確かめに行ったのだが、
朝5時出発とは聞いていなかった。
早い、何だってこんなに早いんだ。そして眠い、こちとら3時間しか寝ていない、それは夜更かしした自分が悪いけど。
以前見に行こうとした友人の話では、活動場所こそ特定できていたが、朝7時に行ったところすでに終わっていたという。そこで念には念をと、二時間前のこの時間に出た訳だ。バイクを走らせ、笑いヨガが行われているというハノイ市内のリータイトー公園へ。
友人「そろそろです」
私 「うん」
??「モッハイバー…」
私 「なんだこの声?」
あれは…!
あれは何だ…!?
大音量の音楽に合わせて、おばちゃんの集団が機敏に動いている!!
この正体は、集団エアロビクス。
ハノイに限らずホーチミン市はもちろん、ラオスやカンボジアなどの東南アジアの各地で同じ光景を何度も目撃したことがある。現地のおばちゃん達にはエアロビ好きが多いのだ。
そのおばちゃん集団を木の陰から見ながら踊る、別のおばちゃん。
他にもいる、このエアロビにはヒエラルキーでも存在するのか。
それは分かったけど、まだ5時台ですよ。
そう、お気付きだろうけど、ベトナムの朝はものすごく早い。中でもハノイは際立って早い。夜も明けない頃から路上には屋台が並び、公園には人が集まって、それぞれの朝を過ごす。
バドミントンを楽しむ人。
ロマンチックに社交ダンスをする人。
寝る人。
本格的に寝る人。
しかし、肝心の笑いヨガが見当たらない。もしかして今日はいないのかと落胆しかけたところ、手分けして探していた友人から「それらしき奴らを見つけた」と連絡を受けた。
現場へ急行すると…いたー!それらしき奴らーー!!
駆け付けると、友人がめちゃくちゃリラックスしながら撮影していた。
まだ笑ってはおらず、準備体操をしているようだ。ざっと30人くらいは集まっている、見たところだと50代くらいの女性が多めだが、20~30代らしい人も数人はいる。
UFOを呼んでいるのか?
手鼻を噛んでいるのか?
私 「え、何これ、いつ笑うの?」
友人「そのうちだと思いますが…」
その時!!
集団「まいまいまいまい!」(かなり大声)
私 「え、何してんの?」
友人「さ、さぁ…」
笑うかと思いきや、いきなり奇声を大きくあげながら輪になって目の前にいる人の背中を叩きだした。準備体操みたいなものなのか?
まいまいまい…ちゅわ!ちゅわちゅわー!
集団 「あーいや!うんべこべん!」
私&友人「!!?」
集団「あはははは!」
私 「はじまった!」
友人「フリー(自由形式)の笑いヨガですね!」
集団「リャリャリャリャ…」
私 「今度は気を溜めた!」
友人「気を溜めはじめた!!」
集団「あははははは!!」
私 「溜めて放った!」
友人「気を溜めて放った!!」
何故だろう、おばちゃんおっちゃんを中心に光の柱が見える。
集団「らっせら!らっせら!」
私 「俺、キャンプファイアが見えてきたよ」
友人「ネルソンさん、一緒に参加しないんですか?」
私 「言うまでもないでしょう…」
この中に入っていく?絶対無理。
しかし、いいものを見た、本当にいいものを見たと思う。
最初は彼らを変な人達だと思っていたけど、笑っている光景をずっと見ていると、次第にこの世で彼ら以上に幸せな人はいないのではないかと思えていた。そして段々とこちらまで元気になってくるのだ、彼らはパワースポットとなり、いろんな人や生き物が集まってくる。
犬が寄ってきたり、
通りすがりの欧米人が撮影したり、
と思ったら毎朝見ているだろう警備員の兄ちゃんは無関心が極まっていた。
最後に、笑いヨガを余すところなく堪能したい方のために完全版を載せておきます。
7分以上あるので、お時間のある時に是非。元気になります。
人生に笑いは大切だが、睡眠はもっと大切。
そんな訳でものすごくたくさんの笑いをもらって、「眠気なんて吹っ飛んじゃったね」と話しながら私と友人は帰って、すぐに寝た。昼までグッスリと寝た。だって3時間しか寝てないんだもの。笑いは大切だ、しかし睡眠はもっと大切だ。
最後に写真をお願いしたら、それほど笑ってないおばちゃん達。