「長いのを選んで買うのよ」
大手メーカー製のパンを選んで買う。自分にとっては新しい発想だった。しかし、長さってそんなに違うものなのだろうか。
日本語に訳すと「魅力のある棒」
真剣勝負が始まる
検証すべく出かけたスーパーで、並んでいる中から一番長いものと短いものを選んでみる。よくよく見てみると、確かに差がありそうだ。
結構違うもんだな
家に帰って比べてみると、3cmほど違いがあるではないか。こうしてみると、どうせなら長いのを買う方がお得感があるような気がしてくる。
ロングスティックは112g
対してショートは111g
しかし、長さの違いはあるにせよ、重さの違いはわずか1gだけなのがヤマザキクオリティ。適当に選んでも、損した感じはないと言っていい。
妻に知らせると「それでも、気持ち的に食べ応えは違うと思う」とのこと。長さで選ぶ視点に揺らぎはないらしい。
妻に知らせると「それでも、気持ち的に食べ応えは違うと思う」とのこと。長さで選ぶ視点に揺らぎはないらしい。
「まず折って、内側から食べ始めるの」
しかし、長いナイススティックにも盲点がある。開いてみるとわかるが、クリームがはじっこまで入っていないのだ。
左がロング、右がショート
長さゆえに大きくなるクリームの余白。しかし妻はそれも織り込み済みで、いつもまずナイススティックを折り、そこから食べ始めている。
ひとくち目から最高のおいしさにアプローチ
そうすることで、食べ始めからいきなりクリーム充実ゾーンにコンタクトできる。クリームのおいしさで口の中が十分に満たされた後、いつかたどり着く余白は、それはそれで後味がよいらしい。
確かに端から食べると、ひとくち目で期待に反して「あれ、クリームないな」と思わされる。そういう喪失感を心理的に回避できる食べ方だと思う。
確かに端から食べると、ひとくち目で期待に反して「あれ、クリームないな」と思わされる。そういう喪失感を心理的に回避できる食べ方だと思う。
「派生品はただのスティック」
ナイススティックには中身のクリームが違うシリーズ製品があるが、妻に言わせればそれらは「ただのスティックだわ」とのこと。
棒切れ扱い
薄黄色のベーシックなクリームあってこそのナイススティックであるらしい。元祖の名前を冠した、虎の威を借る狐とまで言っている。
さらには「カロリーだって違ったはず」と言い出した。
さらには「カロリーだって違ったはず」と言い出した。
基本のナイススティック
上がチョコ版、下がピーナッツ版
本当だ、比べてみると結構違う。同じ値段ならカロリーの高い方が評価が上になるらしい。ここに来て登場した熱量コスト意識。評価が多面的だ。
「ナイススティックの旬は冬」
妻によると、ナイススティックの最もおいしい季節は冬であるらしい。「気温に合わせてなのか、夏はクリームが固くなるけど、冬は柔らかいの」とのこと。
わかんないよ、そんなこと。真剣に食べていないと気づけないクリームの変化。しかし、本当にそうなのだろうか。
わかんないよ、そんなこと。真剣に食べていないと気づけないクリームの変化。しかし、本当にそうなのだろうか。
メーカーのFAQにはない疑問
ヤマザキのサイトの「よくあるご質問と答え」を見てみたが、よくある質問ではないらしく答えは見つからない。ならばとお客様相談室に電話して聞いてみる。
回答は「はい、季節によって変えることがございます」とのこと。
クリーム固さ変化説は本当だった。妻はそのことに自分で気づいているのがすごい。ナイススティックに対する真剣さが、また別の角度から証明されたのだ。
回答は「はい、季節によって変えることがございます」とのこと。
クリーム固さ変化説は本当だった。妻はそのことに自分で気づいているのがすごい。ナイススティックに対する真剣さが、また別の角度から証明されたのだ。
「ナイススティック選びには鮮度も大事」
妻が言うには「お店で品出し中のナイススティックを買って食べたことがあるけど、あれはやっぱりおいしかった」とのこと。
納品されたてゆえ、工場で焼きあがってからの時間経過が短いことと関係しているらしい。わかるのか、そんなこと。
納品されたてゆえ、工場で焼きあがってからの時間経過が短いことと関係しているらしい。わかるのか、そんなこと。
工場直売という響きが魅力的
そばの駐車場のトラックで期待も高まる
鮮度による味の違いを調べるべく、やってきたのは千葉県松戸市にあるフレッシュヤマザキの工場直売店。いつも欲しい商品があるとは限らないようだが、事前に電話注文して購入を確実にすることができる。
「YMK」は松戸第一工場産の証
記事冒頭のスーパーで買ったナイススティックは、購入日から消費期限までが3日間。ここで入手したものは4日間あるので、鮮度が高いと言える。食べ比べてみよう。
ツヤツヤ感は違う気がする
よくわからんな
感覚を研ぎ澄ませて、買いたてのナイススティックをほおばってみる。
……正直、違いがわからない。
首をかしげる私に対して、ひとくちかじった妻は「やっぱり違う、生地の香りが違うじゃない!……うーん、わかんないのかな…?」とのこと。
すまん、わからん。本当においしいナイススティックを前に、私の味覚は無力だったのだ。
……正直、違いがわからない。
首をかしげる私に対して、ひとくちかじった妻は「やっぱり違う、生地の香りが違うじゃない!……うーん、わかんないのかな…?」とのこと。
すまん、わからん。本当においしいナイススティックを前に、私の味覚は無力だったのだ。
トラックの表記がかっこいい
何かに対して真摯に向き合うことで、いつしか自然と浮かび上がってくる作法というものがある。それはわかる。
ただ、それがナイススティックに対してもあるとは思ってもいなかった。
妻が言うには「昔と比べて、クリームの余白は短くなったよね」とのこと。そんな話知らんと思いつつ、ナイススティックは密かに進化しているのかもしれない。
ただ、それがナイススティックに対してもあるとは思ってもいなかった。
妻が言うには「昔と比べて、クリームの余白は短くなったよね」とのこと。そんな話知らんと思いつつ、ナイススティックは密かに進化しているのかもしれない。