なにはなくともスーパーに向かう
観賞用でよかった。左下の袋と他の袋の間に人の顔が見えて、ヒッ!っとするが、敷いてた新聞紙の顔なので安心してほしい。(
Wikipediaの弥富金魚より)
上記の写真が問題のものである。スーパーで金魚を売るにしてもなぜ鮮魚コーナーなのか、鮮魚ではあるけどふさわしくない気がする。
見たい、買いたい。周りの人に「こういうものなの?!」って聞きたい。その思いが高まって弥富市までやってきた。
弥富駅近所のスーパーに向かう。この辺りハトを看板に書いてるスーパー多くない?
駅から出て一目散にスーパーに向かう。とりあえずここまで金魚っぽい要素なし。来るまでの側溝とか覗いたけれど金魚は泳いでいなかった。
Fresh Fish これ以上ないフレッシュさをもった金魚がいるのではないか。
さぁ、金魚はいるのか、いるのか金魚は。スーパーの中の鮮魚売り場を探す。目に飛び込んできたのは「Fresh Fish」という看板。フィッシュ、魚、金魚だ!フレッシュ、生きてる、金魚だ!と連想した。
そうだよな、フレッシュフィッシュコーナーだとしたら、金魚がいたとしても矛盾はない…。いるのか、いや、まさか…。なぜか少し緊張してきた…。
きゅうりくらいしか無かった。
いない。鮮魚売り場に金魚はいなかった。もしかしたら他の売り場に?と思って探してみても無し。スーパーに金魚はいないのか。
地元の人も見たことないスーパー金魚
店内を見回ってみても金魚はいなかったので店員さんに聞いてみる。
俺「スミマセン、このへんではスーパーに金魚が売ってるって聞いたんですが、置いてないですか?」
おばちゃん「えっ、金魚!? モナカじゃなく?」
えっ、なに、なにその選択肢。モナカは売ってるだろうけど、なぜ俺がモナカ探してると思ったのか。
ペット用品コーナーにも金魚の餌はなく、犬と猫の餌だけだった。そして犬のエサが美味そう。
俺「金魚の名産地なんで、スーパーとかでも普通に金魚が売ってるって聞いたんですけど、そんなことないんですか?」
おばちゃん「ちょっと見たこと無いねぇ。」
俺「そうですか…このへんの人ってどこで金魚買うんですか?」
おばちゃん「あっちの方に行ったら金魚屋さんはあるけど、そういえば買った覚えってないわね。いつの間にかいたって感じだけど」
いつの間にか家にいる金魚。おすそ分けとかで来ちゃうのだろうか、名産地感が高い。
おばちゃん「あっ、もしかしたら富吉の方まで行ったらあるかも知れないね。ここでは金魚モナカしかないよ」
金魚モナカ。お腹の辺りがリアル。
俺「富吉ですか、って、えっ金魚モナカってなんですか。それください。」
おばちゃん「えっ、いいの? じゃあ、131円です」
金魚じゃなくてモナカ?っていうのはそういうことだったのか。金魚モナカ、美味い。中の餡が抹茶なのが藻っぽくて、金魚のことをマジ分かってる感があって良かった。
富吉という駅の方に行けばあるかも知れない。とりあえずソッチのほうに向かってみよう。
量の郡山と、額の弥富
金魚池発見!
おばちゃんが教えてくれた富吉の方向に向かって歩く。すると発見、金魚池!やっぱり金魚の産地である。生活と金魚が近い。
全部おたまじゃくし
が、金魚はいない。おたまじゃくしが沢山いた。実際に歩くと同じ金魚の産地でも大和郡山とかなり印象が違う。
大和郡山の景色。一帯金魚池。しかも全部に溢れんほど入ってた。
大和郡山は地域全てが金魚に支配されている感じだったけれど、弥富では市街地にポツポツと金魚池が現れる感じで、家庭菜園と北海道の農場くらい規模に差がある感じだけれど生産量では弥富が日本一らしい。
いてもそんなに多くない。
不思議だなー。と思って、道端にあった金魚屋さんで聞いてみると、生産匹数では郡山の方が多いけれど生産額で弥富が上回っているから日本一、ということだそうだ。
金魚と犬は、同じ種族としてまとめられてるヤツラの形態が違いすぎると思う。
最近弥富では市街化が進んできて安い金魚を大量生産するんじゃなくて、高級路線で少数精鋭にシフトしているという。上の写真の金魚も30万円…。すごい世界だ。
なんか付いてる。ラッキー池田みたいなやつだな。
浅く広くではなく狭く深くか。と思ったがバンバンお客さんが来ていて凄かった。やはり金魚日本一感はすごい。
ムズカシイ、地域ネタライン
金魚屋さんや町中で金魚を見ながらもスーパーに寄って金魚を探す。いる所ではなくいない所にいるものが見たいのだ俺は。
金魚は売っているのか
このスーパーにも金魚はいなかった。ただ、貝がキモい。キモいなー。と思いながら見ていると、お買い物中のおばちゃんから「これ、刺し身にすると美味しいのよ」と声をかけられる。
貝がキモい。
俺「えっ、刺し身ですか? なんか、ちょっと気持ち悪いですね…。こういうの売ってるのに金魚は売ってないんですね。この辺では売ってるって聞いたんですけど」
おばちゃん「まっさかぁ、そんなの聞いたことないわよ」
これ、アレだ、「大阪の人ってみんなよしもと新喜劇みたいなやりとりしていると思ってました」とか「北海道の人はスキーで通学してるんでしょ?」みたいなレベルのやつだ!
俺「でっ、ですよね…。でも、側溝を金魚が泳いでたりは…?」
おばちゃん「あっ、それはあったわ。そういえば最近見ないけどね。確かにちょっと不思議かも知れないわね」
あっ、そこはあるんだ。ムズカシイ、何が本当なのかさじ加減が難しい。大阪では新喜劇みたいな話し方はしないけど一家に一台たこ焼き器あるのはホント。みたいなラインだ。もしかしたらありうるのでは?感が増した。
亀しかいない
亀がめっちゃ多い。
それでも金魚を探してスーパーを巡る。あと、側溝にもいないかなー。と思って見ながら歩くが、全然いない。代わりに亀がめっちゃ多い。こりゃ、金魚はムリだろう…と思う環境。
特に意味はありませんが、亀が逃げる様子をgifでどうぞ。
こんなでっかいヤツの他に、ペットコーナーでよく見るミドリガメも見た。もしかして、このデカイのはミドリガメなんだろうか。恐ろしい、恐ろしくない?
日も暮れてきているが、金魚はいない。
側溝にも亀しかおらず、もう金魚池からは結構離れてしまった。ただ単にスーパーを巡っているだけである。そして巡って分かったが、愛知では貝の品揃えが充実している。でっかいアサリを真っ二つにして売っていたりしてキモい。意外と知られていない食かも知れない。
すごいことに気づいてしまった
愛知といえば、アピタ、ピアゴ
初めのおばちゃんの言うとおりの所を目指しているのだが、もう、ほぼ弥富市から外れそうな状況になっている。
すっごいでっかいトンカツあったから喜んで買った。
いないのか、金魚はスーパーで売られていないのか。何か、何かヒントはないだろうか!?手がかりを探してもう一度最初の画像を見てみる。
値札や何かに情報が載っていないだろうかと写真を見て気づく。「観賞用 愛知県弥富町 金魚」と書かれている。これは! 弥富町と書かれているということは弥富町じゃない所だからこそ書かれているのではないか!?
今回見つけた最も野良金魚っぽいヤツ。風呂の浴槽に金魚が住んでる。
もしかして!と思ってスーパー金魚の写真をGoogleで画像検索かけてみた。すると、写真をアップロードした人の元写真が見つかった!
(
07.08.04 アオキスーパー鮮魚売り場に金魚)
おそらくは2007年なので、約八年前。アオキスーパーというところで撮ったと思われる。アオキスーパー…、調べてみると愛知を中心に展開しているようだけれども…。なんと、向かっている先の富吉というところにもアオキスーパーがある!
もう、ここなのではないか。最後の望みを込めてアオキスーパーに向かう。
すべての条件が整った完璧なスーパー、アオキスーパー
すべての条件が整った完璧なスーパー、アオキスーパー
到着間際に現れる金魚池。おそらく今までのスーパーの中で(つまり愛知県のスーパーの中で)一番金魚池に近い。しかも、このアオキスーパーは弥富市ではないのだ。貼り紙に「弥富町産」って書いていてもおかしくない。
ついに辿り着いたぞ。
つまり、すべての条件が整っている。ここか、ここの鮮魚コーナーに金魚はいるのか。すがるような思いで足を踏み入れる。
見たいような、見たくないような…。不安と期待が入り混じったような思いで歩を進める。
こっ、この赤い群れは
辛子明太子です。
金魚の産地のスーパーでは鮮魚コーナーで売られていなかった。まぁ、まぁ、当たり前のことなんだけれども地域イメージに対する期待があったので実際に無いと少しさみしかった。
この写真が撮られた時はイベント事とかそういうことだったのかも知れないけれども、数年も情報として残っているのが面白い。
こういう情報が増えることで地域イメージが強化(曲解)されていくのか、情報が増えてきちんと理解されていくのか、インターネットで見える、見えない地域性って面白い。