街中のKaraageの表記を調べてみた
本当に「からあげ」はプリッと、「唐揚」はガシガシとした食感なのか。語感と実態はどうなっているのか。調べてみるため買い集めようとしたのだけれど、中々集まらない。
なんでだろう、と思いながらも数をこなしていくとわかってきた。表記されている名称がすっごい偏っているのだ
こんなにみんな漢字で書いてたっけ!?
100件のお店を見て回ってkaraageの表記を確認したところ、上記のような割合になった。唐揚げ、圧倒的である。
こんなに、こんなに漢字ばっかり!?から揚げ3%ってマジで!?カラアゲなんて0である。不可思議に思うけれど、一応色々買い集めることは出来たので内容と共に見ていこう。
コンビニと専門店、両極端な「からあげ」13%
まずはポイントがわかりやすいところからいってみよう。すべてひらがなの「からあげ」だ。
おなじみ、からあげクン(ローソン)
コンビニに置いてある鶏を揚げたもので、~チキンと名付けられていないものは大体ひらがなの「からあげ」と名付けられている。からあげクンの影響なのか、漢字はまず使われていない。
セブン-イレブンの揚げ鶏、あれだけは謎に例外でなんというか、すごい強い名前なのでいいと思う、揚げ鶏。
専門店もひらがな
あと、からあげ専門店もひらがな表記のところが多い。
ちょっと前のからあげグランプリ出店者の屋号の中で「からあげ」が35件、「唐揚げ」3件、「唐揚」2件だったのでひらがなが圧倒的。シンプルな感じがプロっぽい。
コンビニと専門店以外では「からあげ」と使っているところはかなり少ない。コンビニの一般化と専門店の先鋭化、両極端なところを押さえて「からあげ」は13%であった。
同じ「からあげ」でも味が全然違う
ぜんっぜん違う。
ひらがなのイメージからフワフワプリッとしてるだろう。と思っていた「からあげ」だが、集めてみると全然違う。
専門店のからあげがプリッとしていて非常に「からあげ」であった。対してセブンのからあげがめちゃめちゃに「唐揚げ」っぽかった。味の濃さとジュワッと感が非常に「唐揚げ」
完全に「唐揚げ」っぽいからあげ
完全に「からあげ」っぽいからあげ
そして我が道を行く、からあげクン。からあげの名を冠しているが全然からあげじゃないと思う。からあげクン味のからあげクンという食べ物である。
圧倒的なシェア、唐揚げ(64%)
実際に見て回る前は「唐揚げ」って書いているのはそんなに多くないだろう。と思っていたのに蓋を開けてみると圧倒的。
偏りなく、圧倒的に「唐揚げ」は使われている。一例。
唐揚げ以外に「唐」を「から」と読むことがないので一気に大量の「唐揚げ」という文字を見てしまうと、唐揚げ(からあげ)と読めなくなりそうになる。これ、とうあげ、じゃね?
買い集めてきた「唐揚げ」達
唐揚げも買ってきた。どこもかしこも唐揚げなのだが、専門店とコンビニが「からあげ」なので、持ち帰られるところとなるとスーパーがメインとなった。
しかし、唐揚げを買ってきたのに物凄く「唐揚」っぽいやつと「からあげ」っぽいやつがいる!
すごい唐揚感
すごいからあげ感
すでにここまでお読みいただいている皆様方におかれましては一目瞭然かと思いますが、こいつらです。すごい唐揚感とからあげ感。唐揚げは見た目で表記は統一されていない。
「唐揚」っぽい唐揚げは非常に「唐揚」であった。ガッシガシで繊維質、噛めば噛むほど旨味が出るような存在。「からあげ」っぽい唐揚げは、見た目に反し唐揚げっぽかった。
ちなみに、手羽先の唐揚げは必ず「唐揚げ」か「唐揚」
上記結果では「唐揚げ」と「唐揚」を合わせたもので8割を占めていたのだが、調べたのが名古屋ということが関係しているかも知れない。
手羽先と付くと必ず漢字。
名古屋での手羽先の唐揚げ浸透率はものすごくて、手羽先の唐揚げはあるけれど鶏の唐揚げは無い。という店はあるけれど、逆は無い。からあげといえばまず手羽先なのだ。
そして、手羽先の唐揚げは必ず漢字での表記。「手羽先からあげ」や「手羽先から揚げ」というのは全くなかった。そのため「唐揚げ」が圧倒的だったのかもしれない。
ちなみに、手羽先で有名な世界の山ちゃんは「幻の手羽先」というメニュー名で、唐揚げとはつかない。でも普通のやつは「唐揚げ」。
意外と出会いづらい「唐揚」16%
次はシェア第二位に輝いた「唐揚」なのだけれど、意外とテイクアウトできるお店が多くない。コンビニに行けばある「からあげ」や圧倒的勢力の「唐揚げ」と比べると入手難度は高い。
王将自慢の冷麺メニューに冷やし海老天きしめんが入ってくるのが名古屋。
今回買えたのは餃子の王将。ちなみに大阪王将だと「唐揚げ」なので「唐揚」を買いたい場合には注意が必要である。
王将の唐揚だな。っていう姿形。
ガッシリとした胸肉の唐揚。モサモサする。でも王将に行ったら頼んじゃう、味わいたいモサ感。
からあげクンと同じような立ち位置でうまいどうこうよりも食べたくなる。という存在。ある一定の方向で突き抜けることによって根強い固定客を獲得するという戦略だろうか(どこに行ってもから揚げは頼むけど)。
ほとんど出会えない「から揚げ」3%
から揚げ、漢字と平仮名のバランスが良くて一番カリッとジューシーだろうと思った表記。みんなも美味しそうな表記を使うだろう。と思ったけれど実際は違った。
聖地、中津か…。から揚げの種類が多くてサイコーだなこの店。
全然理由がわからないんだけれど、「から揚げ」は全然ない。100の「からあげ」に関する表記を見てたったの3つしか無かったのだ。
お弁当屋さん?キッチンマザー
メニューが「から揚げ」
しかも持ち帰ることができるトコロもない。一番美味しくて、一番表記が多いと思っていたのがこの状況。一体どういうことなのか。
こんな形で出会うとは
「から揚げ」が無いなんて!と思いながらスーパーを見ていたら、ついに見つけた「から揚げ」だ!
まさかの冷凍食品。一番うまいのではないかと予想していたものが冷凍状態である。すごい、凍えそう。とりあえず買って帰る。
冷食から揚げ食べ比べ
コンビニ、店頭の商品と全然名前合わせてないのな。区別のためか。
ようやっと出会えた「から揚げ」が冷凍食品。冷凍食品のレベルを知らずして「から揚げ」はわからないだろう。と思って他社の冷凍からあげも買ってきた。
から揚げが一番美味しそうじゃない!?
冷凍食品のから揚げは初めて買ったのだけれどガチガチに硬い唐揚げは石感がすごい。全然食べられそうな気がしないが「から揚げ」だけは美味しそう! と思った。
私の「から揚げ」贔屓か、実際にそうなのか。
石では無くなったけれど…
温めてみると食物っぽさは現れたが、なんかパッとしない。パッケージの裏にトーストするとうまいよ!って書いていたのでやってみるとビックリするほど変わりましたぞ。
劇的ビフォーアフター
みんな、キリッとしてる!
苦肉の策としてトースターに入れてみたらビックリするほど姿が変わった。キリッとしてる、から揚げたちがキリッとしてる!ライザップのCMの前後みたいなことになっている。予想以上だ。
ライザップのあのCMを口ずさみながら見て欲しい。ブンッチ、ブンッチ…ブンッチ、ブンッチ…
すごい、全然同一人物に見えない。カリッカリじゃん、揚げたみたいにキレッキレ。マジで!?こんなことありえるの!?すごいな、ライザップ。
から揚げも仕上がった。
侮っていたが、冷凍食品うまい。価格帯も他と比べると安めで、これを上手く使いこなしていければ生活の質が上がるぞ…!?というパワーを感じる。
しっかりとした「唐揚」だ…。
トースターに入れたあとのキレッキレの「鶏から」は本当に揚げたて並みの食感に広がる香り、ほぐれていく鶏の肉。普通にクオリティの高い唐揚だった。すごい。
しかし「から揚げ」はあぶらっこくて少しイメージとは違う感じ。マジか…、これが「から揚げ」なのか。
「から揚げ」は母の味
予想とは違った「から揚げ」。勝手なイメージを持っていただけだったのか。これは「からあげ」派になったほうがいいのかもしれない。
そんなことを思っていた時に「から揚げ」の文字が飛び込んできた。
から揚げ…。から揚げ…!?
から揚げだ!日清のから揚げ粉は「から揚げ」だ!そう思って顔を上げてみると。
から揚げだらけ!!!
から揚げ粉のコーナーは「から揚げ」だらけ。これが当たり前かと言わんばかり。これか、そうか、そういうことだったのか。
一番定番ぽいのを買ってきた。
ショワーッ、ショッ、ショワーッ!!
見つけた時からある種の確信を持ちながら、これだろ、こういうことだろう…。と一段一段階段を登るように進めていく。
うわああああああああ、これやぁぁあぁああああ
これが「から揚げ」だわ…ッ!
うまいっ、うまいっ…!あんた、なんてもんを食わせてくれたんや…!っていう気持ちになる。食べて思い出すのは母が作ってくれたから揚げの味。
母が使っていたから揚げ粉の表記を覚えていた。って事はまさか無いんだろうけれど、やっぱり「から揚げ」が一番だ。という思いを新たにした。から揚げはうまい。
からあげの表記を実際に見てみてこんなに偏りがあるんだと驚いた
目にしているはずなのに意識していないと印象に残っていないものなんだろう(最後のから揚げ粉は無意識に残ってたのかな…?と思うけれど)。
それにしても表記で結構イメージが変わりそうなのに「唐揚げ」一辺倒に近いのはもったいない。
みたいな感じで統一していってはどうだろう。でも、「からあげなのにすごいカリカリじゃん!」みたいなことになるだろうか。でもいいや、どうせ美味いから。あっ、じゃあ、統一しなくていいね、どうせ美味いから。
サイコー、から揚げサイコー!
「カラオケ」を「カラアゲ」かと思ってビクッとして撮った。