特集 2015年8月13日

どこまでも簡単に作る、海南チキンライス

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海南チキンライス……、鶏のスープで炊き上げた日本でも大人気の東南アジア料理だ。

意外と面倒なこの料理をどこまで簡単に作れるか、レシピを極限までそぎ落してみた。
1978年、東京都出身。漂泊の理科教員。名前の漢字は、正しい行いと書いて『正行』なのだが、「不正行為」という語にも名前が含まれてるのに気付いたので、次からそれで説明しようと思う。

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またの名を「海南鶏飯」「カオマンガイ」

アジアの屋台で食らいつく海南チキンライスほどうまいものは無い。
屋台で丸売りされる丸鶏。ザッツ・アジア! イッツ・エィジア!
屋台で丸売りされる丸鶏。ザッツ・アジア! イッツ・エィジア!
鶏ガラの香るご飯に、ぶつ切りの骨付き肉を添えて運ばれてくる。器はもちろん粗末な銀皿だ。

あれだけを喰うために渡航してもいいほどだが、実際そうもいかない僕らはどうしたらいいのか。作るしかないだろう。

というわけでまず本格的に海南チキンライスを自作してみた。
材料:鶏ガラ、モモ肉、ネギの葉、しょうが、にんにく
材料:鶏ガラ、モモ肉、ネギの葉、しょうが、にんにく
本格レシピに登場するこれらの材料をでかい鍋でぐつぐつ煮込んで思う存分鶏スープを取る。
家じゅうにふくらむ東南アジアへの夢と香り。
家じゅうにふくらむ東南アジアへの夢と香り。
塩を加え1時間。スープがとれたら肉とスープを別に分けて冷ましておく。次に大事なのはこれだ。
甘辛チリソースとジャスミンライス
甘辛チリソースとジャスミンライス
ジャスミンライスは、いわゆる「タイ米」の高級種。ちょっと気の利いたスーパーだったら難なく買うことができる。

この香りと食感が海南チキンライスに欠かせない。
目盛通りにジャスミンライスと鶏スープをセットし……
目盛通りにジャスミンライスと鶏スープをセットし……
炊き上がり!! 金色に光る細長いコメがまぶしい!
炊き上がり!! 金色に光る細長いコメがまぶしい!
鶏とジャスミンライスの香りが炊飯器から吹き出し、ナイトマーケットの熱気が家の中を駆け巡る。

やばいアジアなのか。ここはクアラルンプールか。ハノイか。

季節風も冬風から夏風になるうまさ!

全工程3時間! 本格系・海南チキンライスのできあがり!
全工程3時間! 本格系・海南チキンライスのできあがり!
やわらか~く煮込まれた鶏肉と一緒に食っちゃうぜ!
やわらか~く煮込まれた鶏肉と一緒に食っちゃうぜ!
うまい! うますぎる!

ジャスミンライスの香ばしさと鶏ガラのうまみの相性がばつぐん!
野菜の甘みと香りが一体となってのどを通り抜け、肉・ライス・肉・ライスのリピートが止まらない!
海南島からの季節風が嵐のように俺の体をシンガポールまで駆け抜けていくぜ!!
このうまさはタイの首都バンコクまで熱波となって届くぜ!!
このうまさはタイの首都バンコクまで熱波となって届くぜ!!
最高だ。やっぱり海南チキンライスは、こう、熱く肉と飯をかっ食らうものだろう。(都内の店で高級っぽく出てくる海南チキンライスになじめない)

しかしこの3時間以上かかる手間をどうにかスリム化して、同じ興奮を味わうことはできないものか。まずは第1スリム化として、この材料で挑戦してみた。
材料、いっきに半減
材料、いっきに半減
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第1スリム化 手羽元、しょうが、にんにく

まずネギの青葉なんて常備してないから使わない。
ジャスミンライスも、断腸の思いだがあきらめてコシヒカリにしよう。
木のマスで、コシヒカリ1合計りマス
木のマスで、コシヒカリ1合計りマス
そして煮込んでスープを取るのもやめ、思いきって同時炊飯にしてしまおう。
肉も、骨と肉が一体化した手羽元にしよう。
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以上、ぐっと簡単になった第1スリム化チキンライス。どこまで本物に迫れるか。さあ炊き上げてみよう。
うまいチキンライスが楽しみだぜ!
うまいチキンライスが楽しみだぜ!
完成、第一スリム化チキンライス! 金色に光るコシヒカリ!
完成、第一スリム化チキンライス! 金色に光るコシヒカリ!
すごい、うまそう!

炊き上がりのにおいは、タイ米とはちがうものの、鶏のふっくらした素晴らしい香り。味も、骨のうまみが米にしみ込んで調和し、充分うまい!

うん、これけっこういけるな! 東南アジアまではいかないけど、与那国島ぐらいまでは熱波届いてるな! マイペンライ! サワディーカップ!
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第2スリム化 とり塩缶詰め、しょうが

第1スリム化がうまくいったので、一気に段階を進めよう。塩味の煮込んだ鶏肉でいいのなら、この缶詰があったじゃないか。
いなばの「焼きとり 塩味」缶詰 100円
いなばの「焼きとり 塩味」缶詰 100円
原理的にはオリジナルと何も変わるところは無いはずだ。
これで成功すれば、100円で好きなだけいつでも海南チキンライス食べ放題である。頼むぜ、いなばの缶詰!
金色に光る缶詰のタレ。こいつに可能性しか感じない!
金色に光る缶詰のタレ。こいつに可能性しか感じない!
金色に光る缶詰のタレ。こいつに可能性しか感じない!
金色に光る缶詰のタレ。こいつに可能性しか感じない!
見た目はかなりいい。まあまあのチキンライスだ。
ただ、炊き上がりの香りが違う。

「俺は人工調味料だぜウェーーイ!」という香りが家じゅうを跳ね回り、手の付けられない暴れ祭り状態になった。
人工調味料の暴動、民主化デモ状態だ。
味は……季節風は吹くのか……
味は……季節風は吹くのか……
味は意外とうまい。
だが、屋台で食える本物とはかなり別。チキンライスのジャンク品だ。ぺヤングとリアルな焼きそばが違うように、これは、別のおいしいものだ。
熱波の勢い的にも、パソコンのファンから出る排熱程度である。
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最終スリム化 鶏丸ごとがらスープ

海南チキンライスの定義とは「鶏で取ったスープでご飯を炊いたもの」である。ではこれで作ればオッケーだったんじゃないだろうか。
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なんと小さじ2杯で「鶏丸ごとの豊かなコク」が得られるという。ワーオ!
ということは、あの2時間かけた煮込みの過程がこいつで代用できるというのか。信じられない。
いや、信じよう。
いや、信じよう。
彼がきっと僕らの想いに応えてくれる。

旅行に行くお金も、煮込む時間も無い僕らを救ってくれる。頼むぜ、がらスープのもと!
全東南アジアの期待がかかった炊飯が、今ここに始まる
全東南アジアの期待がかかった炊飯が、今ここに始まる
海南鶏飯是東南亜期待着完成! (東南アジアが期待した海南チキンライスの完成です!)
海南鶏飯是東南亜期待着完成! (東南アジアが期待した海南チキンライスの完成です!)
炊きながら、ポテトチップスの「コンソメチキン味」みたいな匂いが家じゅうに充満したが、平気だろうか。

いや大丈夫だろう、いただきます!
……これ、……これ、イヒヒッ、ヒヒヒッ……
……これ、……これ、イヒヒッ、ヒヒヒッ……
うん……これ……、全然違うわ!
おいしい塩ごはんだわ!
東南アジア遠いわ!
季節風も吹き止んで、「やませ」が東北地方に吹くわ!
塩ごはんとしてはかなりのハイレベル! うまいぜ、この塩ごはん!
塩ごはんとしてはかなりのハイレベル! うまいぜ、この塩ごはん!
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とりあえず新大久保あたりから出直す

やはりオリジナルが図抜けてうまかった。スリム化レシピには相応のリスクがあるようである。

ところで「無印良品」で売っているシンガポールチキンライスの素をたまに買うのだが、炊いたときの香りが驚くほど「とり塩缶詰」のときの匂いにそっくりだった。
あれはひょっとしたら、とり塩の缶詰めを詰めかえて売っているのかもしれない。
セブンイレブンのこれは、かなりうまかった
セブンイレブンのこれは、かなりうまかった
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