中途半端に気取った椅子やパソコンなど全部がちぐはぐだが、やっぱりこういう部屋でひときわ浮いてしまうのが
たまに買う女性誌だ
まずピンクだし、「YES!!な夏HAIRだけ(ハート)」などと書いてあるし、読み物としてとても参考にはなるがこう、なんだろう。あまりに雑誌のまぶしさと生活との落差がありすぎて、書いてある情報に現実味が湧かない。
和室×スウェット×女性誌
ページのタイトル。まぶしい。ため息がでるぐらいまぶしい。
巻物で作ればいい
ここがスタバで、私がおしゃれをしようものなら、ドヤ顔でこの「ar」を読んだって構わない。しかし、ここは6畳の和室で私はスウェットだ。人生には身の丈というものがある。
でも読みたい。女性誌、読みたい。でもまぶ……(以下同)
「おフェロマシマシ」、家で読むには偉大すぎる。おフェロが何かもわからない。
ここで思いついた! まぶしすぎることが問題ならば、「和室」や「スウェット」などと光量が同じもので雑誌を作ろうじゃないか!
キラキラ感ゼロの媒体といえば……。
巻物だ!
巻物の材料と、多分巻物と並べられたのはほぼ初めての「ar」
巻物に女性誌の内容を書けば、和室でも違和感を感じることなく美容の情報などを読むことができるはずだ。
普通の雑誌のキラキラすぎる感じが苦手な人にも、需要があるのではないか?
巻頭インタビュー→特集→コラム・占い
買ってきた「ar」の内容を見てみると、「巻頭インタビュー」→「特集」→コラム・占いなどなどという構成でできているらしい。
超ざっくり構成分析
巻頭インタビューは、大学時代からの友人に頼むことにした。
彼女は着飾っていないのに美しい。「化粧品何使ってるんですか?」「美容室どこいってるんですか?」などと質問されるタイプの人間である。
色気もすごい
「雑誌作るから取材させてよ!」とお願いし、了承をもらった。しかし彼女はまさか自分が巻物に載るとは思っていない。
友人の爪。自分で塗ったと聞いて「神は二物与えるな」と思った
また、様々な美容法にフォーカスする特集ページは、妹に話を聞くことにした。妹は表参道でバリバリはたらく美容師である。
巻末コラムは適当に占いでも書けばいいだろう。女性誌って以外と簡単だ。
朱色と黒しか使えない長いやつ
取材が順調にすすんだので、いよいよ雑誌作りにとりかかることにした。使える色は朱色と黒のみ。センスが問われる。
オリジナル巻物女性誌の名前は「mieL」にした
「mieL」はフランス語で「はちみつ」という意味だ。Lは「Ladies」を意味し、一つだけ大文字にすることで、女性を応援する気持ちを込めた。
すごくいい名前だ、と思った。すぐ妹に「mieL」の名前の由来をLINEで説明した。既読がついたまま返ってこなかった。
目次が出来上がる。 縦書きの渋さに震えが止まらない。
ひたすら友人と妹に聞いた話を縦書きで書き続ける。
本誌完成! あとは貼り付けるだけだが、長いので取り扱いが難しい
貼ったらくるくるくるくる巻いて……
できたー!!!!「mieL」の完成だー!
さあ、和室で女性誌だ
時計を見て軽く引いた。書き始めてから6時間が経過している。
できた「mieL」を手にとる。うれしい
自分で取材し、書いたものなので「読む楽しみ」はすでにゼロだが、こんなに愛着がわいた女性誌は未だかつてない。
そして、完全に「ar」より私の生活に溶け込んでいることがわかる。
Before
After
ちょっとえらくなった気分にすらなる巻物女性誌。結構両手を広げる必要がある。
ここで読者の皆様方にも、幣誌「mieL」8月号をご紹介しよう。
友人と妹に協力してもらった、巻頭インタビューと特集部分。
巻頭インタビュー部分。しっかり挿絵もいれた。
スタイルを維持するには人にみられることが大切で、夏はとにかくフルーツを食べましょう、と友人はいっていた。綺麗な人が言うなら間違いない。
トレンドワードがわからないので、なるべくわかる言葉で書いたら少しババくささがでた。
夏のヘアケア特集。すんなり頭に入ってくる。
美容師の妹によると、夏の髪はとにかく乾燥しているので、たまのスペシャルケアが大事なんだそうだ。途中滲んで読みにくいところがあるが、気合で読んでいただきたい。
思ったより巻物が短く、ここまでで本誌は終わりになってしまった。しかし目次には占いも入れてしまったので、占いは雑誌っぽく別冊ふろくとした。
最後まで広げ切ると、一枚の紙がでてきて……
ルノアール桜林先生の愛占いが読める! かに座なのでうれしい!
キラキラ装飾が苦手ならKindleでよかった
ここまで来て思いついたのだが、女性誌の派手さが苦手ならKindleで女性誌を買えば済む話だったのかもしれない。
ガッチガチのモノクロで、すごい情報量読むことができる。Kindleはすごい。シンプル界を牽引している。
でも縦書き、達筆で美容How Toを書くと妙な威厳と説得力が出ることはわかった。女性のみなさん、この夏はmieLで学んだことをぜひ実践してください。