特集 2015年7月17日

ハンコの自動販売機! 夏の文房具フェス2015

メッセージが浮かぶ賑やかなブース。
メッセージが浮かぶ賑やかなブース。
ISOT2015(国際文具・紙製品展)は、名前の通り国内外の文房具メーカーの新製品を提示発表する、文房具業界最大のイベントだ。

月曜から5日間にわたって短期連載してきたISOTレポート、最終日はハンコの自動販売機や最新技術の電機鉛筆削り、あとはこれまでに拾い残したISOT小ネタなどをお送りする。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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使ってみたい招待状

梱包用資材のMARUAIは、熨斗紙のようなふせんなど、使うシチュエーション次第で面白く使えそうな紙製品が得意なメーカーだ。
刺繍で「thank you」とメッセージの入ったカード。おしゃれだ。
刺繍で「thank you」とメッセージの入ったカード。おしゃれだ。
今回もいろいろとメッセージ性の強いカードや封筒などが出ていたが、特に面白いなと思ったのが『オフィスパーティ招待状』。

職場内でのパーティやイベント用のメッセージカードだ。
地味に浮かれてる感は伝わる表紙。
地味に浮かれてる感は伝わる表紙。
表紙を見てピンと来る方はいるかも知れないが、これ、領収書のパロディー的なやつだ。
とは言え単に見た目を模しただけではなくて、意外と機能的で面白い。
うっかり間違えて経理に出しそうな完成度。
うっかり間違えて経理に出しそうな完成度。
一番大事な会費の金額が大きく分かりやすいし、イベントの名目や場所、幹事の連絡先もちゃんと入ってる。

こうやってみると領収書のフォーマットって良く出来てるなぁとしみじみ感じ入ってしまった。

進化してる電動鉛筆削り

学童文具のデビカでは、進化する要素があまりなさそうな気がする電動鉛筆削りが家電業界的に最新の技術を取り入れていた。
鉛筆削りにもDCモーターが入る時代。
鉛筆削りにもDCモーターが入る時代。
なんと、扇風機や掃除機で最近流行のDCモーターを使っているのだ。

学校の教室なんかにある電動鉛筆削りは休み時間に連続して稼働する事が多く、たまにオーバーヒートすることがある。
しかしこの鉛筆削りはDCモーターのおかげで連続使用してもオーバーヒートしにくい。
やすりで整えたみたいにスベスベ滑らか。すげぇ。
やすりで整えたみたいにスベスベ滑らか。すげぇ。
さらに内部の削り刃周りも、ナイフで鉛筆を削るように刃が根本から芯に向かって削りだしていく方式に改良。
普通の電動鉛筆削りだと削った木の表面に木屑が残っていたりザラザラしていたりするのだが、この新方式により本当にびっくりするど滑らかな削り上がりになるのだ。

まるで最初から削られて売ってる鉛筆のような完成度だ。
これはちょっと「マジか!」と驚くレベル。

海外ブース小ネタ集

ISOTはアジア圏最大の文房具展示会である。ということは当然のように日本以外のアジア諸国からも出展されているのだ。

今回、残念ながら海外組にさほど面白い新製品は無かったので、小ネタ的なもので流しておこう。
韓国ブース。机を無言でずっと上下させ続けるだけのおじさん。
韓国ブース。机を無言でずっと上下させ続けるだけのおじさん。
このブースでは、おじさんがワンタッチで高さが変わる机を紹介していた。
紹介していたというか、無言で延々と机を上下させ続けてた。

この翌日には、別の若いお姉さんが無言で机を上下させ続けてたので、そういう企業方針なのかもしれない。
台湾ブース。定規とか鉛筆とかの意匠が盛り込まれててかわいい。
台湾ブース。定規とか鉛筆とかの意匠が盛り込まれててかわいい。
台湾は他の海外組よりもブースの設営がちょっと凝っていて、文房具テイストが盛り込まれていた。(見どころ、それだけ)

いま台湾は日本と同じく文房具ブームが来ているらしい。
向こうでも面白い文房具がいろいろ出ているはずなのだが、ISOTでは発見できず。残念だ。
中国ブースの防犯ブザーメーカー。『宣伝小天使』『省エネ小天使』という製品名だけがちょっと面白い。
中国ブースの防犯ブザーメーカー。『宣伝小天使』『省エネ小天使』という製品名だけがちょっと面白い。
「新発売商品をプロモーションする時、一番役に立つものだ」という心強い言い切り。
「新発売商品をプロモーションする時、一番役に立つものだ」という心強い言い切り。
『宣伝小天使』は、どうやら商品の展示台で、商品を持ち上げると説明音声が流れる、というものらしい。

そのわりに、看板の男性が「スイートミラ付防犯ブザーです」って言ってるのがよくわからない。音声が流れる事で売り場での盗難アラームになる、ということなのか。
あと、スイートミラってなんだろう。
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文房具の展示台もあった

展示内容がスカスカで「なんだここ、やる気のないブースだなー」と素通りしかけたのだが、よく見ると、文房具店の商品ディスプレイ什器専門メーカーだった。

そんなメーカーまであるのか。
主役は文房具じゃなくて台の方。
主役は文房具じゃなくて台の方。
文房具の什器、かっこいいなあ。
文房具の什器、かっこいいなあ。
文房具の什器はかっこいい。
特にボールペン用什器の「他に転用できない専門性」がすごくいい。
ボールペンを立てる以外のことは全くできなさそうな、突き抜け感がたまらない。

閉店する文房具屋さんからもらったりオークションで購入したりで、僕もいくつか展示什器は持っている。でも、ここにある新品が思ったよりずっと安い。

「個人売りも対応してるよ」とカタログもいただいたので、今度いくつかまとめて買おう。

今回の最おしゃれブースはデザインフィル

言い切ってしまったが、今回のISOTで一番おしゃれなブースは紙製品業界の雄、デザインフィルだった。
紹介する文房具に関する文字がうかぶデザフィルのブース。
紹介する文房具に関する文字がうかぶデザフィルのブース。
空中に立体の切り文字が浮かんでいるのだが、これにはちゃんと意味がある。

例えば「拝啓」とか「お久しぶりです」という文字の真下には便せんや封筒など手紙に関する製品が展示されている。

つまり、製品キャッチが浮いているという趣向なのだ。
文字だけ見て製品を想像するのも楽しい。
文字だけ見て製品を想像するのも楽しい。
「誠にありがとうございます」の下にはポチ袋。
「誠にありがとうございます」の下にはポチ袋。
この正方形のポチ袋には、和菓子のチャーム付き。季節感もあり、美味しそうでいい。

練り切りの透明感とかもリアルだ。
「美しい季節ですね」の下には、じゃばらの便せん。
「美しい季節ですね」の下には、じゃばらの便せん。
28枚分、季節の花が描かれた便せん。これは梅雨から夏。
28枚分、季節の花が描かれた便せん。これは梅雨から夏。
『花絵巻 じゃばら帖』は、28枚がじゃばら状に1つにつながっている超長い便せんだ。
春から始まって1年間、季節の花がずっと続いているので、好きなところで切り離して使えるようになっている。
フィルムふせんを貼って飾れる色紙もかわいい。
フィルムふせんを貼って飾れる色紙もかわいい。
この色紙は、付属の半透明ふせんを貼って飾れる色紙。

なにが良いかって、寄せ書きする人数が少ない場合でも見た目が寂しくならないのだ。
あまり人気のない人への贈り物に最適である。

ハンコの自動販売機が大人気

日本最大の印鑑メーカー・シヤチハタの今回の目玉は、ハンコの自動販売機『osmo』。
最終日には1時間待ちの行列だったosmoの実演コーナー。
最終日には1時間待ちの行列だったosmoの実演コーナー。
タッチパネルを操作してフレームや文字を入力すると、数分で浸透印が完成するという機械だ。
文字を入力したり、かざりつけをしたり。やだこれ楽しい。
文字を入力したり、かざりつけをしたり。やだこれ楽しい。
入力後はハンコのベースをセットして、1分ほどで待つだけ。
入力後はハンコのベースをセットして、1分ほどで待つだけ。
インク不要でぽんぽん押せるオリジナルのハンコが完成。
インク不要でぽんぽん押せるオリジナルのハンコが完成。
今後はショッピングモールやテーマパークなどに設置していく予定とのこと。
場所によってはオリジナルのフレームも用意されるらしいので、ちょっとしたお土産なんかにも良さそうだ。

あともう一つ面白かったのが、シヤチハタが提案する新しいスタンプラリー用のハンコ。
これで1セットのスタンプラリー用ハンコ。
これで1セットのスタンプラリー用ハンコ。
押すたびに漫画が出来上がっていくのがわりと感動的。
押すたびに漫画が出来上がっていくのがわりと感動的。
台紙に1コマごとスタンプを押していくと、最終的に1ページの漫画が完成する。
もちろん内容はオリジナルで発注できるので、古戦場巡りのスタンプラリーで歴史漫画が読めるとか、いろいろ考えられそうだ。

ポケモンやウルトラ怪獣のスタンプを大量に捺して回るラリーも楽しいが、10箇所ぐらいの小規模ラリーならこういうのが面白いんじゃないか。


さて、今年もいろいろと面白い文房具が拾えたISOT、来年ももちろん開催予定です。
日程は2016年の7月6から8日までの3日間。
平日ですが、行ってみたいという方は業界関係者じゃなくても招待券請求すれば入れます。
興味のある方はぜひ。→ISOT2016

今年もやりきりました、ISOT短期集中連載。
ここまでずっと最後はイベント告知をさせてもらいましたが、最終日もやっぱり告知です。

秋以降発売の最新文房具情報や、いま使うならコレ!的なマストバイ文房具情報などあれこれ聞ける文房具トークイベント『ブンキョウ・ブングジャム#9』を、8月29日のお昼に開催します。
3時間ずっと文房具の話だけやる、お好きな方にはたまらないイベントです。

僕もISOTで取材してきた写真数百枚使って、びっちり最新文房具について語ります。
ブンキョウ・ブングジャム#9
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