのか。
シャウエッセン
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★★☆
宗清寺前よりお伝えしております
宗清寺前よりお伝えしております

2.お得ウインナー
3.お得ウインナー(肉のハナマサ)

一袋にたくさん入っているお得タイプのウインナー
一袋にたくさん入っているお得タイプのウインナー
少し白いハナマサのお得ウインナー
少し白いハナマサのお得ウインナー
つづいてこのソーセージ。よくスーパーで売られている、袋に500gくらいごろっと入ったお得なウインナーである。

肉は豚と鶏が混ぜられていて味は正直言って「惜しい」。今回は試しに近所のスーパーで買ったものと「肉のハナマサ」で買ったものを揃えた。

食べてみるとちがいは歴然。ハナマサの方が皮がパリッとしている。パリッと、というかもはや頑丈と言ってもいいくらいだった。中の味はほぼ同じように感じた。

さて、宗清寺の前で食べるのにはどちらが適しているだろうか?

お寺の前なので噛む回数は少ないほうがエレガントだろう。よって普通のお得ウインナーの方がハナマサよりやや良しとしたい。
お得ウインナー
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★☆☆☆
お得ウインナー(ハナマサ)
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★☆☆
ちなみに宗清寺の前には5人位が手作業で洗ってくれる、ドリフの「威勢のいいお風呂屋さん」みたいな洗車場があった。
ちなみに宗清寺の前には5人位が手作業で洗ってくれる、ドリフの「威勢のいいお風呂屋さん」みたいな洗車場があった。

4.ハーブのソーセージ

白き龍
白き龍
4本目は10種類のハーブが練りこまれているというこのソーセージだ。ケチャップやマスタードを使わずにこのまま食べても美味しい。
人通りが気になる
人通りが気になる
美味しさはさておき、こうしてぼくは宗清寺の前で食べ比べをしているのだが、ここがかなりの人通りだ。と、なると人目が気になってくる。

「あいつ、宗清寺の前でソーセージ食べてるな……」と思われないか心配だ。宗清寺とソーセージの関連は現地では定番ジョークのはずである。

もし「冗談では言ってたけどマジでやってる奴がいる」と思われたら最悪である。 いや、既に通り過ぎた人のうち何人かはそう思っていたかもしれない。ウオー!

そういう観点からいえば、このソーセージは細くて素早く食べきることができるので、バレずにGOODである。
ハーブのソーセージ
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★★☆

5.ポークビッツ

小さな巨人
小さな巨人
ポークビッツは小さい頃にお弁当なんかに入っていて、よく食べていた。今(宗清寺の前で)食べてみるとどうだろう。

ぱくり。一口である。

もし「宗清寺の前でこっそり食べるソーセージ」というミッションがあって、選択肢がこれまでの5本だったら迷わず隠密性に優れたポークビッツをおすすめする。

「宗清寺の前でソーセージを食べる人間を逮捕する警察」がいたとしても、これならバレないはずだ。
ポークビッツ
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★★★
宗清寺のおけ。ちなみに宗清寺にソーセージ要素は見当たらなかった。
宗清寺のおけ。ちなみに宗清寺にソーセージ要素は見当たらなかった。
ここまでの結果を改めると、宗清寺の前で食べるソーセージはポークビッツが最適だと思われる。小さくて町の人に笑われる心配がないからだ。

しかし食べ比べにも関わらず、ポークビッツに至っては味に言及していない。いいのだろうか。

いいことにしよう。

用意したソーセージののこりはあと5種。しかし、続きに行く前にここでお知らせがある。

――東京に宗清寺はもう一つある。
ソーセージとは全く関係ない宗清寺からのメッセージ
ソーセージとは全く関係ない宗清寺からのメッセージ
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もうひとつのソーセー寺

もうひとつの宗清寺は早稲田にある。
お祭りでにぎわう早稲田駅から
お祭りでにぎわう早稲田駅から
歩いて5分位のところに
歩いて5分位のところに
ほぼひとんちみたいなお寺が
ほぼひとんちみたいなお寺が
駅から5分ほど歩いたところにある、この小さめのお寺が宗清寺だ。

こちらも曹洞宗の宗清寺ということで、先ほどのお寺となにか関係があるのかもしれない。閉まっていたので聞くことはできなかったが。

曹洞宗の人はソーセージが好き。そういう可能性もある。
こちらも宗清寺です
こちらも宗清寺です

6.マイスターヴルスト

皮に裂け目のようなものがあるのが特徴
皮に裂け目のようなものがあるのが特徴
さて続いてはマイスターブルスト。イメージとしては肉のハナマサのシャウエッセンといったところか。

スモーク風味がおいしい。お寺といえば煙。なのでライバルのシャウエッセンよりお寺との相性がいい気がする。

いままで誰もお寺とソーセージの相性なんて考えたことがないだろうから、「お寺といえばスモーク」みたいなポイントを評価に加えるのもぼくの勝手である。
マイスターヴルスト
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★★★
ここからは気分を変えて粒入りマスタードにしました
ここからは気分を変えて粒入りマスタードにしました

7.三元豚ソーセージ

伊勢丹で買った4本600円のソーセージ
伊勢丹で買った4本600円のソーセージ
伊勢丹で買ってきたちょっとお高めのソーセージだ。「折爪三元豚・佐助」という。すごい名前。(折爪というのは山岳の名前らしいので安心して欲しい。)

これが予想通りおいしい。食感はムギュっとしていて詰まった感じ、味はチーズのように濃厚な脂が口に広がる。ほかのソーセージとは一線を画す特別なソーセージという感じだ。

ただ、長い。測ったらほかが6~8cmのところ、これは11cmもあった。濃厚な上に長いと食べるのに時間がかかってしまう。さきほども言ったとおり食べるのに時間がかかると恥ずかしい。

残念ながらあまりソーセー寺の前で食べるのには向いてないといえよう。長所が仇になってしまうとは運命とは残酷なものである。
三元豚ソーセージ
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★☆☆☆
こちらの宗清寺は正面がヨーカドーで人通りが多い
こちらの宗清寺は正面がヨーカドーで人通りが多い

8.フランクフルト

インパクトのあるフランクフルト
インパクトのあるフランクフルト
ウインナーが続きすぎてほとんどウインナー食べ比べになっていた。ここからはウインナー以外のソーセージも、ということでフランクフルトである。

肉は豚と鶏のミックスでしかもスモーク風味ということでかなりクセがある、というのはさておき問題は太さだ。

一口でぱくっと行けず、長い時間もしゃもしゃ食べることになる。しかも大きいので他の人から「あいつソーセージ食べてんな」ということがバレやすい。

これは恥ずかしい。ソーセー寺前で食べるのには向いてないことは明らかだ。
これはバレやすい
これはバレやすい
フランクフルト
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★☆☆☆☆

9.魚肉ソーセージ

CGのようなツヤ
CGのようなツヤ
ソーセージはソーセージということで、魚肉ソーセージも登場させた。

魚肉ソーセージ=おやつというイメージもあるので外で食べていても違和感がないのではないでしょうか。少なくとも普通のソーセージと比べると違和感ないはず。

ならばソーセー寺前で食べても安心。と言いたいところだが、逆に意図せずやっている感じが、見る人によっては「プププ…あいつソーセー寺の前で魚肉ソーセージ食べてる!」という状況にならないだろうか。

ふざけてやってる感じがある方がいいのか、ない方がいいのか……。
魚肉ソーセージ
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★★☆☆

10.指ソーセージ

これが指ソーセージ
これが指ソーセージ
最後は指ソーセージ。指にケチャップとマスタードを添えるとソーセージになるという裏ワザである。

指を口に加える。うん、確かにソーセージだ。一瞬で舐め取る。だれもソーセージを食べてると思うまい。

だがこの虚しさは何か。失うものは少ないが、得るものもまた少ない。
それを見守る観音様
それを見守る観音様
指ソーセージ
宗清寺の前で食べるのに向いてる度
★★☆☆☆

ソーセー寺の前でもっとも向いているのはポークビッツ

いろいろやっているうちに「コッソリ早く食べきれる」ということが、ソーセー寺前で食べるのに最も重要だということがわかった。

ソーセージを食べ比べるならソーセー寺の前がベストだ! と思って今回の企画をやってみたのだが、実際行動してみると真逆だったということだ。こんなにソーセージを食べるのに向いていないところはなかった。

つまり結論すれば、ソーセー寺の前で食べるのに最も向いているソーセージは、「ポークビッツ」ということになる。

この知見を持って今後の人生を有意義なものにしていただきたい。
おめでとうございます。キキララのおべんとうバランつき。
おめでとうございます。キキララのおべんとうバランつき。

ソーセー寺とソーセージの繋がり

今回気になったのは2つの宗清寺がソーセージと無関係を装っていた。(関係ないはずない!)

ソーセー寺は今回紹介した他にもいろいろな場所にあるそうだ。関東だと埼玉券美里町の宗清寺と小田原の創世寺がある。

他のソーセー寺も同様なのであろうか。謎は深まるばかりである。これを読んだ方々は、ぜひお近くのソーセー寺に足を運んで真実を明らかにして欲しい。
中野の宗清寺は墓地分譲中でした。ソーセージ好きは是非。
中野の宗清寺は墓地分譲中でした。ソーセージ好きは是非。
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