特集 2015年4月8日

鳥取・島根名産「板わかめ」の美味しさを皆様に知っていただきたい

ホントにおいしいと思うんです……
ホントにおいしいと思うんです……
自分がおいしいと思うものを人に勧めるときほど気を使うことはない。

その「おいしいもの」が万人に受けるとは限らないし、舌の肥えた人に「こんなものがうまいの?」なんて思われるのも癪だ。

それでも、どうしても、このおいしさを皆様に知っていただきたい。

「板わかめ」がおいしいのです。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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板わかめ大好き

山陰地方でよく売られている「板わかめ」。子供のころから大好きで、よく食べていた。

上京当時、東京のスーパーで売ってないことにショックを受け、実家に頼んで「塩っペ」※1と「アラ!」※2と「板わかめ」をまとめて大量に送ってもらっていた。(海藻類がすきなんです)

件の板わかめは、海でとれたわかめを水洗いして乾燥させただけ、というとてもシンプルな食べ物だ。

※1「塩っぺ」=主に西日本で売られている細切りの塩昆布の一種。「ふじっ子」みたいなもの。 ※2「アラ!」=主に西日本で売られている海苔の佃煮の一種。「ごはんですよ」みたいなもの。
鳥取ではスーパーでも普通に売っている
鳥取ではスーパーでも普通に売っている
「それってふえるワカメみたいなもんでしょう?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、さにあらず、そんな水で何十倍にも膨らむ乾物なんかと一緒にしないでいただきたい。あくまで板わかめは板わかめであり、全く別物なんです。

ことあるごとにいろいろなことろで「板わかめがうまい」と言い続けてきた私。ツィッターのプロフィールに大好物「海苔」なんて書いているけれど、これ、本当は「板わかめ」である。
ただ、板わかめと言ってもわからない人が多いので、全国的に知名度が高い海苔を便宜的に挙げているだけである。(海苔も大好きです)

板わかめはメーカーごとに味が違う?

そんな「板わかめ」が、実は商品ごとに味が違うらしいという噂を聞きかじった。

これは聞き捨てならない。折よく鳥取に帰省する用事があったので、ついでにスーパーで売ってる板わかめのうち、めぼしいものを3つほど買ってきた。
一般的なスーパーで手に入る板わかめ
一般的なスーパーで手に入る板わかめ
それぞれの板わかめを食べ比べてみたい。

「板わかめ」(青木商店)

まずは青木商店の「板わかめ」。いちばんよく食べていたなじみの商品だ。
合併して大山町になった名和町の町章が残っている
合併して大山町になった名和町の町章が残っている
ちなみに一袋30グラム入りで800円ほどするので、高級品の部類にはいるかもしれない。
中身を取り出したらこんな感じである
中身を取り出したらこんな感じである
指で軽くつまんだだけでポロポロと割れてこぼれ落ちるほどパリパリのわかめ。そう、この感覚。板わかめは、味はもちろん、乾燥したわかめの脆さと儚さを食べている。という心構えでもってご賞味頂きたいのだ。

噛みしめると旨味、塩味、甘み、そしてわかめの風味が口の中に広がる。

板わかめは、基本的にそのまま食べるのがいちばんおいしいのだが、茎の部分は目が覚めるほど塩からい。
塩からいぶぶんはここ
塩からいぶぶんはここ
慣れてしまえばそれもまたおいしさのうちではあるんだけど、はじめて食べるとびっくりするかもしれない。

この部分は、ほかの塩味の薄い部分と一緒に食べるか、ご飯と一緒に食べるのがおすすめだ。

「御津わかめ」

続いて食べるのは「御津わかめ」。
レトロなパッケージデザインが渋い
レトロなパッケージデザインが渋い
こちらも30グラムで800円前後。松江市の鹿島町御津でとれた天然のわかめを使用している。と書いてある。
挑発的な造形のわかめ
挑発的な造形のわかめ
この「御津わかめ」さわり心地からして先ほどの板わかめと全然違う。ちょっとしっかりしているのだ。口の中にいれて噛みしめると、パリパリというよりもポリポリに近い食感がある。

味もまったく違う。塩味が薄いのだ。そのため、わかめの風味や旨味もすこし柔らかい。茎の部分の塩味もきつくなく、そのまま食べる分にはちょうどよい。

いずれにせよ、最初に食べた板わかめとはまったく味が違う。

「板わかめ」(中浦食品)

続いてはこちら「板わかめ」(中浦食品)。
新物のシールがまぶしい
新物のシールがまぶしい
これは、袋をもった時点で「違うな」と直感した。中のわかめが柔らかいのがもっただけでわかる。
キメが細かい
キメが細かい
食感は想像どおり、すこししっとりしており、柔らかい。「パリパリ」ではなく、「サクサク」に近いといえばご理解いただけると思う。

わかめ一枚一枚が薄くてきめ細かく、噛みしめるとしょっぱさ、甘さ、うまみ、渋み、苦味とがぜんぶ一緒にやってきて、その次にわかめの風味が満を持して登場。オペラみたいな味である。

ただ、茎の部分の塩からさはすごい。ここは好みがわかれるかもしれない。

板わかめ一覧表

さて、3つの板わかめを食べ比べたわけだが、食感、味ともにまったく個性が違っていた。作っている業者ごとに味が違うという噂は本当であった。
三者三様の味
三者三様の味
板わかめの重要な要素、塩味の濃さ、食感のパリパリ感をマトリクスでまとめてみた。

なお「しっとり」と言っても、パリッパリの他の板わかめに比べれば若干しっとりしてるかな? という程度で、シケってるほどではない。

なんだか理屈っぽくなってしまっているのは、写真が地味で思ったほどシズル感がないので焦っているせいだ。

作ってる人に一番うまい食べ方をきいてみよう

このままだと華のない記事になりそうなので、とりあえず、板わかめについての疑問と、いちばんうまい食べ方を製造元に電話して聞いてみたい。


――すみません、板わかめについてちょっとお伺いしたいんですが……
「はいどうぞ」

――板わかめにたまに「新物」とかいうシールが貼ってあるのを見かけるんですけど、板わかめって旬とかあるんですか?
「ありますよ。新芽の季節、ちょうど今頃、3月後半から4月のあたまにかけての時期が一年の中でいちばんおいしい季節ですね」
こういうシールがたまに貼ってあったりするのだ
こういうシールがたまに貼ってあったりするのだ
――じゃあ一年中作ってるってわけじゃないんですか
「そうですね、季節が過ぎるとやっぱりわかめの質が悪くなるんですよ、硬くなったり太くなったりしておいしくなくなるんで」

――じゃあ、この季節に買いだめしておいたほうがいいですね
「いちおう、常温で保存できるんですけど、なかには冷蔵庫で保存される方もいらっしゃいますね、やはり湿気ってしまうとおいしくなくなりますから、もし湿気った時はコンロの火で軽くあぶってから食べてもらえれば」

やはりそのまま食べるのがうまい

――食べ方なんですが、作っておられる方としていちばんおいしい食べ方ってなんですか?
「やっぱり、そのまま食べるのがいちばんおいしいと思いますね……あるいはご飯にふりかけて食べてもらえれば」
「佳良であります」「こげぬ程度」「天下一品です」など、グッとくるキーワードがあふれる食べ方の説明
「佳良であります」「こげぬ程度」「天下一品です」など、グッとくるキーワードがあふれる食べ方の説明
――味噌汁や麺類に入れるというのは?
「うーん、それは悪くないですけども、もったいないですね、パリパリの食感を味わって欲しいので……」

というわけで、ご飯にふりかけてみた。
ほら、これ
ほら、これ
わかめがご飯にまとわりつくので適当にまぜて食べよう
わかめがご飯にまとわりつくので適当にまぜて食べよう
うめー
うめー
よく、コンビニにわかめのおにぎりというものがあるけれど、あれよりもわかめの風味がつよく、ご飯の甘味がすごく際立っている。

たしかにこれはおいしい。みなさまもぜひ一度ご賞味頂きたいと思う。

ほんとにおいしいんだから。

アンテナショップで入手できます

この「板わかめ」山陰地方だけではなく、北陸にも似たような食べ物はあるらしい。

東京だと、新橋の鳥取(こちら)、または日本橋の島根のアンテナショップ(こちら)で購入することができる。

以上「板わかめ」情報でした。
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