特集 2015年9月14日

親子丼の結婚式がしたい

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親子丼ってなんておいしいんだろう。

中学生の時に行った京都修学旅行で、自由行動の中に有名な親子丼屋さんを組み込んだことを覚えている。自分で自炊をするようになって、自分好みの味付けに出来るから自炊っていいかもと思わせてくれたのもこの親子丼だった。

今は、少ない材料ですぐできて美味しいので、たまにお昼ごはんに作ったりする。
ぷりぷりの鶏肉とそれに絡むたまごの奏でるハーモニー……これはもはや結婚だ。

そして親子丼がお腹に旅立つ今日は結婚記念日と言っても差し支えないかもしれない。これは、わたしの手でふたりの旅立ちを祝福するべく結婚式を執り行うしかない。
1986年生。大人げない大人を目指し、日夜くだらないことを考えています。ちぷたそ名義でも活動しています。(動画インタビュー

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親子丼は……たまごが成長すると鶏になる。そのどちらも美味しくいただいてしまうなんて……人間はなんて罪深いのだろう……!!

今気づいてしまった。親子丼は2代に続く物語、言ってみれば食べる源氏物語なんじゃないのか!? まぁ、食べる人間が平安のプレイボーイ、光源氏にあたるわけだが。

とはいえ、実際に親子のニワトリとたまごを食べるわけではないので、ふたりの結婚には障害はないだろう。

そんなわけでふたりの(腹への)旅立ちを祝福すべく、親子丼の結婚式用のプロフィールムービーを作ることにした。

プロフィールムービーをつくる

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親子丼のプロフィールムービー、「親子丼~むね肉と卵のプロフィールムービー~」の制作にあたってはaviutlというwindows用のフリーソフトを使っている。

作っている過程については割愛するが、こいつの製作には素材を探したりする手間も含めて4・5日丸々かかってしまった。動画って手間も時間もかかりまくる……!

動画が完成した

動画が完成したのでYoutube上にアップした。
ひと言断わっておくが、わたしは正気である。

出来上がった時に若干「なんだかすごいものを作り出してしまったのではないか?」という不安がよぎったが、自分的には食材への贖罪を、そして食育の推進を願って作った。

「親子丼~むね肉と卵のプロフィールムービー~」

カーテンが開いて、画面外から新郎新婦が登場する。ここからふたりの物語が始まるのだ。
カーテンが開いて、画面外から新郎新婦が登場する。ここからふたりの物語が始まるのだ。
ラブラブなふたりの姿を見せつけることも忘れない!
ラブラブなふたりの姿を見せつけることも忘れない!
結婚式で流れるムービーでは、普段接してる友人の初めて見る一面が見られる。

好きな人の前でだけ見せる顔ってやつだ。このシーンでは、「あいつ、こんな顔して笑うんだ……!」という感じを感じていただきたい。
新郎、かつては養鶏場の向井理と呼ばれるイケメン
新郎、かつては養鶏場の向井理と呼ばれるイケメン
憂いを秘めた瞳のイケメンニワトリ(向井理似)。新郎はイケメン設定なので、きっと参列している友人も綾野剛似とか堺雅人似のイケメンニワトリばかりなんだろう。
胸肉は栄養たっぷり!
胸肉は栄養たっぷり!
スーパーのパック肉や魚ばかり接している現代っ子には残酷な現実かもしれないけど、現実から目をそらしてはいけないのだ……。
新婦プロフィール。たまごは意外と賞味期限が長い
新婦プロフィール。たまごは意外と賞味期限が長い
プロフィールで賞味期限が表示されるところが、普段見る結婚式ムービーとちょっと違う点だろうか。
養鶏場のマドンナだった母親を取りあって争いも
養鶏場のマドンナだった母親を取りあって争いも
新婦も美女設定なので、誰もが羨む美味しそうな親子丼になるんだろう。「こだわりさんとこ、どんぶり買ったらしいわよ! 100円ショップじゃないやつ」なんてご近所で噂されているのかもしれない。
思わず伏せ字にしてしまったが、厳密にいうとイトーヨーカドーのカゴの中での出会い、だろうか……
思わず伏せ字にしてしまったが、厳密にいうとイトーヨーカドーのカゴの中での出会い、だろうか……
スーパーマーケットでの出会いは職場結婚っぽい。
若いふたりの決意表明に、涙が出ること必至。
若いふたりの決意表明に、涙が出ること必至。
既に親心のようなものが芽生えていたわたしは、編集しながらふたりの成長を思いコンタクトがずれてしまった。
うっすら姿が見えてる
うっすら姿が見えてる
どんぶりの中でしあわせそうに微笑むふたりの姿が、わたしには見えた気がした。あたたかい食卓を築けよ……!
「「ご飯は残さず食べよう!」」
「「ご飯は残さず食べよう!」」
わたしたちは他の命をいただいて食らっていることで生きているということを再実感してほしい、というメッセージを込めた。

「お米のひとつぶひとつぶに神様が宿るんだから、残さず食べなさい」と親に言われて育ったのだけど、その表現を思い浮かべる時に「神様の踊り食い」みたいな想像で脳内がいっぱいになってしまうのだけは勘弁してほしい。
お米ひとつぶひとつぶに宿る神様(想像)
お米ひとつぶひとつぶに宿る神様(想像)

ささやかに親子丼の結婚式を執り行う

では、ムービーができたところで早速親子丼の結婚式を執り行おう。ふたりの意向で、ひっそりと自宅で人前式をすることにする。
新郎、国産若鶏むね肉
新郎、国産若鶏むね肉
新婦、こだわり新鮮たまご
新婦、こだわり新鮮たまご
ほかぁ…
ほかぁ…
調理段階は結婚式でいうと挙式だろうか。

それにしても料理スキルが全くないわけではないし、味は普通に美味しい(と、自分では思っている)ものができるのに、どうしても見栄えが悪いのはどうしてだろう。
シチュエーションで化けるきたなうまい飯
シチュエーションで化けるきたなうまい飯
そんなわたしのきたなうまい飯も、シチュエーションや盛り付けでそれなりに化けることができる。

予想以上に結婚式だ……! これにフォアグラでも添えたらより結婚式っぽくなってしまうのではないだろうか。まさか6畳の部屋で結婚式をやる日が来るとはなぁ……。

親子丼には三つ葉がなかったから水菜を代用して彩りをそえた。ちなみにテーブルクロスがないからバスタオルを敷いたのだが写真で見ると結構それっぽくなって満足している。だが、バスタオルだ。
ムービーの上映が始まる。ちなみにこの花は実際の結婚式で使うようなプリザーブドフラワーを使用している
ムービーの上映が始まる。ちなみにこの花は実際の結婚式で使うようなプリザーブドフラワーを使用している
へえ~、新郎の国産若鶏むね肉さん、向井理似のイケメンだったんだぁ~(新婦の友人の設定)
へえ~、新郎の国産若鶏むね肉さん、向井理似のイケメンだったんだぁ~(新婦の友人の設定)
これを見てしまったらひとつぶたりとも残せない。箸を持つ手にも力がこもる
これを見てしまったらひとつぶたりとも残せない。箸を持つ手にも力がこもる
国産若鶏むね肉とこだわり新鮮たまご、出会えてよかったなぁ……。ふたりともわたしがその日スーパーマーケットに行かなければ出会えなかったの思うとなんだか不思議である。

日々のこうした小さな選択も、今後の人生に少なからず影響を与えているのかもしれない。そういった意味では、わたしたちは日々気づかぬうちに人間に限らずいろんなものと出会っているのだと思う。

そんなこんなで無事、若いふたりの(腹への)旅立ちを見守ることができた。ごちそうさまでした。あと、ごはんはひとつぶ残さず食べよう。

モバイルプロジェクター(QUMI5)での投影風景
モバイルプロジェクター(QUMI5)での投影風景

実際の結婚式が大変なように、ささやかな親子丼の結婚式も大変だった。

編集の都合上スムーズにいっているように見えるが、記事で使う用に親子丼は何度も作ったし、当日動画をプロジェクターで流すのがうまく行かないというトラブルに見舞われてしまい、親子丼は冷めきってしまった。でも親子丼は冷めても美味しかった。

「結婚式前のカップルが結婚式の段取りでモメる」ということがよくおこると聞くので、冷めてもおいしい親子丼はそんなふたりにとって縁起のいいアイテムなってくれるのではないだろうか。
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