「頭部をつまみ、後方へむきます」(ニッスイ)
まずはニッスイの「おさかなのソーセージ」。
「おさかな」と親しみやすさ重視のネーミング
大手メーカーだけあって入手性も高く、他のソーセージのベンチマークともなる存在と言える。
すごく元気そうな人
音読したくなる言葉「めくっテープ」
意外に思ったのはいわゆるトクホマークがついていること。「からだ応援」とも書いてある。
他にもパッケージでは「めくっテープ」なるものが付いている点を訴求している。めくっテープである。おふざけと意味をギリギリのバランスで構成したアピールだ。
他にもパッケージでは「めくっテープ」なるものが付いている点を訴求している。めくっテープである。おふざけと意味をギリギリのバランスで構成したアピールだ。
イラスト入りでよくわかる
ムキ方説明は初心者にもわかりやすいよう丁寧にレクチャーしてくれるタイプ。初めて読んだとき、3コマ目後半を「そっと引き下げます」と誤読し、「やっぱりデリケートなんだな」と思った。
オレンジ色が演出する魚肉ソーセージ感
爆発の予感
パッケージを破り捨てて気がついたのは、はじっこに金属の留め金がないこと。皮をくしゅくしゅと結着させたまとめ仕上げ。金属できつく留められているのは痛々しくもあるので、この方が自然に見える。
そして、無理矢理とじられてシワシワになった先っちょは、いつ見てもはち切れそうな緊張感を漂わせる。
そして、無理矢理とじられてシワシワになった先っちょは、いつ見てもはち切れそうな緊張感を漂わせる。
こんにちは
ムキやすいです
話題のめくっテープをはがしてご対面。確かにこれはムキやすい。子供の頃は皮を噛みちぎった覚えがあるが、これは口でどうこうする必要はないのだ。
拳銃みたいだ
直立性を検証するために立てて持ってみる。ぐにゃりとしなって、ちょうど水平でキープされる。まるでピストルのようだ。
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「つまむ、切る、むく」(マルハ)
続いてはマルハの「フィッシュソーセージ」。
「SAUSAGE」とグローバルを意識した表記
ニッスイ「おさかなのソーセージ」と比べ、英語を押し出してスタイリッシュを演出したネーミングだ。
革命が起きてた
言葉少ない説明
パッケージの訴求で注目点は「どこからでもきれいにむける」。初めて見たときに「どこからでも!?そんなことが可能なのか?」と思った。
ムキ方説明もニッスイの説明口調と異なり、「つまむ・切る・むく」の言葉のみ。ムキやすさに対する自信の表れと言えるだろう。
そして袋を破り捨てて、ギョッとする。
ムキ方説明もニッスイの説明口調と異なり、「つまむ・切る・むく」の言葉のみ。ムキやすさに対する自信の表れと言えるだろう。
そして袋を破り捨てて、ギョッとする。
ワーッ
オレンジのイメージが強いフィルムがこの製品では透明。実体が透けてなまめかしいのだ。
まさにどこからでも
こんにちは
皮の継ぎ目部分には「らくらくOPEN」のドット字が連なる。実際にどこからでも指で切り目が入るようになっており、そこをきっかけに全てをムクことができる。
本体の皮ばなれも非常によく、失敗がない設計に感心させられる。
本体の皮ばなれも非常によく、失敗がない設計に感心させられる。
若さを感じさせる
そして、驚異的な直立性。ほとんどしなることなく、ピンピンしている。ソーセージってこんなに真っ直ぐだっただろうか。
「下までひっぱります」(丸大食品)
3本目は丸大食品の「フィッシュソーセージ」。
わかりやすい
マルハと製品名が同じだが、斜のかかった太いゴシック系書体が力強い。
ムキ方説明は今回比較する中で最も印象的なものだった。
ムキ方説明は今回比較する中で最も印象的なものだった。
息を呑むビジュアル
印象を説明するのが難しいのだが、こんにちは感が強いと言えばいいだろうか。大事そうにむいている様子がよく伝わってくるのだ。
安心のオレンジ
こんにちは
機構としてはニッスイのめくっテープと同様で、安心のムキやすさ。ただ、ムキやすいのはいいのだが、そのあとがだらしない。
ふにゃふにゃ
もっとやれるだろ、と言いたくなるほどぐにゃぐにゃしている。なぜだかつい、厳しく当たってしまいがちだ。元気出しなよ。
先ほど「だらしない」と書いてしまったが、ソーセージにだらしを求めた私が間違っているとも思う。
先ほど「だらしない」と書いてしまったが、ソーセージにだらしを求めた私が間違っているとも思う。
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「歯で噛み切らないでください」(マルシン)
続いてはマルシンの「フィッシュソーセージ」。
角がなくて愛らしい
丸大食品とよく似た感じだが、書体が丸ゴシックなので、ソーセージのポップな楽しさがより伝わりやすい印象を受ける。
ムキ方の説明がない
歯で噛み切るなとアラート
パッケージでの特徴は、今回の中では唯一ムキ方についての解説が一切ないことだ。
「ムキ方?…わかってる、だろ?」というスタンスなのだと思う。
それでいて、「フィルムを歯で噛み切らないでください」という警告は発してくる。
「ムキ方?…わかってる、だろ?」というスタンスなのだと思う。
それでいて、「フィルムを歯で噛み切らないでください」という警告は発してくる。
古典的なたたずまい
こんにちは
皮はムキやすくするためのとっかかり等がないクラシックなタイプ。昔からあるスタイルだ。
歯で噛み切ることは、あらかじめ封じられている。じゃあどうすれば?ハサミか。外科的な操作を要求してくるのだ。
歯で噛み切ることは、あらかじめ封じられている。じゃあどうすれば?ハサミか。外科的な操作を要求してくるのだ。
前向きな印象
直立性はマルハほどではないにせよ、なかなか高い。
マルハのはソーセージにしては真っ直ぐ過ぎる印象もあったので、こちらは自然な頑張りが感じられる角度とも言えよう。
マルハのはソーセージにしては真っ直ぐ過ぎる印象もあったので、こちらは自然な頑張りが感じられる角度とも言えよう。
「高温殺菌製品」(丸善・赤)
5本目は丸善の「ホモソーセージ」。
昔ながらの存在感
他のと違い、パッケージはクリアタイプの赤なので本体が透けて見える。期待が高まる演出だ。
漢字でビシッと言ってくる
なんとなく不完全な先端
パッケージにはやや大きめの字で「高温殺菌製品」と書いてある。食品衛生上の安心感は高まるが、そこまでするのか…という気持ちも浮かんでくる。
フィルムの開け方はイラスト付きだが、先っちょのムケ具合がやや中途半端にも思える。
フィルムの開け方はイラスト付きだが、先っちょのムケ具合がやや中途半端にも思える。
手術必須タイプ
こんにちは
図解こそあったが、本体はマルシン同様にとっかかりのないタイプ。歯で噛み切るなという警告もパッケージにあるので、ハサミを使って本日2回目の外科操作だ。
エネルギーを感じる
直立性は高く、マルハとマルシンの間に食い込んで来た。ほどよい充実感がみなぎっているように思える。
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「献上づくり」(丸善・ゴールド)
最後に紹介するのは丸善の「丸善ソーセージ」だ。
鈍い光を放つ金色
本当は各社の代表ソーセージを1本ずつ紹介するつもりだったのだが、高級版として束売りではなく唯一1本売りされていたのが気になって、丸善の連続エントリーとなった。
商品名が「丸善ソーセージ」。フィッシュや魚という言葉を使わない姿勢に自信を感じる。
商品名が「丸善ソーセージ」。フィッシュや魚という言葉を使わない姿勢に自信を感じる。
他の奴とは違うぞ感
妙にかっこいい写真になった
パッケージには「献上づくり」「別撰素材」。献上先は書いていないが、とにかく献上づくりなのだ。
原材料名欄には、他社のが「魚肉」としか書いてないのに対して「魚肉(たら、まぐろ)」と魚種まである。これが別撰素材の根拠なのかもしれない。
原材料名欄には、他社のが「魚肉」としか書いてないのに対して「魚肉(たら、まぐろ)」と魚種まである。これが別撰素材の根拠なのかもしれない。
こんにちは!
クラッシックタイプの皮に3度目の手術を施し、本体とご対面。むやみにテカることなく、落ち着いた立派な雰囲気が漂う。木目も細かい。
描くカーブが滑らか
直立性はほどよい反り。固ければいいってもんじゃない、でもフニャフニャもかっこ悪い、と言っているようでもある角度だ。
比較に晒されるソーセージたち
ここまで、単独で6種類の魚肉ソーセージを見てきたが、一堂に会することでわかりやすくなるエレメントも検証したい。
比較というむごさ
登場順に右から順番に並べてみた。長さと太さの違いがよくわかる。
丸善金はさすがの貫禄。マルハは太くて短く、直立性検証でピンピンだった理由が読み取れる。その左、フニャフニャだった丸大食品は細長くて納得と言えよう。
丸善金はさすがの貫禄。マルハは太くて短く、直立性検証でピンピンだった理由が読み取れる。その左、フニャフニャだった丸大食品は細長くて納得と言えよう。
色つやにも個性
続いては色つやを見てみよう。先端に注目するとよくわかるが、右側3本にはテカりがあるのに対して、左の3本はマット。この辺の質感を好みで選び出すと、通っぽくなってくる。
色は微妙な違いこそあれ基本的にピンク。ただ、ニッスイだけはグレーがかっていて、なんとなくリアリティがある。
色は微妙な違いこそあれ基本的にピンク。ただ、ニッスイだけはグレーがかっていて、なんとなくリアリティがある。
厳かに切って食べた
魚肉ソーセージにおける個性
魚肉ソーセージと言えば、売ってたのをなんとなく買うという印象だったが、比べることで違いがあることがよくわかった。
どれが優れていてどれが劣るという話ではない。それぞれがそれぞれにソーセージだ。
はじめからムケている魚肉ソーセージはなかった。
どれが優れていてどれが劣るという話ではない。それぞれがそれぞれにソーセージだ。
はじめからムケている魚肉ソーセージはなかった。