特集 2015年3月10日

ベトナム家庭の大晦日で文化の違いにいちいちビックリ

何が飛び出すかベトナム民家、正月料理と英才教育

まずは中庭にバイクを停めます。
まずは中庭にバイクを停めます。
ベトナムの民家には駐輪中のバイクが盗まれないための空間が必ずあり、ほとんどは中庭。
その中庭もないと、住人がテレビを観ている横をバイクのまま通り過ぎ、屋内に停める場合もあります。その感覚たるや、まるで他人のタンスを勝手に開けるドラクエのごとし。
居間のテーブルには器と香草が準備されていた。
居間のテーブルには器と香草が準備されていた。
ネルソン 「大晦日は家族だけで食べるの?」
アンちゃん「家族と親戚だよー、ここには私の家族とお母さんの妹の家族が住んでるの」


なるほど、それじゃ正月だからといって、いつもの顔ぶれと違いはないってことか。

なお、ベトナムの元旦は家族親族以外の人間に会うと運気が落ちるとされるらしい。
元旦から日が経つにつれて、家族、親戚、友人、他人、という順序で人間関係を広げていく。

ただし、外国人の訪問は珍しいので縁起が良いとされているそうです。


ネルソン 「じゃあ、知らない外国人の元旦訪問はどう捉える訳?」
アンちゃん「ウチはそういうの信じてないし
ネルソン 「身も蓋も無いことをおっしゃる
テーブルにはちまきのようなものが置いてあった、おーこれは…あれだ!
テーブルにはちまきのようなものが置いてあった、おーこれは…あれだ!
ネルソン 「バインチュンでしょ!」
アンちゃん「そうそう!」


バインチュンは、もち米に緑豆の餡と豚肉を詰めてバナナの葉で巻いて茹でた正月料理。
正月料理といいながら、年がら年中屋台で売っている。でも正月料理。


ネルソン 「手前の丸いものもバインチュン?」
アンちゃん「これはバインダイ」


このバインチュンとバインダイ、中身は同じ。
バインチュンとバインダイのおもしろい逸話があるというので教えてもらった。


アンちゃん「フンヴォンは知ってる?」
ネルソン 「初代国王でしょ」
アンちゃん「そう、バインチュンもバインダイもフンヴォンの末の息子がつくった料理なの」
ネルソン 「へぇ」
アンちゃん「フォンヴォンが王位の継承を掛けて、全員の息子に料理をつくらせたんだって」
ネルソン 「へぇへぇ」
アンちゃん「一番質素な料理だったんだけど、庶民でもつくれる材料だったから、庶民のことを考えればーって、その末の息子が次の王に選ばれたの」
ネルソン 「ちょっと待って、フンヴォンの時代って紀元前…6世紀だよね?」
アンちゃん「そうだよ」
ネルソン 「27世紀前ですが…」


仮に形を変えたとして現在まで続くものか疑問ですが、とにかくそういうこと。
そもそも、フンヴォンが治めた文郎国って半ば神話の位置付けだしなぁ。
皿には5つの果物が載っていた。
皿には5つの果物が載っていた。
ネルソン 「これは?」
アンちゃん「縁起の良い果物だよ」
ネルソン 「それぞれに意味があったりするの?」
アンちゃん「する。カスタードアップルは希望、ココナッツは丁度、パパイヤは十分、マンゴーは消費、イチジクは補充」
ネルソン 「なんとなく被ってね?」
アンちゃん「翻訳が難しいんだよ!」
ネルソン 「すみません!」
アンちゃん「ちなみに全て揃えなくても、ミカンやドラゴンフルーツで代用可だよ」
ネルソン 「純正品と互換品みたいだね」
テトはとにかくめでたいので、贈答品もよく出回る。 ワイン、お菓子、コーヒー、日本のお中元のラインナップと大して違いはないかも。
テトはとにかくめでたいので、贈答品もよく出回る。 ワイン、お菓子、コーヒー、日本のお中元のラインナップと大して違いはないかも。
ネルソン 「ん!」
子供の写真が。
子供の写真が。
ネルソン 「この赤ちゃんは誰?」
アンちゃん「これはいとこの子供だよー」
ネルソン 「あ、じゃあ…あの写真もか」
アンちゃん「もちろん」
実はさっきから気になっていた、アンちゃんのいとこの息子、ベト君(13)の写真。
実はさっきから気になっていた、アンちゃんのいとこの息子、ベト君(13)の写真。
しかし、ベトナムの肖像写真って、こう背景がモヤッとしていることが多い。
次元の狭間にでもいるのだろうか、ベト君は。


ポロロン!パロン!
俺はここだ!と言わんばかりに弾いてきた。
俺はここだ!と言わんばかりに弾いてきた。
と思ったらベト君がすぐそばでピアノを弾いてきた。

アンちゃん「ベトはねー、ピアノも弾けるのよ」
ネルソン 「知ってる、今見てる」

という訳で真剣に弾いてもらいました。
奏でる旋律がヨレヨレのシャツで弾くレベルじゃねぇ。
奏でる旋律がヨレヨレのシャツで弾くレベルじゃねぇ。
ネルソン 「めっちゃうめーじゃねーか!」
アンちゃん「でしょ?」
ネルソン 「将来はピアニストでも目指してるの?」
アンちゃん「いや、本人はパイロットになりたいみたい」
ネルソン 「ほう」
アンちゃん「将来困らないように習い事をさせているだけ、そういう家庭は結構多いよ」


なるほどなぁ、経済的に余裕のある家はどの国でもそうかもしれない。


アンちゃん「ベトは今、日本語を学びたいんだって」
ネルソン 「教えてあげればいいやん」
アンちゃん「うーん、でも、忙しいの」
ネルソン 「アンちゃんが?」
アンちゃん「ベトが!普通の学校と、英語と音楽で、学校を三つ掛け持ちしてるから」
ネルソン 「ゲッ!」
ドアに貼ってあったベト君の週間スケジュール、読めないけど忙しそうですね…。
ドアに貼ってあったベト君の週間スケジュール、読めないけど忙しそうですね…。
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓