会社のエレベーターに手形がついててこわい
以下の画像をご覧いただきたい。会社のエレベーターに手形がついていてこわいのである。
(ことの発端はこれであって、僕が日常的に見えちゃいけない何か怯えているというわけではない。)
会社のエレベーターにて
ここ手形がいつもついている。こわい!
エレベーターの金属的なところによく手形が付着している。
始業前やお昼どきはエレベーターが混雑するので、ラッシュ時の電車よろしくバランスをとるために手を触れてしまうのかもしれない。それか手形を付けるのが日課の人がいるのかもしれない。
見るたびに体がこわばってしまう。くだんの、ホラー映画の血手形を連想してしまうせいもあるかもしれない。
いわばこういうことである。
大げさに言えば、このように感じる
扉の部分にうっすらあることも
密室であるエレベーターにおいて、手形は「ここから出られない!」という思いを加速させる。こわい、というより不安と言うべきかもしれない。
大げさだろうか。大げさだろうね。でも続ける。
いつかこういうことがあるかも
もう少し話を続けよう。恐怖の現場は会社のエレベーターに限らない。
ある夏の日、公園の電話ボックスの存在が急に気になってしまうことがあるかもしれない。
だれかを待ち続けているような電話ボックスに視線がいくことがあるかも
誰もが携帯電話を持つ時代、使われることがあるかわからない空間は誰を待っているのか。
その物悲しい灯りに誘われるように男は個室に入り、受話器を取る。電話をかける相手がいるわけでもないのに。
故障だろうか。受話器の向こうからは何も聞こえてこない。耳を凝らそうするが、聞こえてはいけないものが聞こえてくるようで怯懦になる。
静寂。
……いや、これは静かすぎないか?
あたりを見回す。すると……。
きゃー!
わー!
その後、彼がどうなったか知る者はいない。
(終わり)
……なんてことがあるかもしれない。あったらどうしよう。どうしようもないかもしれない。
あってほしくない
さすがにこの電話ボックスのレベルになったらもうダメかもしれないが、行動次第では切り抜けられるという場合もあるだろう。
そのときのためによい対処法を考えたい。というのが今回の趣旨である。(今回は事件系ではなくて、怨念とか怪奇現象系という前提でいくつもりである。)
ちなみに手形は自作です。
透明なプラ板に手形を付け、固定には貼ったり剥がしたりできるテープをつかった。
で、これにであった場合、一体どうしたら乗りきれるのか?(その様子をチラ見せ)
血手形はいつどこでも怖いのか
というわけで対処法を考えたいわけだが、その前にせっかくどこにでも貼れる簡易な血手形を作ったので、ちょっと使ってみたい。
血手形はいつどこでも怖いのか? それを調べるために、近所で使用してみる。
昼の電柱にぺたり。怖くない。
家の壁。そういう模様をあしらえたのかとすら感じる。
いたずらに見えてしまって怖いとは感じない。そしてチェリオは100円。
不気味は不気味かもしれないが、他人ごと感覚で見られるので恐怖感のレベルまで達しない。
なので、血手形の怨霊に出会ってしまったら、いったん外に出てもらうといいのかもしれない。
不気味といえば不気味だが、そういうデザインにも見える
血の手形に遭遇したときの対策1
「いったん外に出ましょうか」と頼む
場所を指定すればキャラクターっぽくもなる
またためしに草木などに貼ってもみた。もはや平面ではない。すると意外なことに可愛らしい感じになってしまった。
手形というより手そのもののようになった。
何かしらのキャラクターのようである
木の中に交通標識があって珍妙というのはさておき、なにやらキャラクターのように見える。写真右後方の低木はサイズがちょうどよかった。
場所によっては手形ではなく「手」に見えるようだ。
血の手形に遭遇したときの対策2
「植物のところなんてどうですか?」と提案する。
室内でやります
本題である室内にもどります
外でやるとあまり恐怖感がないことが分かった。
そこでデイリーポータルZ編集部のあるニフティの会議室に舞台を移そう。就業のひっそりとした雰囲気の中、ひとりっきりの実験である。
前頁に登場した電話ボックスで引き続きやることも考えたのだが、あれはすぐ隣が墓地なので本気で怖い。受話器を上げて音声案内が聞こえただけで「うぉ!?」と漏らしてしまった。声を。
で、貼る
出入口のガラスに血手形を貼る。このままだと雰囲気が出ないので部屋の外側の電気を消し、そして中に入る。
入って
ドアの前に立つ
こわい
怖い。見ての通り写真は当然怖いのだが、実際体験してもドキドキする。
もうドアが開かなくなってしまったのではないかと不安になって、カメラのシャッター音が聞こえるとすぐにドアを開けて確認する。めんどうだが部屋の外の灯りもいちいち付ける。
よし、準備はオーケーだ。
「ペンキぬりたて」張り紙でニュアンスを変える
ここで1ページ目最後に登場した「ペンキぬりたて」の張り紙に登場してもらおう。
東急ハンズで数十円とかで売られてました
ホラーな感じに加工してもなお安心
じっさい見るとやはり一瞬体がこわばる感じがするのだが、目を横にそらせば「ペンキぬりたて」の文字。あ、何かやっちゃったんだな、というまぬけを見る思いに変わる。
おふだとして一枚持っておきたい安心感である。おふだじゃないのでそういった効果は期待できないが。
血の手形に遭遇したときの対策3
「ペンキぬりたて」の紙を貼る
はしゃぐ
それにしてもこの血の手形の威力はすごい。見ていて飽きることがないというか……ずっと不気味なままだ。
日付がわかる時刻が近づく、だれもいない会議室スペース。響くコンプレッサーの低音が不穏な世界観を演出する。
もしかしたらこの「怖い」という気分が状況を悪くさせているのかもしれない。
逆にはしゃいでみてはどうか。
ドキドキする。この加工は心の風景だと思ってください。
テンションが上がる要素は一切ないが、無理にはしゃいでみる。
いえーい、と声に出して撮影した妥協なき「はしゃぎ」
どうだろう。呪われてるとも知らず、はしゃいでる憐れな人のような写真になってしまった。
傍から見てどうかはさておき、実感としては強い気持ちを得られたので、ひとつの方法としてはおすすめしたい。
別の不安もあった
ところで、これを夜遅く電灯を消して撮影していたので、帰る人が僕に気づかなかったらそのままドアをロックしてしまう。冗談ではなく外に出られなくなる恐れがあったのだ。すごく不安。
気持ちがいくつあったらいいのかわからないが検証はさらに続く。
この撮影が終わらないと帰れないので実質この手形に閉じ込められていると言ってもいい。刻一刻と終電の時間は迫る。
グーだと怖い
さきほどまでとは少しちがいます
違いがわかるだろうか。てのひらが少し小さくなっているのだ。
近くによってみる。
グー
パーからグーにかわっただけだろうと思う事なかれ。本気でこのガラスを打ち破りたいという執念を感じる。
そもそもパーじゃ扉はあけられないだろう。見た目には小さな違いだが、その意味を考えると恐怖を倍増させる。
さらにその力強い「念」と自分が、今同じ空間に閉じ込められていると思うと……。震える。
震える
グーのやつは「怖がらせよう」なんてちゃちな気持ちじゃなくて、本気の怨念なのであまり怒らせないほうがいいと思われる。
血の手形に遭遇したときの対策5
「グーだけはやめて」とお願いする。
チョキだったらどうか
パーとグーができるということであれば、チョキにしてもらうことはできないだろうか。というわけでこうなった。
一体なにをアピールしているのか
だいぶハッピー感がでている。もしお願いできたらチョキにしてもらうとかなり恐怖は和らぐと思われる。
神経を逆撫でしないように控えめにお願いしたいところだ。
イエイっ
数が増えても安心。
血の手形に遭遇したときの対策5
「できればチョキに…」と提案する。
色を変えると安心
さて続いて赤(血の色)ではなければどうだろうか?という疑問が浮かぶ。
今回の記事の冒頭にあった「エレベーターについてる手形がこわい」を覆す話しであるが、赤い手形を見慣れた今だと印象もまた違うかもしれない。
白だとだいぶマイルドだ
これは安心
真っ白だとだいぶやわらかい印象になった。すっかり安心だ。終電が近いので安心しておかないとな、という気持ちもなくはない。
血の手形に遭遇したときの対策6
手形の色を白にしてもらう
そういえば、これ、紅白にしたらめでたい感じにならないだろうか。
めでたいどころか、もはやオシャレと言っていいのでは?
怖い感じの加工もオシャレっぽさにかなわず。
オシャレになった。
怨霊による赤い手形が壁についていたとき、白い手形もつけてもらえるかとりあえず頼んでみよう。そういうオプションがあるかは謎だが、選択肢は多い方がいい。
白い絵の具を持っていれば、怨霊と協力して自分で作品を作り上げるのもいいぞ。作品?
血の手形に遭遇したときの対策7
思い切って手形の色を紅白にしてもらう
今回は以上で終わりたい。
今後血手形にからまれた際はこれらを参考に対処したいと思う。
いろいろやってみて気づいたことは、手形はインパクトはあるけどメッセージ力がないということだ。伝えたいことがあるならもっとはっきり言ったらどうだ。
怖いけど何かを動かしたり手のひら以外を表したりしない。霊の中でも弱小チームに所属しているだろう。きっと僕が怨霊になったとしても手形をつけるくらいのことしかできないはずだ。。
どこにあらわれるかが霊の個性なのだろう。僕だったらどうしようか。女子校の更衣室にあらわれるちょっとエッチな手形がいいだろうか。夢は広がるばかりだ。